2019.9.15カテゴリー:印鑑について
「外国から日本を訪れて、日本に移住することが決まったため、アルファベットで印鑑を作りたいと考えているが、どうしたら良いのだろう。」
「日本で生活するために印鑑が必要だが、どうやって購入するのか分からず心配だ。」
このように印鑑を作りたいものの、自分の名前が漢字ではないため、本当に印鑑を作れるのか不安な方もいらっしゃると思います。
今回はアルファベットで印鑑を作る際のポイントや注意しておくべき点をご説明します。
印鑑の文化が無く困っているお客様、名前にアルファベットを使っている企業の方々、ぜひこちらの記事をお読みください。
□海外には印鑑の文化がない
日常生活を送るにあたって、印鑑を必要とする国は、韓国と日本のみだと言われています。
印鑑が使われ始めた中国さえも、公印や企業印を除いた一般市民の方はサインを使うそうです。
他国から日本へ移り住んだ外国人の方々にとって印鑑は驚くシステムであり、違和感を覚える方もいらっしゃいます。
そうはいっても日本で生活するためには、重要書類の提出、銀行の口座開設といったところで押す印鑑が必要不可欠です。
漢字ではない名前での印鑑は認められない場合もありますので、一度戸籍登録をしている区域の役所に行き確かめてみましょう。
□実印の表記法について
アルファベットの名前を持つ方は、印鑑に記載する名前をカタカナ表記か英語表記か選択する必要があります。
カタカナを選ぶ場合は、外国人登録を行う際にカタカナ名も一緒に記していたか確認する必要があります。
カタカナで名前が登録されていない場合は、印鑑が無効になる可能性があります。
さらに、少し異なるケースにはなりますが、外国人の友人にアルファベットまたはカタカナで印鑑をプレゼントするときは気をつけていただきたいことがあります。
外国の方はサインで契約を交わすため、印鑑の役割を知らない場合が多いです。
本来の使用法を知らずむやみやたらに印鑑を押してしまうと、危ない契約を結ぶ可能性があります。
危険な使い方をしないように前もって説明しておいてください。
□実印の書体
外国人の方がアルファベットやカタカナで実印を作りたい場合、書体はどのようなものでも作ることができます。
文字数が多い場合は印影が複雑になっているものは選択しない方が良いでしょう。
おすすめの例として印相体といった書体が挙げられます。
また、外国人の実印としてよく使われるのは古印体です。
カタカナで作成する場合は、縦書きと横書きのどちらにするか選択することができます。
印鑑に入る文字数の目安は、カタカナが20から25文字でアルファベットが30から35文字程度です。
□法人印鑑
*法人印鑑はアルファベットで作成できるのか
外国人の方がアルファベットやカタカナを使って印鑑を作れるなら、法人印鑑はどうなるのか気になりませんか。
法人印鑑の場合はサイズに規定がありますが、会社名にアルファベットやカタカナが用いられていても問題なく印鑑が作れます。
その他にも、株式会社という表記を「Inc.」を使って表すことができます。
予想していたよりも自由に印鑑が作れるのだと感じる方もいらっしゃるでしょう。
*アルファベットで法人印鑑を作るときに気をつけたいこと
アルファベットの会社名は長くなるケースが多いです。
印鑑において長すぎる名前を表記しようとすると、文字が入りきらないという問題が生じます。
ギリギリ文字が収まったとしても、見にくい印鑑だと批判を受けるかもしれません。
法人の実印や銀行印の場合は見づらい印鑑でも問題ありませんが、角印では相手に会社名がはっきりと伝わるように表記するべきです。
長すぎる会社名は省略をして分かりやすく表記しましょう。
逆に表記を日本語に直したことが原因で、文字数が増えてしまうこともあるので気をつけましょう。
*アルファベットの書体
一般的な外国人の方が好んでいるように、古印体が人気の書体です。
可読性が高いことが特徴で、認印として使用されることが多い書体です。
法人名をかっこよく見せたい場合は、筆記体を利用することがおすすめです。
字の太さを変えることで、読みやすさや雰囲気を変えることができます。
少し読みづらいと感じた場合はフォントの調整が効果的でしょう。
□英語名をもつ外国人が日本で実印を登録する方法
英語名を持つ外国人が日本で実印を作成・登録するには、いくつかの特別な手続きと注意点があります。
1:印鑑登録の基本
実印とは、本人が行う重要な契約や公的手続きに使用する、法的効力を持つ印鑑のことです。
日本では、実印を作成し、それを市区町村役場で登録することにより、その印鑑は実印として認められます。
2:外国人の実印作成と登録
外国人でも日本で実印を作成・登録できます。
