2020.2.10カテゴリー:印鑑について
実印を持っていなくて、いずれ作りたいと思っている方はいらっしゃいませんか?
日本に住んでいる限り、いろいろな場面で印鑑が必要になりますよね。
種類も様々ですが、重要なものの一つに実印があります。
市区町村で登録する必要があり、大きな額が動く契約などの場面で使います。
しかし、具体的にどの場面で使うかご存知でしょうか?
もちろん先を見越して実印を作っておくのも手ですが、早く作ると紛失などの恐れがあります。
せっかくなら必要な場面を知って、そのタイミングで作成したいですよね。
今回は、実印が要る場面をご紹介します。
□実印が要る場面
*不動産の売買
不動産を売買する場合は、実印が要ることがほとんどです。
しかし、不動産会社によっては認印でも良いとされます。
実は、不動産の売買契約自体は認印でも有効になるのです。
「契約」は民法で定められている領域で、人や会社の間での合意があれば成立します。
つまり、そもそも契約書自体がなくても契約は成立するのです。
しかし、証拠がないと後々トラブルにつながるので契約書が用意されます。
ここで契約書が契約の証拠として残るので、ここに押す印鑑は実印でなくても問題ないのです。
では、なぜ実印を求められることが多いのでしょうか?
実印は登録がある分、信用を保証するので、大きな額をある買う不動産取引では重宝されます。
また、不動産売買は詐欺が横行しやすい取引でもあります。
大企業であっても、所有者を偽った詐欺師と契約して億単位の損害を出すことがあります。
所有する不動産が本当に当人のものかを確認し、安全に取引するために実印が必要です。
他にも、不動産の所有権を移すときに実印があると照合がしやすいという理由もあります。
登記の手続きの過程で本人の照合が必要なのですが、それがしやすくなります。
登記手続きを行う司法書士側の都合ではありますが、安全な手続きを行うためにも実印を用いた手続きは有効です。
不動産の場合はこういった理由で実印を用いた契約を求められることがほとんどです。
不動産を売買する予定がある方は、そのタイミングで作成しましょう。
*車の購入
車の購入にも実印が必要な場合があることをご存知ですか?
あまり知られていませんが、車種によって違います。
まず軽自動車の場合は、実印は要りません。
軽自動車を購入する際に、契約書に印鑑を押す場合もありますが、実印でなくても大丈夫です。
ただし、普通自動車の場合は基本的に実印を用意した方が良いでしょう。
普通自動車の登録を新規にする際に実印が必要です。
上で書いた不動産のように契約で使うわけではなく、登録に使うので、法律的にも必要です。
利用するローンによっては、ローン会社が車の所有権を持っている場合があります。
返済できないときの担保として持つためです。
この場合、持ち主はローン会社なので、実印による登録は必要ありません。
しかし、所有権を確認するのも面倒だと思うので、購入する際は実印を用意しておくようにしましょう。
また、廃車にするときも実印が要ります。
廃車にする予定がある場合は、そのタイミングで作成すると良いでしょう。
*住宅ローン契約時
住宅ローン契約時には実印を使用します。
不動産会社との売買契約のみなら認印で可能ですが、住宅ローンを組む際には、実印が必要になります。
契約の安全性・信憑性を高めるためにも実印を用いることが大切なのです。
住宅ローンでは、申し込めばすぐに融資が受けられるわけではありません。
いくつかの手順を踏む必要があるのです。
住宅の購入を決定してから慌てることがないように、事前に必要なものを準備したり、やるべきことを把握しておいたりすることが非常に重要です。
住宅ローン契約時の流れを解説しながら、実印が必要な場面を解説します。
1番目は、住宅ローン相談をします。
住宅ローンについてよくわからない場合は、不動産会社の担当者に相談しましょう。
ファイナンシャルプランナーや住宅ローンアドバイザーなどの資格を持つ担当者が多いため、最適なローンの組み方と返済方法を提案してくれるでしょう。
また、ローンの基本的な説明もしてくれるでしょう。
2番目は、住宅ローン事前審査です。
物件の購入申し込みをするタイミングで、住宅ローンの事前審査も申し込みます。
ローンの本審査に通りそうかどうか、簡単な審査をするものが事前審査になります。
この事前審査では、審査ということで実印が必要と考える方も多いと思いますが、この場面では実印は必要ありません。
3番目は、合否判定です。
