2014.5.29カテゴリー:印鑑について
巷の噂、都市伝説のようなもので「印鑑ケースについている朱肉は使わないように」というものがあります。
ネットで検索すると「運気を落とすと勝手な迷信めいた理由」というものもあるようですが、真相は「昔のケースについている朱肉の質が悪くて、捺印性が低いため使わないように」ということのようです。
今でも印鑑ケースの朱肉は昔より良くはなりましたが、やはり単品の朱肉の方が品質には劣るため、通常の朱肉を使用した方がよいでしょう。
今回は、通常の印鑑の朱肉の種類とそのメリット、さらにインキの補充方法、練朱肉のメンテナンス方法についても明らかにしていきます。
□印鑑ケースと朱肉:選び方とその重要性
印鑑は、日本の社会生活において欠かせないアイテムですが、その印鑑を活かすためには朱肉もまた重要な要素です。
特に、印鑑ケースに付属する朱肉と専用の朱肉には、それぞれ特有のメリットとデメリットがあります。
以下では、朱肉の品質が印鑑の押し心地や印影に与える影響に焦点を当て、その選び方と重要性について解説します。
1.印鑑ケースに付属する朱肉の特性
印鑑ケースに付属する朱肉は、その便利さから多くの人に利用されています。
しかし、このタイプの朱肉は一般的に小さく、乾燥しやすい傾向があります。
その結果、印影がかすれやすく、美しい印影を求める場合には不向きです。
また、印面の直径とほぼ同じ大きさであるため、印面の枠を当ててしまい「欠け」が生じる可能性もあります。
2.専用の朱肉の特性
専用の朱肉は品質が高く、印鑑の押し心地や印影に優れた影響を与えます。
特に、高品質な朱肉液とスポンジが使用されているため、一度の押印でクリアな印影が得られます。
さらに、専用の朱肉はサイズも大きく、印鑑の直径に合わせて選べるため、印影が「欠ける」リスクも低くなります。
このような専用の朱肉は、特に重要な文書に使用する際にはその価値を十分に発揮します。
3.朱肉選びのポイント
朱肉選びにおいては、用途に応じて最適なものを選ぶことが重要です。
印鑑ケースに付属する朱肉は、短期間や緊急時に使うには十分ですが、長期間の使用や重要な場面では専用の朱肉がおすすめです。
また、金融機関や自治体窓口では専用の朱肉台が用意されている場合も多いので、その利用も考慮に入れましょう。
最後に、朱肉の品質は時とともに変わることもありますので、定期的な交換も忘れずに行うことをおすすめします。
印鑑と朱肉、一見単純な二つのアイテムですが、その組み合わせ一つで印影の品質が大きく変わることもあります。
選び方一つで、印鑑が持つ力を最大限に引き出すことが可能です。
□印鑑の朱肉には種類がある?
スポンジ朱肉と練朱肉の2種類があります。
スポンジタイプは、朱肉を付けやすく、さらに捺印がしやすいといった特徴を持っています。
仕事で大量の書類に印鑑を押さなくてはならない時や、配達物の受け取りサインのように日常で印鑑を押すときにおすすめです。
しかし、朱肉は乾きやすいので、定期的にインクを補充するようにしましょう。
練タイプは、朱肉の塊を、印鑑を押すときに練って使うものです。
スポンジよりも、美しい跡を残せるので、公文書や婚姻届けなどの重要な書類にサインする際によく利用されます。
しかし、インクは含まれていないため補充は不可能です。
以下にそれぞれの朱肉の特徴についてリストアップしてみましたので参考にてみてくださいね。
スポンジ朱肉:乾きやすい、捺印しやすい、ムラができやすい、補充できる
練朱肉:鮮明な朱肉の色や印影、朱肉が薄れにくい、補充できない
□朱肉の種類別にメリットを紹介!
