2017.3.15カテゴリー:印鑑について
実印を作るときに必要なものや印鑑登録の際の手順についてご紹介
就職した際、結婚した際などのタイミングで実印を作るという方がたくさんいるでしょう。
ハンコは普段の生活になじみのないものなので、実際にどのような手続きをしたら良いかなかなか分かり辛いものがありますよね。
そこで今回は、実印を作る際に必要になるものや、印鑑登録の際の手順、実印作成における注意点などについてご説明していきます。
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目次
実印とは何か
実印とはどのような時に必要なのでしょうか。
ここでは、実印とは何か、どのような時に必要かということについてご説明していきます。
高額な取引の際の契約書など、実印が必要な機会はたくさんあります。
代表的な場面
- マンションや家、土地などの不動産を購入、売却するとき
- 自動車を買ったり売ったりするとき
- 遺産を相続するとき
- 生命保険や自動車保険などに加入するとき
- ローンを組むとき
- 保険金を受け取るとき
代表的な例として以上のことがあります。
このような、本人であるかどうかの確認が必要な際には、「実印」と「印鑑証明書」を用います。
個人で用いる印鑑の中でも非常に大切なのが「実印」だということがお分かりいただけるかもしれません。
まずは実印を作成しましょう
従来はハンコ屋さんに頼むのが主流だったのですが、近年はネット通販でハンコを購入する人がとても増えています。
どの業者さんに頼むのが良いかは人それぞれで異なりますので、各業者さんごとにどんな特徴があるのか見て回るのが良いでしょう。
そして、依頼する会社を決めたら、実印の素材と書体を決める必要があります。
素材
実印は一生使うものですので、なるべく劣化しにくいものを選んでおくことがオススメです。
例えば、チタンであれば見た目を重視しつつも耐久性に優れており、近年その実用性の高さから注目が集まっている素材になります。
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チタン印鑑は硬すぎるので、手彫り仕上げが出来ません。
そのため偽造されにくい印鑑とするには「手書き文字」が必須です。
書体
基本的には、自身が気に入る書体であれば構わないのですが、一般的なところでいうと、印相体、篆書体、古印体、隷書体などが主流となって選ばれている書体です。
書体が複雑なため、偽造印鑑を作りにくいという点で、実印には印相体を選んでおくことが最も無難と言えるかもしれません。
女性におすすめの実印のサイズについて
女性におすすめの実印のサイズとはどのくらいなのでしょうか。
サイズについてはよく知らないという方もたくさんいらっしゃるでしょう。
ここからは、女性におすすめの実印のサイズについて詳しくご紹介します。
印影
印影とは、ハンコを押した際の朱肉の跡のことを言います。
大きさの規定
市区町村によって差がありますが、印影の大きさは「8ミリメートルの正方形におさまらず、25ミリメートルの正方形からはみ出さないもの」としていることが多いでしょう。
形の規定
印影の形にも規定があります。
押した際に円形となるハンコが一般的です。
あまりにも適切でない形状のものは認められません。
しかし、楕円形や角形でも登録が可能です。
輪郭(りんかく)が欠けていたり、輪郭のないハンコの場合は認められません。
なぜなら、欠けているものは正確な印影を残せないからです。
加えて、輪郭が存在しないものは力のバランスが悪く、綺麗に押せなかったり、偽造される危険性が高くなるからです。
女性におすすめの実印のサイズ
女性に特におすすめの実印のサイズは15ミリメートルで、おすすめの実印のサイズは18ミリメートル、16.5ミリメートル、13.5ミリメートルです。
手の大きい方はこの中でも大きいサイズを、手の小さい方はこの中でも小さいサイズを選ぶようにしましょう。
刻印する内容
実印は「フルネーム」「苗字のみ」「名前のみ」のいずれでもOKとしている市区町村が多く、その場合どれにするかはご自身の好みで良いです。
好みの問題になると迷ってしまう方も多いでしょう。
ここでは、実際の注文内容をもとに、刻印する内容についてご紹介します。
迷っている方は、ぜひ参考にしてくださいね。
女性が実印に刻印する内容
フルネームで実印を作る方が女性には多いです。
フルネームの次に、名前のみで実印を作る方も多くいらっしゃいます。
男性と比較して、「名前のみ」で作る割合が高い理由として、結婚・離婚により苗字が変わる可能性があることが挙げられます。
ハンコを作り直すのも手間なので、届出の必要な実印や銀行印は「名前」で作っておくという考えの方が多いみたいです。
ただし、名前だけの印鑑は、フルネームに比べてセキュリティ面では劣ってしまいます。
「偽造の危険性を減らし、慎重に作りたい」という場合は、フルネームで作ると良いでしょう。
また、文字を多く入れた方が、複雑な実印が作れます。
重要な契約書に押す印鑑としてふさわしいものであり、どっしりとした印象も与えられますし、気持ちも引き締まるでしょう。
印影が複雑であれば、偽造などのリスクも減らせます。
最大8文字程度は漢字で入れられるため、よっぽど長い名前でない限りはフルネームで作ることをおすすめします。
以上が印鑑のサイズについてでした。
実印作成の基礎:素材からサイズまで
実印作成の際には、素材やサイズ、書体といった要素が重要な役割を果たします。
これらの要素には多くの選択肢があり、それぞれに特性や魅力が存在します。
以下では、これらの基本要素に焦点を当て、その選択肢と特性、おすすめのポイントを解説します。
