2018.9.10カテゴリー:印鑑について
この記事をご覧の方の中に、転機に合わせて実印が必要になりそうだという方はいらっしゃいませんか?
特に、社会人になったとき、子供ができたときなどに急に実印が必要になったという方も少なくないのではないでしょうか。
実印のような印鑑を作る機会は人生にそう何度もあるものではありません。
どうやって作ればいいのか、また、どのようなデザインにすればよいのかなど、分からないことがたくさんあるかもしれません。
そこで今回は、実印を作る際に知っておいていただきたいことについてまとめてみました。
□実印とは
実印とは、住民登録をしている市区町村の役所に、自分の戸籍上姓名を彫刻し、登録したもののことを言います。
印鑑屋で実印用の印鑑を買っても、登録をしなければ実印にはなりません。
また、100円ショップで買ったような印鑑でも登録されればそれは実印として使用できます。
一般的に、実印は重要な契約の時に使うことが多いため、普段使う印鑑と使い分けておくことが重要です。
□実印を使う場面
*不動産取引
*中古車の個人間売買
*銀行融資
*遺産相続
*公正証書の作成
実印が必要になる代表的な場面としての上記のものが挙げられます。また、こういった場面では印鑑証明書も必要になります。
実印と印鑑証明書があれば他人が本人になりすまして契約を結ぶこともできてしまうので、しっかりと自分の実印と印鑑証明書は盗難や紛失の恐れがないように管理しておくことが大切です。
□実印についての基礎知識
*フルネームで作るべき?
実印に関して、フルネームで作らなければならないという決まりはありません。
姓名どちらのみで作っても問題はありませんが、あくまでもそれは法律上のことです。
実際に使う場合には、家族との取り違えや混乱を防ぐためにフルネームで彫った方がよいと言われています。
女性の場合は結婚によって名字が変わるため、名前のみの実印を作られる方もいますが、男女問わず姓名どちらかのみの実印は文字数が少なく、偽造される確率が高くなる点からセキュリティにおいてのリスクが多少あります。
*戸籍上登録された名前
戸籍上登録された名前であることが重要です。
必ずしも名前が漢字である必要はなく、戸籍上登録された名前が平仮名やカタカナの場合、実印がそれに従って作られていても問題ありません。外国人の方などでは英語そのままで実印を作ることも可能です。
□実印に使われやすい素材
*彩華
北方の寒冷地で産出される真樺と特別な樹脂を高圧加熱処理することで作られます。
耐久性に優れた水牛と同程度の耐久性をもっており、非常に優れた実印の素材です。
環境に配慮したエコ素材、かつ、性能も高いので男女問わず人気があります。
*黒水牛
水牛の角を黒に染めたもので、粘りや丈夫さとリーズナブルな価格の両立が特徴的です。
一方で、黒水牛は乾燥に弱く、ひび割れしやすいので黒水牛の中でも「芯持ち素材」といわれる高級なものを使って実印を作ることがおすすめです。
*琥珀
太古の樹脂が地中で何千年という時を経て化石になったものを「琥珀」といいます。
中には、古代の虫が入っている琥珀を想像される方もいらっしゃるのではないでしょうか。
実印にする際には強度等の問題から人口の樹脂を合成しています。
琥珀の美しさは他のものでは感じられないので、琥珀にこだわる方もいらっしゃいます。
*ブラストチタン
硬くて軽く、丈夫なチタンをつかった実印は近年男性に人気があります。
他の素材に比べ、落下時などの衝撃に対して強く、欠けにくいのが特徴です。
□三文字の名前はバランスが悪い?
一般的に実印で彫られる名前は、その印鑑のバランスを考えて作られます。
一般的には2文字や4文字のように偶数のほうがバランスよく見えるという意見があります。
三文字の名前の方の場合、名字あるいは名前どちらかに文字が集中してどうしてもバランスが悪く見えてしまうことがあるかもしれません。
そういった際には名前の後に「印」「之印」といった文字を掘ることが許されており、そういった手段でバランスを取ることも可能です。
ご自身の中でこだわりがありましたら、印のデザインの際に相談してみてもよいかもしれませんね。
また、印影のプレビューサービスを行っていたり、出来上がりの印影を考えた手書き文字の対応をしているところもあるので、探してみてもいいかもしれません。
□印相学:縦彫り横彫り
印相学によると、男性は縦彫り、女性は横彫りががよいとされています。
理由としては、縦彫りは成長、繁栄につながり、彫りは安定につながるとされているからです。
印相学も実印を彫る際の一つの参考にしてみてもいいかもしれませんね。
□最後に
今回は実印について様々な情報をお伝えしました。
実際に自分の印鑑を作るとなると色々とこだわりたくなると思います。
素材や字体、文字のバランスに縦書き横書きなど多くのポイントがありました。
実印は気に入ったものを作ることができれば生涯使っていくことができますので、ご自身の納得いく印鑑づくりをしてみてください。