2015.11.19カテゴリー:印鑑について
印鑑の意外と知られていない常識?!として、印鑑を斜めに押すというのが、特に金融業界である、というニュースが世間を騒がせております。
稟議書などでは、左に上司、右に部下の捺印する項目があるので、その左の上司の印鑑に対して、右の部下の印鑑が頭を垂れるように、
左に傾けて押す、というものです。
金融業界の方の意見としては、確かにそのような習慣もある会社も存在するようですが、「常識」というわけでもないようで、
終身雇用が当然であった厳しい年功序列の名残のようです。
しかし、薄れつつあるとはいえ、印鑑という昔から使われる文化に根付く面白い慣習ですね。
このように印鑑というのは、その人となりを現すもので、自身の分身とも考えれるため、印鑑本体に削りこむタイプのアタリをつけるのは、
良くないとも言われております。
そして、特に今回の事例のような上司にあたる立場の印鑑では、簡単に同じものが作れるような浸透印や印鑑通販に蔓延している安価なコンピューター文字の印鑑ではなく、
格式高い手書き文字で作成する高品質な印鑑が好まれる傾向があります。認印でも意識の高い方が、手書き文字印鑑を選ぶ理由は、
同じ苗字の印鑑でも、手書き文字にすることによって、自分だけのオリジナル文字の印鑑となり、
それを持つことが仕事の矜持にも繋がると考えていると思います。
今では、安価なコンピューター文字印鑑が世の中の印鑑の99%以上を占めるようになってしまいましたが、
印鑑市場では昔ながらの作成方式である、格式高い手書き文字印鑑で作成することができます。
既に使用されている認印をお持ちでも、是非、この機会に手書き文字印鑑をご検討くださいませ。
また、ビジネスシーンでの印鑑の使い方について、特に新しいビジネスパーソンや新入社員が気になるのが、印鑑を斜めに押す習慣についての理解とそのマナーです。
今回は、この特有のマナー、いわゆる「お辞儀ハンコ」の文化的背景と適切な使用法に焦点を当て、その正しい理解を深めることで、ビジネスドキュメントのプロフェッショナリズムを高める方法を探求します。
□ハンコを斜めに押す意味とは?
日本のビジネス文書において、印鑑を斜めに押す習慣は、特定の業界、特に銀行や証券会社、官公庁で見られることがあります。
これは「お辞儀ハンコ」とも呼ばれ、形式や礼節を重んじる日本の文化的表現の一つとして存在しています。
1:どの業界で見られるか?
お辞儀ハンコは、主に銀行や証券会社、官公庁といった金融関連の業界や公的な場で用いられることが多いです。
これらの場では、上下関係や相互の尊重を形式的に表現することが求められるため、印鑑を使ってその敬意を示す方法として採用されています。
2:文化的背景
日本におけるお辞儀ハンコの背景には、目上の人への敬意を表す深い文化的意味があります。
印鑑を軽く傾けることで、相手への敬意や礼儀を象徴的に示せます。
これは、車内の座席位置や乾杯時のグラスの高さと同様に、相手への尊重を表現する方法の一つです。
3:注意点
ただし、お辞儀ハンコは一般的なビジネスマナーではありません。
社内でのみ有効な慣習であり、外部の企業や公的な文書には適用されることは少ないです。
そのため、社内でこの慣習があるかどうかを事前に確認し、必要な場合のみ適切に使用することが重要です。
□印鑑を綺麗に押すコツ
印鑑を使用する際、特に重要なビジネス文書で綺麗に、そして適切に押印することは非常に大切です。
印鑑が乱雑に押されていると、不正確で非プロフェッショナルな印象を与えかねません。
適切な手順で、印鑑を綺麗に押しましょう。
1:捺印マットの活用
捺印マットは、印鑑を押す際に書類の下に敷くことで、印面が書類に均一に接触しやすくなります。
これにより、印影がはっきりと美しく残るため、専用のマットを使用することをおすすめします。
2:印面の確認と朱肉の適量
印鑑を押す前には、印面が清潔であることを確認し、必要に応じて清掃するようにしてください。
朱肉は適量を印鑑に付け、余分なインクが印面に残らないよう注意しましょう。
過剰な朱肉は印影をにじませる原因となります。
3:印鑑の正しい押し方
印鑑は、書類に対して垂直に押し込むようにしましょう。
力の入れ方は均一に、そして確実に押すことが重要です。
押印後は、ゆっくりと印鑑を持ち上げて、にじみや滑りを防ぎます。
*使用後の手入れ
使用後は、印鑑の表面をきれいに拭き取り、保管前に朱肉を綺麗にすることも大切です。
これにより、次回使用時にも綺麗な印影を保てます。
このように、印鑑を綺麗に押すためには、適切な準備と正しい押印方法が求められます。
日々の業務での押印が多いビジネスパーソンは、これらの基本をマスターしておくことで、どのような文書にもプロフェッショナルな印象を与えられます。
□上司がハンコを逆さまに押す理由とは?
