2021.4.10カテゴリー:印鑑について
日常生活で印鑑の必要性を感じる機会は多々ありますよね。
中でも、実印は契約の際などになくてはならないものです。
しかし、実際どのような場面で使用されるかわからないという方も多いのではないでしょうか。
今回は、実印の使用場面や何に使うのかについて紹介していきます。
ぜひ参考にしてみてください。
□実印とは?理解を深めよう!
「そもそも実印とは何なのか」と思ったことはありませんか。
ここでは実印について紹介していきます。
実印とは、ご自身が住民票を登録している市区町村の役所や役場に申請し、受理された印鑑のことを指します。
一見すると実印のような印鑑であっても、登録されていなければ実印とはいえません。
実印は自身で確認し承諾したという意味を持ち、自分自身の証明でもあります。
自分の分身であると言われるほど重要性が高い印鑑なのです。
実印は印鑑の中で最も重要な役割を担っており、不動産の取引や公正証書、契約書などの大切な場面で使用されます。
このように、一般的な印鑑と違い、実印には法律上、社会上の権利や義務の発生を伴います。
また、実印は登録さえすれば、100円ショップなどで売られている印鑑も使用できます。
しかし、世の中に多く出回っている印鑑を登録すると、偽造のリスクが高まるでしょう。
誰もが簡単に手に入れられるため、勝手に自分になりすまされ、被害にあう可能性もあります。
実印は効力が高いものという認識をしっかりと頭に入れ、被害にあわないように工夫しましょう。
□実印が必要になる場面とは?
ここまでは実印について紹介しました。
重要性やリスクについて理解が深まったのではないでしょうか。
次に、実印を使用する場面について紹介します。
1つ目の場面は、不動産の取引時です。
一般的に不動産売買では契約を交わす際、書面に実印を押すことを相手から求められます。
これは、取引の安全性を高めるために必要とされています。
このように、契約の場では真正を担保するために実印を使用します。
2つ目の場面は、車の売買時です。
車を購入したり、売却したりする際には実印が必要です。
これは、車の所有者を登録・変更するためです。
また、自動車ローンや任意損害保険に加入する際には、銀行印なども使用します。
合わせて準備しておきましょう。
3つ目の場面は、会社の設立時です。
会社の設立時には、個人実印と法人実印が必要です。
この際、個人実印は会社の代表者、法人実印は会社名が入った登記に使用されるものを用意しましょう。
法人実印は会社としての意志を強く感じさせられるため、有効性が高いです。
このように、実印は大切な契約などの場面で必要とされます。
使用頻度は低いですが、重要性は非常に高いですよね。
必要になった際に慌てないよう、余裕を持って準備しておきましょう。
□実印の保管方法について知っておこう!
上記で何度も繰り返しお伝えしてきましたが、法的な効力を持つ実印は非常に大切なものです。
そのため、悪用対策や保管方法には注意を払う必要があります。
ここからは、悪用防止方法と保管方法について紹介していきます。
*安全性の高いハンコを使用すること
上記でも述べたように、実印は安価で大量生産されている印鑑でも、登録をすると実印として認められます。
しかし、複雑な印影の印鑑と簡単なものでは、どちらが偽造されにくいでしょうか。
複雑な印影の方が偽造されにくいですよね。
また、機械彫りは手彫りと比べて単純な構造をしています。
そのため、手彫りのものを使用することをおすすめします。
このように、安全性の高い実印を作るには、書体や彫りかたにもこだわりましょう。
*実印使用時のみ登録すること
実印は印鑑証明と一緒になることで効果が強くなります。
そのため、実印使用後は印鑑登録を廃止する手続きを行いましょう。
つまり、両方が必要になった時のみ登録し、使用後に抹消することを繰り返すということです。
手間はかかってしまいますが、この手続きを行うことで大きなリスク回避効果が期待できるでしょう。
*実印と印鑑証明書は保管場所を別にすること
実印と印鑑証明書を分けて保管しましょう。
保管場所を分けることで悪用防止につながります。
例えば、強盗などが家に侵入した時に大切なものを同じ場所に保管していると、簡単に奪われてしまいますよね。
保管でおすすめの場所は、銀行の貸金庫です。
