2017.11.20カテゴリー:印鑑について
自分の子供が夫婦となって、親の手を離れる結納。
娘さんが結婚すると聞いて、様々な準備をされている方もいらっしゃるでしょう。
新居を見に行ったり、新生活に必要な物を揃えたりして、駆け回っているご家庭があるかもしれませんね。
ところで、嫁入り道具の準備をしていますか?
新生活の事で頭が一杯に成ってしまうのはわかりますが、それだけが親から子へ贈れる物ではありません。
ある程度落ち着いてきたら、母から娘への想いを伝える嫁入り道具を用意しましょう。
しかし、どのような物を買えばいいのかわからない人もいらっしゃいますよね。
今回は、そのような方々に向けて、印鑑が嫁入り道具としてオススメな理由をお伝えします。
そもそも、嫁入り道具って?
嫁入り道具は婚姻儀礼の一つです。
家を出る娘のために、生活で苦労しないように持たせる荷物一式の事を、嫁入り道具と呼んできました。
結納の際、男性から贈られる結納金に対して、女性側は持参金として嫁入り道具を持たせたそうです。
嫁入り道具として、家具や寝具、着物、食器など、調度品が贈られていたとされています。
豪華にすればするほど、良いとされていたそうです。
昔は「嫁入り」そのものがイベントだったため、きらびやかで見栄えの良い嫁入り道具が幸せの証となっていたのでしょう。
貴女の想いを形にして、愛する娘に贈ってみませんか。
昔の嫁入り道具とはどのようなもの?
先ほどは嫁入り道具について紹介しましたが、ここでは昔の嫁入り道具について紹介します。
昔の嫁入り道具として、以下の3つが挙げられます。
・婚礼箪笥(たんす)
・婚礼布団
・着物
それぞれどのようなものだったのかを解説していきます。
まずは、婚礼箪笥についてです。
昔の人々にとって、お嫁さんのご両親が用意する嫁入り道具といえば、この婚礼箪笥が挙げられるくらい一般的でした。
しかし、現代の若い方にとって婚礼箪笥と耳にしても、さっぱり分からないという方も多くいらっしゃるのではないでしょうか。
婚礼箪笥は、一般的な箪笥とは異なり、長いコートやワンピース、着物などを収納できるほど非常に大きな箪笥です。
基本的な婚礼箪笥だと高さが200センチメートル、奥行きが60センチメートルほどですので、圧倒的な存在感があるのが特徴的です。
ただし、ある程度の広さのある住宅でなければ、婚礼箪笥を置く場所に困ってしまいます。
次に、婚礼布団についてです。
婚礼布団は、箪笥に次いで多かった嫁入り道具として知られていました。
これには、新生活を始める際にはふかふかの布団で寝てほしいといった願いが込められているのでしょう。
昔は、現代のようにベッドで寝るのではなく、敷き布団で寝る傾向にあったので、お客さまに布団を見られる機会が多かったのです。
そこで、上品な布団を見られた方が良いとお考えの親御様の願いもあったようです。
最後は、着物についてです。
着物も箪笥と布団と同様に、嫁入り道具として広く知られています。
結婚した後には、冠婚葬祭に招待されるケースが多くなり、世間の目が厳しくなります。
そこで、冠婚葬祭に招待されたときに恥じないように、上品な冠婚葬祭用の黒留袖や色留袖を嫁入り道具として持たせていたようです。
現代の嫁入り道具
現状、伝統的な嫁入り道具は敬遠されてしまうことが多いそうです。
ライフスタイルの変化によって、豪華な家具よりも家電の方が重宝されている傾向があります。
マンションやアパートに、豪華な家具や寝具が合わないのもわかりますよね。
「じゃあ、嫁入り道具は家電で良いのかな?」
このように思われた方もいらっしゃるでしょうが、そうでもないようです。
夫婦のどちらかが1人暮らしで使っていた製品で十分だったり、自分達だけで選びたい場合もあったりするため、家電も避けた方が良いかもしれませんね。
では、嫁入り道具は、もう不要なのでしょうか?
そんなことはありません。
確かに、時代の変化によって、伝統的な嫁入り道具は合わなくなってきてしまっています。
だからといって、親の手から離れる娘に嫁入り道具を持たせてあげたい母親の気持ちを、無碍にできませんよね。
嫁入り道具を選ぶ際に必要なのは、母から娘に対する気持ちと新生活への備えです。
それらを踏まえると、印鑑が嫁入り道具として適しているのではないでしょうか。
結婚する娘に持たせる最近のものとは?