事前審査には、数日から数週間程度の日数を要します。
審査に通ったら不動産売買契約を結びます。
なお、不動産売買契約では、認印でも問題はありません。
ただし、より契約の安全性・信憑性を高めるには実印は効果的です。
買主が不動産売買契約書に実印を用いたほうが良い理由としては、「書類に整合性をもたせるため」、「容易に契約解除となることを避けるため」、「住宅ローン契約時に銀行が照合しやすくするため」などが理由として挙げられます。
4番目は、本申し込み・本審査です。
不動産売買契約後は、いよいよ住宅ローンの本申し込みを行います。
本申し込みには必要書類がたくさんあります。
それゆえ、事前に金融機関に確認しておくことが大切です。
そして、本審査には、印鑑証明書に使用した実印が必要になります。
必ず、持参するようにしてください。
5番目は、合否判定・融資決定です。
本審査には1週間程度かかると考えておきましょう。
6番目は、金銭消費賃借契約です。
本審査に通ると、住宅ローンの契約を結ぶことが可能になります。
物件を担保に抵当権を設定し、金銭消費賃借契約を締結するのです。
この契約書類は金融機関によって異なります。
なお、この金銭消費賃借契約においても印鑑証明書に使用した実印が必要なので、用意しておきましょう。
7番目は、融資実行です。
金銭消費賃借契約が結ばれると、借りたお金が銀行から支払われます。
8番目は、確定申告です。
住宅ローンの控除を受けるために、確定申告を行いましょう。
以上が、住宅ローンの流れになります。
実印が必要な場面があるため、確実に用意するようにしましょう。
*遺産相続する時
遺産相続時には、印鑑登録証明書いわゆる実印が必要な場面が多いです。
ここでは、印鑑登録証明書が必要な場面を3つ解説します。
まず1つ目は、遺産協議登録証明書を添付する必要がある場合です。
遺産分割協議書を作成したら、全相続人の署名捺印を行います。
遺産分割協議書に捺印する印鑑は、実印である必要があります。
2つ目は、金融機関で相続手続きを行う場合です。
どうやって相続したかで印鑑証明書が必要な人が異なります。
相続人が1人である場合は、預貯金を相続する人の印鑑登録証明書が必要です。
また、遺言がある場合も、預貯金を相続する人の印鑑登録証明書が必要になります。
3つ目は、相続税を申告する場合です。
相続税の申告が必要な場合は、印鑑登録証明書が必要となるため、把握しておきましょう。
□銀行印と実印は別?
銀行で新しく口座を開くときにも印鑑が必要で、銀行印と呼びます。
他の場面で使うこともあり、実印と同様に重要な印です。
この銀行印に実印を使う方もいるのですが、両者は全くの別物です。
併用も可能ではありますが、デメリットが大きいです。
まずは安全性です。
同じパスワードを複数の場所で使うとセキュリティが脆弱になるように、実印を使う場面でも銀行印を使う場面でも同じ印鑑を使うと安全性が低くなります。
別々にしていれば、仮に一方が流出しても被害を少しは抑えられます。
また、手続き面でもデメリットがあります。
仮に紛失した場合、実印の登録廃止と再登録に加え。銀行印の変更届の提出が必要です。
役場と銀行で手続きが二度手間ですし、また必要書類などを用意しなくてはなりません。
銀行の口座を開くときに実印が必要だと誤解されている方もいますが、銀行印と実印は別物です。
口座を開くときは銀行印用の印鑑を買うようにしましょう。
ちなみに、銀行印は実印より一回り大きく作るのが主流です。
区別できない自体を避けるためにも、大きさを変えるか、もしくは書体や素材を変えて区別しやすいようにすることをおすすめします。
□まとめ
今回は、実印が要る場面についてご紹介しました。
ご紹介した場面に直面しそうになったら、実印を作成すると良いでしょう。
具体的には不動産の売買、普通自動車の購入時、廃車時が主な場面です。
登録など手間がかかるので少し余裕を持って印鑑を作っておくことをおすすめします。
また、銀行印と実印は別物です。
一緒の印鑑を使うと紛失したときの手続きが複雑で安全性も低くなります。
パスワードを場所により変えるように、別の印鑑を用いるように注意しましょう。
当社では、実印をはじめ、様々な場面に応じた印鑑を販売しております。
量産ではない、オリジナリティのある印鑑づくりをしているので安心してお買い求めいただけます。
印鑑を作ろうと思っている方、興味がある方は、一度当社のホームページをご訪問ください。
最後まで見ていただきありがとうございました。