2024.7.9カテゴリー:印鑑について
書類作成において、印鑑は重要な役割を担います。
法的な効力を持つ場合もあり、誤った押印は深刻な問題に繋がる可能性も孕んでいます。
特に、契約書や公的書類など、重要な文書における印鑑の誤りには細心の注意が必要です。
しかし、誰もが完璧に印鑑を押せるわけではありません。
慌てて押印した際に、印鑑の位置がずれてしまったり、印影が薄くなってしまったりするケースも少なくありません。
そこで今回は、印鑑を誤って押した場合の正しい訂正方法、書類上の訂正印の押し方、そして避けるべき間違った訂正方法について解説していきます。
□印鑑を間違えた時の正しい訂正方法
印鑑を誤って押した場合、どのように訂正すれば良いのでしょうか。
自己流の訂正方法では、かえって問題を複雑にしてしまう可能性があります。
正式な文書での印鑑の訂正方法は、二重線やバツ印で消すのではなく、再捺印によって行います。
1:再捺印とは
再捺印とは、間違えて押した印鑑の近くに、再度丁寧に印鑑を押す方法です。
見やすいように、印鑑同士に少しの間隔を空けて押すのがおすすめです。
2:再捺印のポイント
二重線やバツ印は使用しない:誤って押した印鑑を消すために、二重線やバツ印で消すのは適切ではありません。
印鑑同士が重ならないように:間違いの印鑑と再捺印の印鑑が重ならないように注意が必要です。
印鑑欄からはみ出しても問題ない:印鑑欄からはみ出していても、印鑑同士が重ならないようにすれば問題ありません。
3:再捺印の例
例えば、契約書に印鑑を押す際に、誤って印鑑がずれてしまった場合、ずれた印鑑の横に再度印鑑を押します。
この際に、誤った印鑑を消すような行為は避け、再捺印のみで訂正を行います。
□書類上の訂正印の正しい押し方
印鑑を誤って押した場合の訂正方法以外にも、書類作成において、訂正印の正しい押し方は重要です。
文字の削除、追加、訂正など、さまざまなケースにおける訂正印の使い方を理解することで、より正確で信頼性の高い書類を作成できます。
1:訂正印とは
訂正印は、文字や数字を書き間違えた際に、勝手に書き加えられた訂正ではないことを示すために押す印鑑です。
2:訂正印の押し方
-二重線を引き、訂正箇所に印鑑を押す:訂正印は、書き間違えた部分に二重線を引き、その上に押印します。
二重線のそばまたは上に押す:訂正印を押す位置は、二重線のそばに押す場合と二重線の上に押す場合がありますが、契約書などで相手からの特別な指定がない限りは、二重線に重ねて押印します。
複数名の記名押印者の場合、全員の押印が必要:2名以上の複数名の記名押印者がいる場合には、全員の押印が必要です。
3:訂正印の具体的な例
文字を削除したい場合:削除したい文字に二重線を引き、その上に押印します。
文字を追加したい場合:
横書きの場合は、文字を挿入したい場所に「V」を書き込み、挿入したい文字を書きます。
その文字の右横付近に押印します。
縦書きの場合は、文字を挿入したい場所に「<」を書き込み、挿入したい文字を書きます。
その右横か上付近に押印します。
文字を訂正したい場合:
間違えてしまった文字に二重線を引き、その上に押印します。
横書きの場合は、訂正したい文字の上に正しい文字を書き入れます。
縦書きの場合は、訂正したい文字の右横付近に正しい文字を書き入れます。
4:訂正印の注意点
単語ごとに見やすく訂正する:単語ごとに見やすく訂正するようにしましょう。
例えば、「城東町」の「東」を「西」に変えたい場合、「東」だけに二重線を引き「西」に書き直すのではなく、「城東町」に二重線を引き、「城西町」へ書き換えると見やすいでしょう。
金額などの数字を訂正する際は、見やすい方法を心がける:金額などの数字を訂正する際は、特に見やすい方法を考えた修正をするように心がけましょう。
□避けるべき印鑑訂正の間違った方法
