2017.12.5カテゴリー:印鑑について
男性と女性で実印の作り方が異なります。
そもそも、実印自体、見る事が少ないですよね。
もし、経験があったとしても、ご両親の実印くらいではないでしょうか。
しかし、お母さんの実印など、女性の実印を見た人はごくわずかでしょう。
男女によって作り方が異なるのを知れば、一生使える印鑑を手にできます。
これからの人生で困ることが無いような印鑑を作りませんか。
今回は、女性に向けて実印の作り方をご説明します。
□実印の条件とは
実印は、居住する市区町村に届け出をすることで作成できます。
契約や取引などで大切な役割を果たし、個人印・法人印の中でも大切な印鑑で、法律上・社会上の権利・義務の発生を伴い、法的な効力を持ちます。
契約や証明書において、「あなた自身が自分の意志で決定した」ことを証明する役割があります。
従って、印鑑登録がされていない印鑑は、実印とはみなされません。
原則として個人で登録できる実印は1本となり、満15歳未満の者は印鑑登録ができないこととなっています。
□実印を作る際に注意すべきポイントとは
1つ目は、丈夫な印材で作ることです。
実印は大事な場面で使われるため、なるべく丈夫な材質を選びましょう。
柔らかいものだと変形したり、欠けたりして実印としての機能を失ってしまいます。
作り直すのも、実印を変更するのも手間なので、最初から丈夫な実印を作っておくと安心です。
2つ目は、印影は他者から真似されない複雑な物にしましょう。
実印は偽造されないように、難解な書体が選ばれます。
中でも、篆書体(てんしょたい)と印相体(いんそうたい)がおすすめです。
多くの名字の方の場合、大量生産の機械彫り印鑑を実印として使用すると、悪用の可能性があります。
3つ目は、作成にかかる時間に注意することです。
実印作成には時間がかかり、業者に頼んだ場合は完成までは3日から4日かかります。
また、手彫り注文の際はさらにかかる可能性があります。
偽造が難しく、世界に1つしかない印鑑を作るためには、どうしても時間がかかってしまうのです。
そのため、実印を作成するタイミングには気をつけましょう。
□女性の実印は「名前のみ」が基本
実印に彫れる文字には規定があります。
「住民票に記載されている『氏のみ』、『名前のみ』、『氏名』のどれか」でなければなりません。
つまり、住民票に登録した名前なら好きに彫れるのです。
「じゃあ、なんで女性は『名前のみ』なの?」
その理由としては、結婚が挙げられます。
結婚によって、苗字を変更した場合、『氏名』が記載された印鑑は使えなくなってしまうのです。
せっかく作った印鑑を捨てたくはないですよね。
そのためにも、名前のみで実印を作りましょう。
もし、結婚によって新しく実印を作成する場合は、『氏名』を候補に入れてみてください。
現代には、様々なご夫婦がいらっしゃいますよね。
氏名の実印には、「一家を背負って立つ」があると言われています。
一家の長を務める場合は、『氏名』の印鑑を作りましょう。
この他にも、社会的な肩書をお持ちの方は『氏名』の印鑑を作ってください。
『名前のみ』の実印では、仕事に様々な影響が及んでしまいますよね。
将来と社会的立場を考慮して、印鑑を作成しましょう。
□「横書き」で文字を彫る
「印鑑」と聞いたら、多くの人が「縦書き」を想像されることでしょう。
しかし、女性が実印を作成される場合、「横書き」をオススメします。
何故なら、「横書き」の実印は『安定』、『守護』を意味するからです。
「縦書き」で作成される男性の印鑑には、『成長』や『発展』、『繁栄』の意味があります。
結婚した際、男女の実印における文字の向きを対にすると、『家庭を守る』意味が、それぞれに宿るそうです。
人生に縁起を担ぐためにも、文字の向きを変えてみませんか。
もし、横書きの印鑑を作成される場合、右から読めるように彫ってください。
印鑑における文字の彫り方は、昭和初期までの古い習慣にならっています。
間違えた向きで彫って、後悔しないようにしましょう。
□印相体(いんそうたい)で作成する
印鑑に彫れる文字の書体には、様々な種類があります。
それぞれに特徴がある為、用途によって書体を変えることが望ましいでしょう。
その中でも、実印に適しているのは印相体です。
印相体で彫られる文字は、可読性が非常に低い篆書体を少し整えた形に成ります。
篆書体に比べれば読みやすいかもしれませんが、一目見ただけでは解読する気にはなりません。