上司がハンコを逆さまに押す理由は、決して単なるミスや不注意によるものではありません。
そこには、上司なりの深い意味が込められているケースが多いのです。
1: 承認はしたものの、本意ではないという意思表示
上司がハンコを逆さまに押すことで、承認はしたものの、内心では納得していない、あるいは、この決断に強い懸念を抱いていることを示す場合があります。
これは、上司が責任を負うことを避け、後々、責任追及されることを防ぐための手段とも考えられます。
2: 緊急案件のため内容が十分に確認できないことを示す場合
緊急案件の場合、内容を十分に確認する時間がないまま、承認を求められることがあります。
このような状況で、上司はハンコを逆さまに押すことで、内容を確認せずに承認したことを示す場合もあります。
これは、後々、問題が発生した場合に、上司が責任を負わないための予防措置とも考えられます。
3: 組織に対する責任感や、上司としての威厳を損なう可能性
一方で、ハンコを逆さまに押すことは、組織に対する責任感や、上司としての威厳を損なう可能性も孕んでいます。
特に、部下や取引先から見ると、上司がハンコを逆さまに押す行為は、責任感の欠如や、組織に対する軽視と受け取られる可能性があります。
上司がハンコを逆さまに押す理由は、状況や上司の性格によって様々です。
しかし、ハンコを逆さまに押す行為は、組織や取引先に対して、誤解や不信感を与えてしまう可能性があるため、上司は慎重に判断する必要があるでしょう。
□ハンコを逆さまに押すことは許されるのか?
ハンコの向きが逆さまであったとしても、法律上は有効であるとされています。
しかし、組織の立場や、相手に与える印象を考慮すると、ハンコはまっすぐに押すのが望ましいでしょう。
1: ハンコを逆さまに押すことは、相手に失礼な印象を与える可能性
ハンコは、ビジネスシーンにおける重要なアイテムの一つであり、相手に信頼感を与えるための重要な役割を担っています。
ハンコを逆さまに押すことは、相手に失礼な印象を与え、信頼関係を損なう可能性があります。
特に、取引先との契約書や重要な書類にハンコを逆さまに押してしまうと、相手に不信感を与え、ビジネス交渉に悪影響を及ぼす可能性もあります。
2: 組織人としての適切な判断
組織人として、ハンコは責任と誠意を持って押すことが求められます。
ハンコを逆さまに押すことは、責任感の欠如や、相手に誠意がないと判断される可能性もあります。
また、組織の規範やルールを無視しているとも捉えられ、組織全体の信頼性を損なう可能性もあります。
3: ハンコを押す際の責任と倫理
ハンコを押す行為は、単なる形式的な行為ではありません。
それは、自分の責任と意思表示を明確にする行為であり、相手に信頼感を与える行為でもあります。
ハンコは、相手に自分の誠意を伝えるための重要なツールとして捉え、責任と倫理を持って扱うことが重要です。
□ハンコを押す際の正しい向きと押印方法
ハンコを押す際は、印影が綺麗にくっきりと出るように押印するのが基本です。
文字がかすれていたり、欠けていたり、薄い場合は、読み取りが困難になる可能性があり、受理されない場合もあります。
1: 印影が鮮明に
ハンコを押す際は、印鑑台にしっかりと固定し、印影が鮮明に押せるように注意しましょう。
印影が薄いと、文字が読み取れない可能性があり、書類が受理されない可能性があります。
また、印影がかすれていたり、欠けていたりする場合も同様です。
2: ハンコをまっすぐに押す
ハンコを押す際は、まっすぐに押すように心がけ、斜めにならないように注意する必要があります。
ハンコが斜めになっていると、相手に不誠実な印象を与え、信頼関係を損なう可能性があります。
また、斜めに押されたハンコは、印影が歪んでしまい、読み取りが困難になる場合もあります。
3: ハンコの管理
ハンコは、ビジネスシーンにおける重要なアイテムの一つです。
紛失や盗難を防ぐために、適切な管理をする必要があります。
ハンコは、専用のケースに保管し、持ち歩く際は、しっかりとカバンの中に収納しましょう。
また、ハンコを使用する際は、必ず本人確認を行い、不正な使用を防ぐように心がけましょう。
□まとめ
この記事を通じて、ビジネス文書における印鑑の正しい使い方、その文化的背景と意味、さらには現代におけるその役割の変化についてご紹介しました。
お辞儀ハンコの正しい理解から、印鑑を綺麗に押すコツ、そして印鑑が持つ文化的価値とその進化についての理解を深められることは、新入社員や現代のビジネスパーソンにとって、日々の業務を遂行する上で非常に重要です。
印鑑を使用する際には、これらの点を踏まえ、適切なマナーと敬意を持って行動することが求められます。