2023.10.15カテゴリー:印鑑について
印鑑は契約書への同意や宅配便等の受け取りの際に使われるように、私たちの日常生活やビジネスの中で欠かせないものとなっています。
しかし、実際に印鑑を押す際に誤りが生じてしまったり、身の回りのものに印鑑の朱肉が付着してしまったりすることもあると思います。
その際は正しい方法で訂正したり、消したりする必要があります。
この記事では、印鑑を消す方法や訂正方法をご紹介するので、いざという時の参考にしてくださいね。
□印鑑の朱肉の特性とその理由
1.朱肉の不変の特性
印鑑を押す際に使用される赤い色の朱肉は、その特性として非常に消えにくい性質を持っています。
この特性は、印鑑が法的な証明や契約などの重要な場面で使用されるため、一度押した印が簡単に消えてしまうと、その信頼性や意味が失われてしまうからです。
2.朱肉の多様な種類とその役割
朱肉には、練り朱肉やスタンプ朱肉など、様々な種類が存在します。
それぞれの朱肉は、特定の用途や状況に応じて最適化されており、そのために色が落ちにくい工夫が施されています。
例えば、練り朱肉は、粘土のような状態であり、しっかりとした印を求める場面での使用が推奨されます。
3.朱肉の成分とその科学
練り朱肉の成分には、硫化水銀やヒマシ油、松脂、さらには繊維などが加えられています。
これにより、朱肉はその特有の粘り気を持ち、しっかりとした印を実現しています。
一方、スタンプ朱肉は、植物性油脂や合成樹脂、さらには化学物質が使用されています。
これらの成分は、スポンジに染み込ませることで、使用者にとって扱いやすいものとなっています。
4.朱肉の役割とその重要性
朱肉は、様々な原料を組み合わせることで、色の持続性を高めるように設計されています。
先ほども少し紹介したように、印鑑は、契約や証明などの重要な文書に使用されるため、その印が簡単に消えてしまうことは許されません。
そのため、印鑑を押す際に使用される朱肉は、消去が難しい性質を持つことが求められます。
そして、この朱肉の特性を理解することで、印鑑を正しく使用し、その価値を最大限に引き出せるのです。
□衣服についた印鑑の朱肉を消す方法
*必要な材料
・液体洗濯洗剤:汚れを浮かせるための主要な洗浄材料です。
・固形石鹸:頑固な汚れを直接こすり落とすために使用します。
・台所用洗剤:油性の汚れを分解し、朱肉の色素を浮かせる役割を果たします。
・タオル:余分な水分を取り除くためや、手を保護するために使用します。
*手順
・前処理
まず、朱肉が付着した部分を確認し、その周辺をタオルで覆い、余分な洗剤や水が他の部分に広がらないようにします。
・台所用洗剤の塗布
朱肉が付着している部分に、台所用洗剤を2~3滴塗布します。
この洗剤は、朱肉の油性の成分を分解し、色素を浮かせる役割を果たします。
・もみ洗い
洗剤をなじませるようにやさしくもみ洗いを行います。
この工程で、朱肉の大部分が浮かび上がり、洗いやすくなります。
・ぬるま湯でのすすぎ
一度、ぬるま湯で朱肉の部分をすすぎ、洗剤や浮かび上がった朱肉を洗い流します。
・固形石鹸でのこすり洗い
すすぎ後、まだ残っている朱肉の付着部分に、固形石鹸を直接こすりつけます。
固形石鹸は、頑固な汚れを取り除く力があります。
・再度のすすぎ
再びぬるま湯で朱肉の部分をすすぎ、固形石鹸や浮かび上がった朱肉を完全に洗い流します。
・通常の洗濯
最後に、いつものように洗濯機で洗濯を行い、他の洗濯物と一緒に乾燥させます。
この方法を使用することで、衣服についた頑固な朱肉の汚れもしっかりと落とせます。
ただし、素材や色によっては、洗剤の使用が推奨されない場合もあるため、事前に洗濯表示を確認することを忘れずに行いましょう。
□紙や家具についた印鑑の朱肉の対処法
*紙への対処法
紙についた朱肉は、特に大切な書類や履歴書などの場合、非常に困るものです。