重要なのは、実印として登録できるのは、住民票に記載された文字で作られた印鑑です。
したがって、外国人が実印を作成する場合、住民票に記載のある名前、またはそのカタカナ表記を用いる必要があります。
3:アルファベット表記の名前の場合
在留カードや住民票にアルファベット表記の名前が記載されている場合、住民票の備考欄にカタカナ表記を加えるか、居住している市区町村役所で通称名登録を行い、そのカタカナ表記で実印を作成・登録できます。
4:漢字表記の名前の場合
漢字の名前を持つ方は在留カードに漢字表記とアルファベット表記の両方を併記できます。
特に注意しなければならないのは、中国の簡体字です。
日本では使用に制限があるため、文字を置き換えて在留カードに記載がされます。
使用できる文字で、姓名、姓のみ、名のみ、省略のない氏名、で作成された印鑑を登録できます。
5:ミドルネームやダブルネームを持つ場合
ミドルネームがある場合、姓のみ、名のみ、姓名、または名と姓(ミドルネームのイニシャルを含む)で作成した印鑑が登録可能です。
ただし、「ミドルネームのみ」や「すべてのイニシャルのみ」での登録はできません。
ダブルネーム(複合姓)を使用する場合も注意が必要です。
ダブルネームとは、国際結婚で相手の外国姓と自身の日本姓を持つことです。
例えば、日本の姓が山田、外国の姓がスミスとすると、結婚後の苗字は山田スミスとなります。
そのため、山田スミスを使用して実印を作成できます。
英語名を持つ外国人が日本で実印を登録する際には、住民票に記載された名前やそのカタカナ表記をもとに、印鑑作成が必要です。
ミドルネームやダブルネームがある場合の登録方法にも注意が必要で、正しい手続きを踏むことで、日本で法的効力を持つ実印を所有できます。
これにより、契約や公的手続きにおける本人の意思表示を明確にできます。
□外国人にとっての実印の重要性と印鑑を登録する際の注意点
外国人が日本で実印を登録する際には、資格、必要書類、登録できる印鑑の種類、および実印登録に関連する注意点を理解することが非常に重要です。
さらに、実印登録後に発行される印鑑証明書の役割とその重要性についても把握する必要があります。
1:実印登録の資格
外国人が日本で実印を登録するためには、在留カードまたは特別永住者証明書を持ち、登録しようとする市区町村に住民登録があり、かつ15歳以上である必要があります。
短期滞在ビザでの在留や不法滞在中の外国人は、実印の登録ができません。
2:実印登録の必要書類
実印を登録する際には、在留カードや住民票など、身分を証明できる書類が必要です。
これらは、印鑑登録の申請時に市区町村役場で提出するものです。
3:登録できる印鑑の種類
登録できる実印は、先述の通り住民票に記載されている氏名や通称(日本での名前)、カタカナ表記を使用した印鑑です。
漢字圏出身者は漢字表記の印鑑、英語圏出身者はカタカナ表記またはアルファベット表記を使った印鑑が登録可能です。
ただし、印鑑のサイズには規定があり、一辺が8mm以上25mm以下の正方形に収まるものである必要があります。
4:登録上の注意点
印鑑登録時には、住民票に記載のある名前を正確に使用する必要があります。
通称やカタカナ表記を使用する場合は、事前に市区町村役場でその名前の登録を行う必要があります。
5:印鑑証明書の役割と重要性
実印登録後に発行される印鑑証明書は、契約や不動産取引など重要な手続きにおいて本人確認のために使用されます。
外国人が日本でビジネスを行う際や、高価な買い物、結婚や離婚などの法的手続きを行う際には、この印鑑証明書が必要になることが多く、その重要性は非常に高いです。
外国人が日本で生活する上で、実印の登録は避けて通れない手続きの一つです。
実印の登録に際して、資格の有無、必要書類、登録できる印鑑の種類に注意し、適切な手続きを行うことが重要です。
また、実印登録後に発行される印鑑証明書の管理にも注意を払い、日本での安全でスムーズな生活やビジネス運営を実現しましょう。
□まとめ
外国の方が移住の際に印鑑を必要としたり、英語の会社名を持つ会社が増えてきたりと、印鑑にアルファベットまたはカタカナを使用したい場合が以前より増えてきていることと思います。
アルファベットで印鑑を作れるという事実を知らなかった方は、この記事を見てご自身の希望に合わせた印鑑の作成が可能だとご理解いただけたでしょう。
アルファベットはかっこよさを演出できる字体です。
その反面、気をつけるべき点が一般の方、法人どちらにもあります。
デザインや読みやすさに気をつけて、オリジナルの印鑑を手に入れましょう。
ご不明点やご質問がありましたら、当社まで遠慮なくご相談ください。