1.手彫り印鑑の特徴
素材選びは実印の個性を形作る重要なステップです。
黒水牛やオランダ水牛は、その耐久性と落ち着いた風格で多くの人々に愛されています。
男性にはチタンや象牙が人気で、特に象牙はそのステータス感から「印鑑の王様」とも称されます。
女性には琥珀や水晶が好まれ、特に水晶のローズクォーツはその美しさとパワーストーンとしての効果で注目を集めています。
2.サイズとその選び方
実印のサイズは、市区町村によって異なる規定がありますが、一般的には8mm〜25mmが許されています。
男性には16.5mm〜18.0mm、女性には15.0mm〜16.5mmがおすすめです。
サイズ選びにおいては、手の大きさや印面に彫りたい文字数も考慮するべき要素です。
女性のような手の小さい方は実印も小さめの方が押しやすい印鑑になります。
3.書体とその影響
書体は実印の印象を大きく左右します。
篆書体はその歴史と明瞭な印影で広く用いられていますが、印相体はその複雑な構造からセキュリティ面で優れています。
男性には印相体や古印体、女性には篆書体や細篆書体がおすすめです。
4.彫り方の選択
彫り方には手彫り、機械彫り、手仕上げの3種類があります。
手彫りや手仕上げはその独自性から偽造のリスクが低く、特に手彫りはその高い値段と時間をかけてでも求められる価値があります。
以上の要素を総合的に考慮することで、自分だけの実印を作成する道が開かれます。
各要素にはその独自の魅力と特性があり、それを理解することが、実印作成の成功へと繋がる第一歩です。
実印ができたら印鑑登録をしましょう
実印が完成したら、次に印鑑登録をすませておく必要があります。
実印はただハンコを作っただけでは、法的な効力を全く持たないので、印鑑登録はしっかり行うようにしてくださいね。
下記のようなものは印鑑登録ができないので、実印を作る際には注意してください。
印鑑登録できないもの
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量産品
(他の方がすでに登録されている可能性があるため) -
スタンプ形式
(シャチハタのようなもの) - 直径が8mm~25mmの範囲にないもの。
ここからは実際に登録する際の手順についてご紹介していきます。
準備するもの
- 実印として登録する印鑑
- 本人確認書類(官公署発行の顔写真付身分証明書:パスポートや免許書など)
- 登録費用(およそ100円〜300円程度)
以上のものが印鑑登録には必要になります。
これらを用意して、市区町村役場窓口の備え付けの申請書に必要事項を記入し提出することで印鑑登録は完了します。
ですが、本人が登録に向かうか、代理の人が登録に行くかで登録にかかってくる日数に違いが出てきます。
また、本人確認書類の種類によっても登録にかかる日数が変化してきます。(主に健康保険証などの本人確認書類である場合は、即日登録は厳しくなってきます)
即日印鑑登録を済ませたい場合であれば、本人確認書類は運転免許証やパスポート、そして代理人ではなく本人が登録に向かうようにすれば、早く登録を済ませることができるでしょう。
実印作成の注意点とポイント
実印作成の過程は、一見単純なようでいて、多くの細かい規定と注意点が絡み合っています。
これらは単なる形式ではなく、実印が持つ「公的な信用性」を高めるための重要な要素です。
以下では、具体的にどのような点に注意を払い、どのように行動すればよいのかを紹介します。
1.印影の大きさとその重要性
印影、すなわちハンコを押した際の朱肉の跡は、一定の大きさを持つ必要があります。
市区町村によっては「8mmの正方形に収まらず、25mmの正方形からはみ出さないもの」という規定が多いです。
この規定の意図は、小さすぎると、印影が不鮮明になり易く、大きすぎると書類に収まりきらない可能性があるからです。
適切な大きさの印影は、公的文書における信頼性と機能性を両立させる鍵となります。
2.印影の形状とセキュリティ
円形のハンコが一般的ですが、角形や楕円形も許容されています。
しかし、輪郭が欠けているものや輪郭がないものは、偽造のリスクが高く、また押しにくいというデメリットもあります。
形状によっては、指に力がうまく入らず、正確な印影を残せない可能性もあります。
形状の選定は、単なる美学だけでなく、セキュリティ面でも非常に重要です。
3.刻印内容とその規定
ハンコに刻む文字には、戸籍上の名前が必要です。
フルネーム、苗字のみ、名前のみ、あるいは頭文字を組み合わせたものなどが一般的です。
氏名以外の文字、例えば旧姓や肩書き、イラストなどは、登録できないケースが多いです。
刻印内容は、個人を特定する最も重要な要素であり、その規定を守ることで、公的な信用性が確保されます。
4.素材
1個しか登録できない実印、家族がすでに登録している印鑑の使用、ゴム印や変形しやすい材質の使用は避けましょう。
また、100円均一で販売されている大量生産されたハンコも、その印影が多数存在する可能性があるため、避けるべきです。
これらの規定は、偽造や誤用を防ぐため、また、個々の印鑑が持つ独自性と信用性を高めるためのものです。
実印作成においては、これらの多くの「細かい」規定と注意点が、実は非常に「大きな」意味を持っています。
まとめ
今回は実印を作る際に必要になるものや、印鑑登録の際の手順、実印作成の注意点などについてご説明していきました。
実印のハンコ自体を作るのには、特に必要なものはないのですが、作ったハンコを法的効力のあるものにするための印鑑登録で本人確認書類などが必要になってくるんですね。
この辺りに注意を払って、実印を作成する準備を整えていただければ、スムーズに実印の作成ができるかと思います。