自宅での保存よりも安全性を強化できるでしょう。
このように実印は、適切に扱うことが大切です。
また、もし実印を紛失してしまった場合は、速やかに役所で印鑑登録の廃止と登録の手続きを行いましょう。
□実印の登録から使用までの全て
実印の登録は、個人を法的に証明する重要な手続きです。
1:実印の登録資格と基準
実印の登録には、その市区町村に住民登録している15歳以上の個人が対象となります。
登録可能な印鑑は、一辺8mmから25mmの正方形に収まるもので、形状に制限はありません。
住民基本台帳または外国人登録原票に登録されている氏名、名、またはその一部を組み合わせた印鑑で、1人1個のみ登録できます。
「印」「之印」「之章」の字句も登録可能です。
材質が変形しやすいゴム印や規格外のものは登録できません。
印鑑登録は市区町村によって基準が異なるため、注意が必要です。
2:登録プロセスと必要書類
登録申請は、本人が直接市区町村役場に出頭し、印鑑登録申請書に実印を添えて申請します。
必要書類には、実印登録する印鑑、身分証明書が必要で、費用は一件につき約300円が目安です。
申請完了後、印鑑登録証が交付されます。
3:外国人の印鑑登録
平成24年7月の法改正により、日本に居住する外国人住民の方も住民票が作成され、住民票上の氏名や通称等を元に印鑑登録が可能です。
外国における印鑑証明書に相当するサイン証明書を使用することもあります。
実印の登録から使用までのプロセスは、個人の法的な証明として非常に重要です。
適切な印鑑の選択から登録プロセス、必要書類の準備に至るまで、このガイドを参考にしながら正確に進めることで、法的なトラブルを避けることにつながります。
実印は個人の責任と権利を象徴するため、その重要性を理解し、適切に管理することが求められます。
4:登録できない印鑑の例
ゴム印、規格外のサイズ、印影が不鮮明なもの、ローマ字や芸名等で作成された印鑑は登録できません。
自治体によっては既製品や丈が極端に短い印鑑も登録できない場合があります。
□実印は何に使う?誤用を避けるための注意点
実印は個人の法的な意志を表す重要なツールですが、その使用には慎重さが求められます。
1:空欄のある書類への押印を避ける
空欄がある契約書や文書に実印を押印することは避けるべきです。
後から金額や条件を改ざんされた場合、押印済みの実印によって自らが同意したとみなされるリスクがあります。
このような場合、法的なトラブルに発展する可能性が高くなります。
2:日常のサインで実印を使わない
宅配物の受取のような日常的な場面で実印を使用することは推奨されません。
実印の紛失や盗難に繋がり、それが原因で不正な契約や高額な取引などに利用されるリスクがあります。
実印は契約や大切な手続きの際に限定して使用し、日常は銀行印や認印の使用をお勧めします。
3:印鑑登録証明書の適切な管理
印鑑登録証明書は実印と同等の重要な文書です。
この証明書が第三者の手に渡ると、実印を模倣され不正使用される恐れがあります。
常に安全な場所に保管し、不要になった証明書は適切に処分することが重要です。
4:法人実印の特別な注意点
法人の実印の管理には特に注意が必要です。
法人の実印が不正に使用されると、大規模な金銭的損害や信用失墜に繋がる恐れがあります。
法人実印は鍵のかかる安全な場所での保管や役職者が厳重に管理するなど、使用する際は厳格なチェック体制を敷くことが推奨されます。
実印の使用と管理には十分な注意が必要です。
特に空欄のある書類への押印、日常的な使用の回避、印鑑登録証明書の管理、法人実印の厳重な保管に注意を払うことで、実印の誤用や不正使用、紛失や盗難によるリスクを最小限に抑えられます。
実印は個人だけでなく法人にとっても大切な財産であり、その適切な管理と使用が求められます。
万が一不正利用された場合、実印での契約は訴訟においても不正利用を認めざるを得ない可能性もあるため、厳重に管理する必要があります。
□まとめ
今回は実印の使用場面や何に使うのかについて紹介しました。
「実印とは何なのか」「実印が必要になる場面ってどんな時だろう」
このような疑問は解決できたでしょうか。
実印についての理解が深まれば幸いです。
また印鑑に関してご不明な点がございましたら、お気軽に当社までお問い合わせください。