*スポンジ朱肉の長所と短所をそれぞれ紹介します
スポンジ朱肉は使い勝手がよく便利なアイテムであるため、家庭だけではなく金融機関や役所などの様々なシーンでよく使用されています。
長所として「朱肉がスポンジに浸透しているため、簡単な捺印が可能である」「速乾性に優れている」「インクの補充だけでメンテナンスを済ませられる」「携帯して持ち歩ける」の4つが挙げられます。
その一方で、「色味が単調である」「印影の鮮明さがあまりない」「時間が経過するにつれて色褪せる」といった短所ももっています。
*練朱肉の長所と短所ってなに
ビジネス上での契約書や結婚届にサインする時のような重要なシーンでよく使われています。
長所は、「色合いに奥行きがあり美しい」「印影が鮮明である」「時間の経過しても、朱肉を綺麗に保てる」「明るめや濃い目といった様々な色を楽しめる」「印鑑のサイズを大きくすることで、印鑑そのものの良さを実感できる」の5つです。
しかし、同時に「押印した後、インクが乾くまで時間を要する」「使用前後に定期的なメンテナンスが必要である」「乾燥や温度変化に左右されやすい」「携帯して持ち歩けない」といった短所も持っています。
□スポンジ朱肉への補充方法をご紹介!
インキを補充する際の、一連の流れをご紹介します。
まず、補充する際に用意しておくべきものは、「朱肉補充用のインキ(ただし使用している朱肉専用の補充インクでなくてはならない)」「朱肉」「新聞紙」「ティッシュペーパー」です。
用意が完了したら、以下の流れに沿ってスポンジに朱肉を補充するようにしてください。
1.キャップを外さないで、朱肉補充用のインキをしっかりと振る
2.インキのキャップを外し、ノズルのパーツを朱肉に押しつけるようにする
3.ゆっくりと力を入れていき、円を描くことを意識しながら徐々にインキを浸透させる
4.2と3の手順を5回繰り返す
5.インキの完全な浸透を促すために、朱肉を30分程放置しておく
6.朱肉の表面をティッシュで軽く押さえ、余分なインキをふき取っておく
7.使用する前に、お試しで印鑑を押してみる。朱肉が薄かった場合は、再度同じ手順でインクの補充を行う。
◻︎朱肉メンテナンスのハウツー
朱肉は、印鑑の魂とも言える存在です。
その朱肉が状態不良に陥ると、印影もその魂を失ってしまいます。
以下では、朱肉の違いと練朱肉のメンテナンス方法を解説します。
1.練朱肉とスポンジ朱肉の違い
練朱肉は粘り気が強く、印影が鮮明に残る一方で、乾燥に時間がかかります。
スポンジ朱肉は乾燥が早いが、印影が色あせやすいです。
どちらを選ぶかは、用途によって異なりますが、練朱肉は特に長期保存が必要な書類に適しています。
2.練朱肉のメンテナンス前の確認
練朱肉を使用する前には、その状態を確認することが重要です。
硬くなった部分と柔らかい部分があれば、硬い部分を練りほぐし、柔らかい部分とよく混ぜ合わせます。
この手順により、印面に均一に朱肉が付くようになります。
3.朱肉が固まっている場合の対処法
朱肉が固まってしまった場合、容器ごと温めることで練りやすくなります。
ただし、温めすぎには注意が必要です。
金属製のヘラを温めて朱肉に押し当てる方法もありますが、この場合も火傷のリスクがあるため、慎重に行いましょう。
4.朱肉の成型
練朱肉を練り終えた後は、山の形に成型すると使いやすくなります。
山の裾を使って印鑑に朱肉を付けると、印面に美しく朱肉がのります。
5.メンテナンスが不可能な状態
練朱肉が極端に固くなってしまった場合や、カビが生えてしまった場合は、新しい朱肉の購入を考えるべきです。
このような状態にならないよう、日々の管理が必要です。
朱肉のメンテナンスは、印鑑の美しさを保つために欠かせない作業です。
練朱肉の特性を理解し、適切なメンテナンスを行うことで、印影も長持ちし、その美しさを長く保てます。
□まとめ
スポンジタイプは、大量の書類に署名する時や日常生活で、また練タイプは重要な書類にサインする時によく使用されます。
さらに、スポンジ朱肉は速く乾き、携帯での所持が可能ですが、練朱肉では不可能です。
その一方で、練朱肉は色味に味わい深さがあり印影が明瞭でありますが、スポンジ朱肉ではそれが難しいと言われています。
スポンジ朱肉への補充の仕方、練朱肉のメンテナンス方法は、上記で述べた手順通りに行えば簡単にできますので、ぜひ参考にしてみてください。