2016.12.14カテゴリー:印鑑について
みなさん、ご自身の印鑑はどのようにして使い分けていますか?若い方なんかだと卒業式の時にもらった印鑑を実印、銀行印、認印全てに使っている方なんかもいらっしゃるかもしれません。
そもそも実印や銀行印は兼用で登録できるのかというところですが、実は銀行印に登録しているものは実印には登録できないなどの決まりは特にはありません。なので、それぞれの条件さえ満たせば印鑑の兼用は可能ということになります。
ですが、それぞれの印鑑を全て兼用で使っていることは実は様々なリスクがあると言われています。そこで、今回は実印、銀行印、認印を全て兼用していると起こり得るリスクの面についてご紹介いたします。
銀行印と実印を兼用するリスクを最小限にする方法もご紹介しますので、ぜひ参考にしてみてください。
実印、銀行印、認印の特徴についてご紹介します
ハンコの種類
実印
住民登録をしている市区町村の役所や役場に、ご自身の戸籍上の姓名を彫刻したハンコを登録申請し、受理された印鑑のことをいいます。実印はハンコの中でも最も重要なハンコです。実印は、法律上・社会上の権利・義務の発生を伴い、法的な効力を持っています。
銀行印
口座を開設する際に、金融機関に登録をしているハンコのことを指します。金融機関で金銭出納などの口座での取引をする際に使われます。銀行印と通帳さえあれば本人でなくても預金からお金をおろすことができるので、管理には十分気をつけましょう。
認印
認印は印鑑登録をしていないハンコのことを指しています。印鑑証明のいらない書類作成や日常面で言うと宅配便の受け取りの際に使ったりするものですね。
以上が各ハンコの主な特徴になります。
ハンコの兼用により生じるリスク
まず、銀行印と実印を同じにしていた場合、万が一紛失したり、盗難にあった際に手続きの面倒くささが2倍になってしまいます。
通常、これらの印鑑を紛失または盗難にあった際に気づいた時には、
⑴金融機関や、役所に印鑑をなくした旨を伝え、印鑑証明書交付のストップや、預金を動かされないようにする
⑵新しい印鑑での改印届を出して、以前までの印鑑の効力をなくす
⑶念のため警察に紛失届を出し、これまでの取引先などに改印の連絡をしておく
このような手順を踏むことになるのですが、仮に実印と銀行印を同じにしていた場合紛失した際にそれぞれに対して手続きをする必要が出てくる分面倒になります。
また、近年はインターネットの普及により、ハンコを偽造することも以前に比べ容易になってきています。もしも偽造などされて、自分の名前が悪用された時のことを考えると、リスクを分散させるという意味でも、実印や認印は別々のハンコで作っておくべきでしょう。
さらに、銀行印に関しては、金融機関ごとにハンコを分けて作っている方がさらにリスクの分散につながります。
また、認印はそこまで高いものを買って作る必要はあまりないと言えますが、銀行印や実印は、実際に窓口で届け出を出して登録する重要度の高いハンコになります。なので、できれば手彫りのしっかりしたハンコを作り、なるべく偽造されにくいハンコを作るようにするのがベストと言えます。
銀行印と実印はどう違うの?
印鑑には実印や銀行印、認印などの3種類の印鑑があります。
こちらの印鑑はもちろん分けたほうがいいですが、1本の印鑑ですべての役割を担うことができないわけではありません。
しかし、同じ印鑑を使うにしても使う場面によって役割が違います。
ここでは、実印と銀行印に焦点を当て、それぞれの違いをご紹介します。
また、紛失したときに生じるリスクについてもご紹介しますので、ぜひ参考にしてみてください。
登録方法の違い
まず、実印と銀行印では登録方法が異なります。
実印は市区町村の役場で登録ができますが、銀行印は銀行で登録する必要があります。
届け出をする場所に違いはありますが、時間は両方とも15分程度という比較的短い時間で登録することが可能です。
また、実印は1本しか所持できませんが、銀行印は口座ごとに所持できるという違いもあります。
口座ごとに銀行印を登録しておくと、紛失したときのリスクも軽減できるのでおすすめです。
印鑑を変更するときの違い
実印を変更したい場合は、本人確認書類と登録済みの実印、印鑑カードを準備して市区町村役場で廃止届を提出します。
その後、新しい印鑑を実印として再び登録申請することで印鑑を変更できます。
一方で、銀行印は実印を変更するときの持参物に加えて、通帳も持って変更手続きを行いましょう。
銀行印を紛失した場合は、紛失届を提出しなければなりません。
一度、紛失届を提出したらその後に銀行印が見つかっても、改めて変更手続きを行わなければその銀行印は使えないので注意しましょう。
しかし、無くした銀行印を探しているときに悪用される可能性もあるので、無くしたらすぐに紛失届を提出することをおすすめします。
作り方の違い
実印も銀行印も大切な契約書や資産に関わる重要な印鑑です。
そのため、複製のリスクを避けなければなりません。
複製のリスクを避けるには、印面の文字数を増やすことや書体をありきたりなものにしないことが大切です。
また、男性と女性でも作り方が異なります。
なぜなら、女性は結婚して姓が異なる可能性があるからです。
そのため、実印も銀行印も女性の場合は名前のみにするといいでしょう。
印鑑の兼用により生じるリスクと銀行印の持つリスクを最小限にする方法とは?
印鑑の兼用を控えることで、銀行印のもつリスクを軽減することに繋がります。
特に銀行印は、他の印鑑を兼用するリスクが非常に大きいです。
理由として、銀行印は紛失したときに大変な手間がかかってしまうだけでなく、紛失した銀行印を悪用される可能性があるからです。
近年では、犯罪防止を目的にして預金通帳に印影のシールは貼らない仕組みになっているため、通帳を見ても印影がわからないようになっています。
また、主な利用がキャッシュカードの人でもATMでの取引には上限があるので、高額な取引を行う場合は印鑑を持参し窓口に出向かなければなりません。
このような防犯対策が取られていますが、銀行印を実印や認印と兼用すると多くの場面に影響が出てしまうので用途別に分けることをおすすめします。
次に、リスクを最小限にするために銀行印を作るときに気をつけたいポイントを3つご紹介します。
1つ目は、銀行印のサイズを他の印鑑と区別することです。
実印と銀行印を間違えないようにするためにも、銀行印を実印よりも一回り小さいサイズにするといいでしょう。
2つ目は、銀行印の効力を理解して、通帳とは別の場所に保管しておくことです。
銀行印自体には法的な力はないですが、通帳とセットになった場合は非常に強い効力を発揮します。
そのため、保管するときには一緒の場所に置かないようにしましょう。
まとめ
いかがでしたか?
今回は、実印、銀行印、認印を同じハンコで兼用していた場合に生じるリスクについてご紹介しました。今、これらのハンコを全て同じハンコにしている方も、今回ご紹介したリスクを考えるとその危なさに気づいてもらえたのではないでしょうか。皆さんの身を守るためにも、これらのハンコは分けて作っておく方が良いので、まだの人はこの機会にしっかりとハンコを分けて作ってみてくださいね。