最近の嫁入り道具はどのような傾向にあるのでしょうか。
ライフスタイルの変化によって、昔と比較しても嫁入り道具の傾向は大きく変わったといえます。
ここでは、最近の嫁入り道具の傾向として5つ紹介します。
1つ目の傾向は、結納金なしで用意することです。
結納金とは、昔ながらの風習で両家が顔を合わせる「結納」の際に、男性側が女性側へ贈るお金のことを指します。
この結納金は、女性が嫁入り道具を用意するためのお金です。
しかし、最近では、両家で話し合いを行い、結納金の受け渡しをしないというケースもあります。
結納金を無しにする代わりに、結婚する夫婦が気に入ったものを揃えることも多くなっています。
2つ目の傾向は、たくさんのものを用意しなくなったことです。
昔は、箪笥や布団などの定番の嫁入り道具がありましたが、現代では必要ないものも多いので、たくさんのものを用意しなくなる傾向にあるのです。
最近では、気軽な結婚を求める若者も多く、嫁入り道具を何も用意しない方も中にはいらっしゃるようです。
3つ目は、嫁入り道具という言葉を認知していない新婦もいることです。
先ほどにも申し上げた通り、結納を開催する機会が減ってきた現在では、嫁入り道具という言葉を知らない方もいらっしゃいます。
今では、顔合わせのみを行う夫婦が多いのです。
4つ目は、大きな家具は選ばない傾向にあることです。
現代の日本において、和式から洋式の住宅に変化したことによって、箪笥や布団などの大きな家具を嫁入り道具として選ばないようになりました。
5つ目は、ライフスタイルの変化の影響があることです。
昔だと親御様が娘に着物を持たせていることを紹介しましたが、現在において着物を普段着として生活している方はいらっしゃいませんよね。
着物以外にも畳の部屋も減少傾向にあり、これらは長い期間をかけたライフスタイルの変化によって生じています。
印鑑が嫁入り道具として適している理由
その理由は2つあります。
1つ目は、実用性です。
結婚した場合、女性は夫の苗字に変更する場合が多いですよね。
それに伴って、身分証明書や様々な契約の名前を変更しなければなりません。
その時に必要と成るのが、新しい苗字の印鑑です。
婚姻届けを提出した後も、印鑑が備えてあればスムーズに変更できますよ。
2つ目は、必要性です。
社会生活を過ごして行くには、大人として「きちんとした」物を持っていなければなりません。
印鑑は、「ただ押せばいい」というものではありませんよね。
契約などに対して、自分の意思を表示する証です。
それらを考えると、上質な印鑑は社会において必需品と言えるのではないでしょうか。
どのような印鑑を贈るか
最近では、手軽に印鑑を購入できますし、三文判でも押印できることはありますよね。
しかし、結婚という人生の節目だからこそ、印鑑を備える意味があるのです。
印鑑は親だからこそ贈れる物ではないでしょうか。
どのような印鑑を贈るかに関してですが、印材と印面に注目してください。
印材には様々な種類がある為、縁起を担げたり、娘さんの好みに合った印鑑を選んだりしてみてはいかがでしょうか。
印面に関しては、苗字を彫るか名前を彫るかに注目してください。
そのどちらかによって、嫁入り道具として用意された印鑑の意味が変わります。
それぞれを参考に、どちらが好ましいか考えてみましょう。
【苗字】
2人で歩んで行く新しい人生の証。
愛し合いながら一生を共にする大切な人との誓いが込められています。
親の幸せな人生を歩んで欲しい想いと、自分の手から離れてしまう寂しい想いを伝えることができますよ。
【名前】
両親の願いと想いが入った一番の贈り物。
結婚しても変わらない名前が刻まれた印鑑は、娘自身のしるしです。
「どんな人生を歩んでいても、その人らしさを失うことがないよう」にという願いが込められた嫁入り道具になりますよ。
まとめ
今回は、嫁入り道具として印鑑が最適な理由をご説明しました。
時代の変化によって、嫁入り道具の形が変わることがあっても、娘を想う母の気持ちは変わりません。
嫁入りを控えた娘さんを想う母親の気持ちは複雑だと思います。
しかし、それはどの母親が経験してきたことです。
これを機に、あなたのお母様にどんな気持ちだったかを聞いてみてはいかがでしょうか。
嫁入り道具選びの参考に成る話を聞けるかもしれませんよ。
自分の想いを余すことなく嫁入り道具に乗せて、娘に贈りませんか。