2023.8.15カテゴリー:印鑑について 印鑑の種類について
印鑑を失くしてしまったり、いざという時に印鑑を持っていなかったりすることもありますよね。
そんな時、印鑑の代わりに何か使えるものがないかと探したという経験がある方もいらっしゃるのではないでしょうか。
印鑑の代用として使えるものは様々ありますが、場合によっては代用できないこともありますので注意する必要があります。
そこで今回は、印鑑は他のものに代用できるのか、種類やケース別に紹介しますので、参考にしてくださいね。
□印鑑は代用できる?近年使われるようになった電子印鑑とは?
近年、印鑑の代わりになるものとして、電子印鑑が注目されています。
印刷費の軽減や作業効率の向上などのメリットがあります。
また、電子署名という方法もあります。
日本では印鑑を使った証明や本人確認が主流ですが、海外では電子署名が主流となっています。
電子署名は、電子文書に付与することによって電子文書を本人が作成したことが証明できます。
そして、公開鍵暗号を用いると、情報漏洩を防げるというセキュリティ面でのメリットも存在します。
では、電子印鑑には具体的にどのような仕組みがあるのでしょうか。
電子署名法が施行され、電子印鑑や電子署名が使われた電子文書が使われるようになりました。
この電子印鑑には、印影に使用者の識別情報が保存されているものと、印影を画像に変換したものの2つがあります。
印影に使用者の識別情報が保存されているものの作成手順は、サービスによって異なります。
ただし、誰がいつ押したかを記録しているので、社外文書として利用できます。
印影を画像に変換したものは、実際の印影をスキャナ等でパソコンに取り込みます。
さらに背景を透過させ、データ化された書類に貼り付けます。
□気を付けよう!サインは印鑑の代わりになる?
印鑑やサインは日常生活において、荷物等を受け取る時や重要な契約を結ぶ時など、幅広い範囲で使用されます。
欧米においてはサインが主流となっていますが、日本では印鑑が一般的ですよね。
そこでこの章では、印鑑とサインの法的な違いについて見ていきましょう。
印鑑もサインも法的な効力はありますが、契約書といった正式書類においては印鑑を使用するケースが多いです。
そのため、印鑑の方が法的に強いのではないかとお考えの方も多いでしょう。
では、実際に法律ではどのように定められているのでしょうか。
新商法第32条では、「この法律の規定により署名すべき場合には、記名押印をもって、署名に代えることができる。」とされています。
条文中に出てくる、署名と押印の広辞苑における定義は以下の通りです。
1.署名
文書に自分の姓名を書きしるすこと。
また、その書きしるしたもの。
サイン。
法律上は、自署または自署捺印を原則とするが、商法や会社法においては記名捺印でもよいとされる。
手形法・小切手法も同様であるが、記名捺印の語が用いられる。
2.押印
印判を押すこと。捺印。
このように、法律においては、サインの方が法的な効力が強くなっています。
しかし、日本では、重要な契約書等にサイン単体が使われることはほとんどなく、印鑑による押印のケースが多いです。
それほど日本では印鑑文化が根強く残っているのです。
□ケースによって異なる!拇印は印鑑の代わりになる?
印鑑の代わりとして拇印が使用されることがありますが、拇印でも良い時と良くない時があります。
この章では、印鑑と拇印の関係をパターン別に紹介します。
*遺言書の場合
遺言書は、自筆のものであれば押印が実印でなくても法的効力があるとされています。
そのため、遺言書においては、拇印が可能です。
しかし、一般的には遺言書といった、ゆとりを持って作成できる文書に拇印は使わない方が良いでしょう。
理由としては、拇印は実印と違い、ケガ等で指紋の形が変わってしまったり、葬儀等を行った時に、本当に本人によるものなのかの証明ができなかったりします。
そのため、遺言書には実印を使った方が良いでしょう。
*役所での手続きの場合
役所での手続きにおいて、拇印が印鑑の代わりに使用できるかは、自治体によって異なります。
訂正用の印鑑がない場合は拇印でも良い、拇印は印鑑の代わりと認めないなど、様々なパターンが存在します。
また、本人自著の場合は押印を求めない形式となっている自治体も多いので、手続きの内容によっては印鑑が不必要というケースもあると思います。
気になる方は、自治体に直接問い合わせてみましょう。
*違反切符を切られた場合
警察から違反切符を切られた時は、署名と拇印を求められた方も多いと思います。
この理由は、本人確認をするためです。
そのため、拇印の代わりに印鑑を使っても、押印そのものを拒否しても問題はありません。
しかし、印鑑での対応や拒否ができるのは、違反切符を切られた場合のみです。
事件の容疑者等で逮捕された場合は拒否権がないので注意しましょう。
*拇印のみ可能な場合はあるのか
拇印は印鑑の代わりとして使用されるものとされています。
しかし、委任状において拇印以外不可とされているケースもあるので、事前に確認しておきましょう。
□あると便利!認印はどんな印鑑?
認印は、書類の内容を承諾したことを示すための印鑑です。
印鑑さえあればすぐに使えるもののため、日常の様々なシーンで使われています。
一方で、法的効力は低く、重要書類には使えないことが多いので注意が必要です。
認印は、荷物等を受け取る時や書類にサインする代わりに使われます。
このように、認印は日常生活の中で幅広く使われているので、ほとんどの方が認印を使われていると思います。
しかし、いくら公的機関に申請していない認印でも、それなりの効力はあります。
そのため、押印する時は書類の内容に問題はないか、しっかりと確認しましょう。
また、認印は100円ショップや文房具で購入できますが、安価なことから偽造されやすかったり、悪用されたりするリスクがあります。
そのため、専門店で作成してもらう方が良いでしょう。
当社では、認印はもちろん、実印や銀行印など、様々な印鑑を取り扱っており、熟練彫刻人が手仕上げで作成いたします。
印鑑を作成する時は、当社までご相談ください。
□印鑑を使うのは日本だけ?海外はどうなっているの?