このような特徴は、実印にとって有利に働きます。
実印を用いる書類は、その人の人生を左右するものばかりです。
そのような印鑑が偽造されたり、悪用されたりしたら、大変な事態に陥ってしまいます。
それを防ぐためにも、実印はあえて読みにくくすることが求められるのです。
印相体は読みにくい上に、彫る人の意匠が反映されるため、世界に一つだけの印鑑を作成できます。
また、他の書体に比べて、印相体は欠けにくいです。
これは印相体の特徴とされています。
他の書体よりも枠の接点が多い印相体は、欠ける可能性が低いです。
枠が欠けてしまった実印は、実印としての効力を失ってしまいます。
その場合、新しい印鑑を作り直して、印鑑登録をし直さなければなりません。
このような要素を踏まえていることからも、印相体は実印とむいていることがよくわかりますよね。
その上、文字が八方へ広がっている印相体は吉相体(きっそうたい)と言われるほど、縁起が良いです。
人生に影響を及ぼすような大切な場面には、少しでも縁起を担いで、自分にとって有利な風を吹かしたいですよね。
そうするためにも、印鑑の書体にはこだわりませんか。
□実印を作るにあたって
実印は、必要となったきっかけや人生の節目に到達してからこそ、作ろうと思うものです。
実印を作成するときは、素材選びにこだわりましょう。
それぞれの素材には特徴や意味があり、それをよく知って実印選びをすると、もっと楽しいものに感じられます。
実印は、「1度きり」のお買物です。
落としたり、湿度の高いところに保管して割れることのないように、管理するのは当然ですが、素材を選ぶときにも、その素材の耐久性に注目してできるだけ丈夫な素材を選びましょう。
例えば、「初めて自分の自動車を購入しよう!」というきっかけや、「結婚して苗字が変わる、新しい人生のスタートの時」という大切な節目で使うため、押印したときの印影が、クリアな美しさであることが望ましいでしょう。
朱肉がちょうどいい加減で押印できる実印素材を選びましょう。
実印は、自分の人生にかかわっていく大切なものです。
その素材の持つ縁起のよさや風水を考慮すると、安心感につながるでしょう。
□女性におすすめの素材とは
女性らしさを表現したいのならば、伝統印材の牛角白(うしのつのしろ)がおすすめです。
高級感のある飴色のボディは、長く愛用できる落ち着きのある佇まいに見えます。
「芯持ち」と呼ばれる希少部位は、丈夫で「成長」や「発展」の力を持つとも言われています。
幸せへの願いを込めて選ぶなら、ローズクォーツやアメジストなどが女性におすすめです。
近年では、チタンが流行っています。
チタンといえば、メタリックな印象が強く男性に人気の印鑑素材ですが、最近では女性向けのおしゃれなチタン印鑑が人気です。
カラーチタンや、パワーストーンなどの宝石が埋め込まれ、耐久性も高い材質で、女性用の実印や銀行印など、一生ものの印鑑におすすめです。
また、それほど出番がない実印にあまり予算はかけられないとお考えならば、優良印材の「黒水牛」や「本柘植」がおすすめです。
「黒水牛」はいわば印鑑の定番・スタンダードとなっており、漆黒の印鑑に朱の赤が美しく映え、誠実できちんとした印象も与えてくれます。
「本柘植」は、素材ならではの、温かさと美しさ、手触りが魅力的でリーズナブルながらも古くから印鑑として使われ続けている品質は彫刻士のお墨付きです。
□女性に合った大きさ
女性の実印における印鑑の大きさは、「15mm」と「13.5mm」が一般的です。
どちらを選ばれるかは、人によって変わるでしょう。
見栄えを良くしたいなら前者ですし、女性らしさを表したいなら後者です。
女性に適した大きさだけでなく、文字数で決めてみても良いでしょう。
一文字なら13.5mm。
二文字なら、どちらでも。
三文字以上なら、印面が窮屈に成らないように15mm。
印影を意識して、何処を見ても美しい印鑑を作りましょう。
□まとめ
今回は、女性に向けて実印の作り方をご紹介しました。
実印は「一生モノ」の買い物です。
少し予算を超えてしまっても、自分に合った印鑑や理想の印鑑を作るようにしてください。
印鑑の素材については、それぞれの予算や好みに寄ってしまいます。
今回お伝えした内容を踏まえて、比較的な丈夫な素材を選べば一生使う印鑑を手にできるでしょう。
これらの情報を活かして、人生を支えてくれる実印を手に入れしませんか。