2018.10.10カテゴリー:印鑑について
「娘へ実印をあげたいけど、作り方が分からない。」
このようなお悩みをお持ちの方はいませんか?
実印は印鑑の中で一番大きな法的効果を持つため、オーダーする際には防犯面や自分の好みに合わせてよく考えて作る必要があります。
さらに実印は一人につき一本だけ持てる印鑑であるため、想いを込めた一本を作りたいものです。
今回は、女性が実印を作る時に知っておいた方が良いことについて3点ご紹介します。
□実印はいつ作れば良いか
基本的にいつ作っても良いのですが、15歳から作ることができます。
実印の用途としては、車の売買・遺産相続・会社を起こす時などで、使う機会は限られています。
使う機会が少ないものの、用途はどれも人生の中のイベントで重要なことです。
そういったときに、焦って生半可なものを作ることがないように、お時間のあるときに用意しておきましょう。
ご自分への購入はもちろん、実印の相場は一万円以下なのでお嬢様への高校・大学の卒業や入学のお祝いにプレゼントするのもおすすめです。
□名前の入れ方
実印を作るときに慎重に考えなければならない大事な要素があります。
それは「印面に何を彫るか」です。
実印の登録のための規定では、氏名両方を入れてもよし、どちらか片方だけを入れてもよしとされています。
しかしながら、ここで女性の方に向けて特筆すべきなのが、「女性は下の名前、ファーストネームだけを彫るのがおすすめ」だということです。
その理由を3点ご紹介します。
1. 名字が変わる機会が多いから
女性は結婚や離婚などの機会で名字が変わることがあります。
そのため、フルネームの実印を作ってしまうと、名字が変わった際に、もう一度実印を注文して役所に持っていき再登録しなければなりません。
また、それまで持っていた実印を破棄しなければならず、面倒が生じます。
最初から名前だけの実印を作っておくことでそういった面倒を避けられます。。
2. フルネームの実印は家長が持つものとされていたから
実印が出来た当時は明治時代で当時は、男性が基本的に家長をしており実印は家長である男性が持つものとされていました。
そのため女性の方はお名前だけの実印を持つことが多くなっています。
しかし、現代では男性が一家の家長であるという考え方も持たない家庭も増えてきていますので、ご自身の考え方によって決めるのが良いでしょう。
3. バランスの良いデザインになるから
女性の実印は小さいのが一般的です。
男性の実印は大きい場合が多いので、画数を多くするためにフルネームを掘ってバランスを取ることが多いです。
一方で女性用の小さいサイズの実印にお名前全てを入れようとすると、彫る画数が増えてしまいバランスが取りづらいことがあります。
どうしてもフルネームで掘りたいという方は大きいサイズの実印を作ることも一つの手段ではありますが、日本の昔からの慣習ではあまり好まれていません。
その理由として、女性が苗字の入った実印を持っていると縁起が悪いと言われていることが挙げられます。
この慣習は「後相家」といって、家庭内で女性の方が男性よりも大きい実印を持っていると、女性が男性の運を上回ってしまうため、その夫婦に離婚や死別など良くない災いが訪れると言われています。
しかし現代では、家庭内で男女の立場を平等にしている家庭も多いので、これは知識として持っているだけで良いでしょう。
また、もう一つの理由として女性の手は男性に比べると小さいため、実印が小さい方が手にフィットして使いやすいため小さい印鑑がおすすめです。
以上が女性に名前だけの実印をおすすめする3つの理由でした。
□書体えらび
書体についてこだわりがある方は少ないかもしれませんが、書体によって相手に与える印象が違ってきます。
例えば男らしい印象を与えるためには、太く力強いもの、女性らしい奥ゆかしさを感じさせるには細い線の書体が良いですよね。
そして、楷書体などあまりにも単純な書体にしてしまうと容易に模倣されてしいます。
そのため、防犯のためにも複雑な書体が選ばれるのですね。
色々な書体を選ぶことができますが、小さめのサイズで作る女性におすすめの書体は「細篆書体(太枠篆書体)」です。
細篆書体は、日本紙幣にも使われている篆書体を太くした書体です。
ほっそりとした線で柔らかい印象を与えることができます。
また、読みにくく模倣しにくいため防犯にも効果的であることや、枠が太く文字が欠けにくいという他のメリットもあります。
以上、女性のための実印を作る時のおすすめポイントでした。
・15歳からならいつでも作って良い
・名前のみを彫るのがおすすめ
・細篆書体(太枠篆書体)がおすすめ
この3つががお分かりいただけたと思います。
日頃から頻繁に使うものではないからこそ、特別なこだわりの一本を持っておきたいものですよね。
また、娘さんが進学・就職される時、ご実家を離れる時にプレゼントされてみてはいかがでしょうか。