印鑑の訂正方法は、一見簡単そうに思えますが、いくつかの間違った方法があります。
これらの間違った方法を用いると、かえって書類の信頼性を損なう可能性があるため、注意が必要です。
1:修正液や修正テープを使用しない
修正液や修正テープを使用すると、誰がいつ書き換えたかが分からなくなり、内容の改ざんが疑われてしまう可能性があります。
2:黒く塗りつぶさない
訂正前の内容が分からないような塗りつぶしも、やってはいけない訂正方法です。
訂正の二重線を引く場合にも、太い線で見えないようにするのではなく、前の記述内容が分かるような線の太さで引くことが重要です。
3:書き間違えた領収書を破って捨てない
特に注意したいのが領収書の書き損じです。
領収書の中でも金額を訂正する際は、間違えた数字だけを二重線で消すのではなく、金額全体に二重線を引き、正しい金額を「¥」と「-」で挟んで書きこみます。
4:領収書の訂正は極力避け、新しい領収書を作り直す
領収書の場合は、極力、文字を訂正せずに新しい領収書に作り直すようにしましょう。
領収書は連番になっているので、間違えたからといって捨ててしまうと、粉飾決算などを疑われる原因になります。
間違えた領収書も必ず取っておくようにしましょう。
□スムーズな捺印のためのコツ
印鑑を誤って押してしまうのを防ぐためには、スムーズな捺印が不可欠です。
以下に、キレイな捺印を実現するための実践的なコツを紹介します。
印鑑マットを使用する:印鑑マットを使用することで、印鑑が安定し、位置がずれにくくなります。
また、印影が鮮明になりやすいため、よりキレイな捺印が可能になります。
朱肉の状態をチェックする:朱肉の状態が乾燥している場合、印影が薄くなってしまいます。
朱肉の状態をチェックし、必要であれば新しい朱肉に交換しましょう。
均等な力加減で押す:印鑑を押す際には、均等な力加減で押すことが重要です。
強く押しすぎると、印影が歪んでしまうことがあります。
一方、弱く押しすぎると、印影が薄くなってしまいます。
「の」の字押し:均等な力加減で押す練習には、「の」の字押しが効果的です。
印鑑を紙に垂直に立てて、「の」の字を書くようにゆっくりと押します。
この練習を繰り返すことで、均等な力加減で印鑑を押せるようになります。
練習を重ねる:慣れないうちは、何度も練習を重ねることが大切です。
印鑑の持ち方、押し方などを意識して、スムーズに印鑑を押せるように練習しましょう。
焦らず丁寧に:慌てて印鑑を押すと、印鑑の位置がずれてしまったり、印影が薄くなってしまったりする可能性があります。
焦らず丁寧に印鑑を押すことが重要です。
印鑑を押す際には、上記の方法を参考に、正確で信頼性の高い書類作成を心がけましょう。
印鑑を誤って押した場合、二重線やバツ印で消すのではなく、再捺印によって訂正を行います。
訂正印は、書き間違えた部分に二重線を引き、その上に押印します。
印鑑は、私たちの人生において、重要な役割を担うアイテムです。
印鑑を使用する際に頭を悩ませる人も多いのではないでしょうか。
契約書や不動産の登記といったさまざまな場面で自身の意思表示を行うために欠かせない存在であり、その印影はまさに自分自身の証となります。
ぜひ上記で紹介した内容を参考に、より良い印鑑ライフにしてください。
□まとめ
印鑑の誤りや訂正は、書類作成において重要な問題です。
今回は、印鑑を間違えた時の正しい訂正方法、書類上の訂正印の押し方、そして避けるべき間違った訂正方法について解説しました。
修正液や修正テープの使用、黒く塗りつぶす、書き間違えた領収書を破って捨てるなどは、避けるべき間違った訂正方法です。
印鑑マットを使用したり、朱肉の状態をチェックしたりするなど、スムーズな捺印を心がけましょう。
これらの知識を理解し、適切な書類管理を行うことで、ビジネスシーンにおける信頼関係を築き、よりスムーズな業務遂行を実現できます。