先ほども少し紹介しましたが、海外では日本のように印鑑が使われることはほとんどありません。
では、どのような方法が使われているのでしょうか。
*多くの国はサイン
欧米を中心に、海外ではサインが主流となっています。
海外駐在や海外出張をしたことがある方は、書類にサインをした経験もあるのではないでしょうか。
逆に、印鑑を押した経験はほとんどないと思います。
日本では、印鑑登録をして印鑑登録証明証を取得することで、その印鑑が本人のモノであるという証明ができます。
海外では、公証人が署名に立ち会うことで、本人が書いたサインであることを証明できます。
*印鑑が使われる地域や国はあるの?
印鑑が使われるのは日本だけではありません。
中国や韓国、台湾においては印鑑の習慣があります。
このように、海外ではサインが主流となっていますが、日本においては印鑑文化が根強く残っており、今後も印鑑は生活する上での必需品となるでしょう。
□印鑑マットの必要性とは?
印鑑マットは、なぜ重要なのでしょうか。
硬い面の上で直接印鑑を押すと、力が均等に伝わらないため、印影がかすれるリスクがあるからです。
特に公的書類においては、このような不鮮明な印影は受理されない恐れがあります。
金融機関での取引きにも、鮮明な印影は必須条件です。
より適切に印鑑を押すためには、印鑑マットの存在が不可欠なのです。
しかし、常に手元に印鑑マットがあるわけではないですよね。
そんな場合でも、工夫次第で綺麗に押印することは可能です。
次のセクションでは、印鑑マットの代わりとなる身近なアイテムについて詳しく解説していきます。
□印鑑マットの代用になるアイテム
印鑑マットがない時でも、鮮明な印影を得るためには、代用品の活用が有効です。
ここでは、日常生活やオフィスの中で見つけられる、身近なアイテムをいくつか紹介します。
1:マウスパッド
マウスパッドは、そのクッション性によって、印鑑を均等に押すのに最適な代用品です。
ただし、質感によっては紙が滑りやすいため、使用する際は少し注意が必要です。
実際に仕事で銀行用紙に印鑑を押す際、印鑑マットが見当たらず、急遽マウスパッドを使用したところ、問題なく綺麗に押せたというエピソードもあります。
2:メモ帳
特に厚みのあるメモ帳は、ページの間の溝を利用して、書類をしわくちゃにせずに押印できます。
ただし、完全に平らではないため、少し使い勝手が悪い場合があります。
病院で提出する書類に印鑑を押す必要があった際、メモ帳を使用して無事に押印できたという体験談もありますよ。
3:スマホケース(革製のもの)
意外に思われるかもしれませんが、革製のスマホケースも印鑑マットの代用として役立ちます。
図書館で書類作成中、認め印を押印する箇所があり、スマホケースを使用したところ、意外と綺麗に押せたということ例があります。
4:ティッシュ
ティッシュを数枚重ねて折りたたみ、紙の下に置いて使用することで、印鑑マットとしての機能を果たします。
ただし、ティッシュは柔らかいため、押印時には少しコツが必要です。
職場でティッシュを使った印鑑マットを見た際、最初は驚いたものの、実際に使用してみると綺麗に押せることに驚いたという話もあります。
これらの代用品を利用することで、印鑑マットがない状況でも、鮮明な印影を得られます。
印鑑マットが手元にない場合で押印の必要がある場合は、ぜひ上記のアイテムの利用を検討してみてくださいね。
次のセクションでは、印鑑をキレイに押すテクニックについて詳しく解説していきます。
□印鑑をキレイに押すテクニック
印鑑を鮮明に押すためには、いくつかの重要なポイントがあります。
以下では、印鑑をキレイに押すための4つのテクニックを紹介します。
1:準備するもの
まず、適切な印鑑と朱肉、そして印鑑マットまたはその代用品を準備します。
捺印マットがない場合は、前述したマウスパッドやメモ帳などの代用品を用意してくださいね。
2:正しい印鑑の持ち方
きれいに印鑑を押すためには、印鑑を正しく持つことが重要です。
上下を確認し、アタリがあればそれを上にして持ちます。
右手で持つ場合は、親指を印鑑の下側にそえるようにします。
3:押す際の正しい姿勢
印鑑を押す際は、身体の姿勢も重要です。
左手で紙をしっかりと支え、右手で印鑑を押します。
肩甲骨を広げて力を均等に伝えることがポイントです。
4:押し方のポイント
朱肉をつけた後は、印鑑を紙に軽く押し付け、上下左右に微妙に力を加えます。
これにより、印影が均等に紙に転写されます。
これらのテクニックを駆使することで、印鑑マットがない状況でも、鮮明な印影を得られます。
□まとめ
印鑑の代わりとして使えるものはいくつかありますが、認印は法的効力が低く、重要書類等には使えません。
認印は荷物を受け取ったり、簡易的な書類等にサインしたりと、日常生活における手続きにおいては利用できます。
しかし、認印だからといって法的効力が全くないというわけではありませんので、簡易的な書類であっても内容は必ず確認してから認印を押すようにしましょう。
また、認印は偽造されやすいので、専門店に依頼して作成するのがおすすめです。