しかし、紙に浸透した朱肉を完全に取り除くのは難しいとされています。
特に薄い紙の場合、朱肉が紙の中に浸透してしまうため、完全に取り除くのは困難です。
そのため、重要な書類の場合は、新しい書類を用意するか、訂正印を使用して訂正するのが最も確実な方法とされています。
・用意するもの
砂消しゴム、普通の消しゴム
手順は以下の通りです。
・砂消しゴムで削る
紙についた朱肉の部分を、砂消しゴムでやさしく削ります。
何度か擦ることで、朱肉の色が薄くなっていきます。
・普通の消しゴムで仕上げ
砂消しゴムで削った後、表面が凸凹している場合は、普通の消しゴムを使用して、表面をなめらかに整えます。
*家具や壁紙への対処法
家具や壁紙についた朱肉も、取り除くのが難しい場合があります。
特に子供が遊んでいる間に、うっかり朱肉で家具や壁紙を汚してしまうことはよくある話です。
*机への対処法
・用意するもの
ティッシュまたはキッチンペーパー、歯磨き粉(研磨剤入りのもの)
手順は以下の通りです。
・朱肉を拭き取る
ティッシュまたはキッチンペーパーを使用して、机の上の朱肉をできるだけ拭き取ります。
・歯磨き粉で擦る
残った朱肉の部分に、歯磨き粉を少量塗布し、ティッシュやキッチンペーパーで優しく擦ります。
歯磨き粉には研磨剤が含まれているため、朱肉の色を取り除く効果があります。
*壁紙への対処法
・用意するもの
歯ブラシ、歯磨き粉(研磨剤入りのもの)
手順は以下のように行いましょう。
・歯ブラシに歯磨き粉をつける
歯ブラシに歯磨き粉を適量つけます。
・歯ブラシで擦る
歯磨き粉をつけた歯ブラシで、壁紙の朱肉部分を優しく擦ります。
時間をかけて擦ることで、朱肉の色が薄くなっていきます。
もし、壁紙の朱肉が完全に取り除けない場合、インテリアに合わせた壁紙用のシールを使用して、汚れた部分を隠すのも1つの方法です。
□正しい印鑑の訂正方法
・かすれた印鑑の訂正
印鑑を押す際に、不鮮明になってしまったり、一部が欠けてしまったりすることはよくあります。
これは、印鑑の押し方や朱肉の量、紙の質などさまざまな要因によって起こります。
そうした場合、印鑑の訂正が必要となります。
1.重ねて押す方法
すでに押してある印鑑の上に、少し重なるようにして再度同じ印鑑を押します。
これにより、最初の不鮮明な印鑑を無効にできます。
2.余白部分への押し直し
次に、同じ印鑑を前の印鑑と重ならないように、余白部分に押し直します。
これにより、新しく正確な印鑑が捺印されることになります。
・間違った印鑑の訂正
印鑑を押す際に、間違った印鑑を使用してしまった場合も、訂正が必要となります。
このような場合の訂正方法は以下の通りです。
1.間違った印鑑の上に重ねて押す
まず、間違えた印鑑の上に、少し重ねるようにして同じ間違った印鑑を再度押します。
これにより、最初に押した間違った印鑑を無効にできます。
2.正しい印鑑を余白部分に押す
次に、正しい印鑑を前の印鑑と重ならないように、余白部分に押します。
この際の注意点として、間違った印鑑と正しい印鑑が重ならないように注意することが重要です。
また、これらの訂正方法は、同じ印鑑を持っている本人のみが行えるため、他者による不正な捺印の訂正を防げます。
このように、正しい訂正方法を知っておくことで、印鑑の誤りを正確に訂正し、公的な書類や契約書などでのトラブルを避けられます。
□まとめ
印鑑は日常生活で頻繁に使用されるため、その取り扱いや訂正方法について知っておくことは非常に重要です。
この記事を参考に、印鑑の誤りを正確に修正し、いかなる時でもプロフェッショナルに対応できるようになりましょう。
また、印鑑の朱肉が衣服や身の回りのものに付着してしまった場合も慌てずに今回ご紹介した方法を実践してみてくださいね。
当社では実印をはじめ、様々な印鑑を販売しておりますので、印鑑をお買い求めの方はぜひ当社までご相談ください。