2019.5.10カテゴリー:印鑑について 印鑑登録について
「実印はいつ作ればよいのだろう」
「作るにはどんなことに注意すればいいの?」
このようなギモンをお持ちではないでしょうか。
実は実印が持つ重要性は非常に大きく、大きな義務や権利の発生する文書を契約する際に使われるハンコです。
そのため、実印を作るタイミングを知っておくことや、作成時の注意点を知っておくことはとても大切です。
今回は、実印を作成するタイミングと、実印を作る際の注意点をご紹介します。
□実印について
まず初めに、実印についてご紹介します。
*そもそも実印とは
実印とは、役所で印鑑登録がされている印鑑のことで、法律上・社会上の権利・義務を発生させる大きな力を持った印鑑のことです。
そのため、数ある印鑑の中で最も重要なものとなっています。
実印は1人あたり1本しか持たず、一生を通して使われるといっても過言ではありません。
また、印鑑登録がされていないと、実印として使うことはできません。
*どんなときに使われる?
実印が使われる場面は、以下の物が挙げられます。
・不動産取引
・遺産相続
・銀行融資を受けるとき
・保険の加入
・金銭やその他の貸借証書を作るとき
・その他の公正証書を作るとき
人生のターニングポイントとも呼べるほど重要な場面で使われていることが分かります。
□実印を作成するタイミング
実印は社会に出てから使うことが多いです。
そのため、社会に出る前にあらかじめ余裕をもって作っておくのがおすすめです。
一番多いミスが実印が急に必要になったタイミングで慌てて作ってしまうケースです。
自分が満足のいく印鑑を選べず、雑に選んでしまい偽造などの危険にさらされることがあります。
例えば三文判で登録して後から時間をかけて印鑑で登録変更しようとする方もいらっしゃいますが、しっかり変更手続きを行っていないと有効とは言えません。
また多くの場合無事印鑑登録ができたので、そのあとの変更手続きをせずに三文判のまま使用します。
ちなみに三文判はどれも同じ印影なので偽造の危険性が高いです。
また耐久性も低いため使わないことをおすすめします。
このようにあわてて実印を作成するとこのようなリスクがあるので前もったタイミングで作成するようにしましょう。
*卒業したタイミング
高校または大学を卒業したときが1つのタイミングになります。
卒業後は親から独立し、社会へ出て行く方が多いです。
親から独立すると自分自身の収入を得られるのでその分実印を使うタイミングが多くなりますよね。
社会に出ると契約を交わすことが多くなるため、このタイミングで実印を作っておくと今後の心配がなくなります。
また、卒業後1人暮らしを始める際、不動産の契約を結ぶのに使うことができます。
*成人したとき
成人したときも、実印を作成するのに良いタイミングだと言えます。
大人の仲間入りをし、社会的な責任を負うことになるため、実印を持っておくと安心です。
成人記念に親御さんからお子さんにプレゼントするのもおすすめです。
*結婚するとき
結婚や婚約は実印を作るのにベストなタイミングと言えるでしょう。
特に女性の場合は苗字が変わるので、フルネームで作成するのに良い時期です。
未婚の場合将来苗字が変わることを想定して下の名前のみで作る場合が多いですが、結婚してからは偽造を防ぐためになるべく姓名合わせて作るのが良いです。
旦那様が実印を持っていない場合はおそろいのものを購入することで記念になるのでおすすめです。
*昇進や心機一転したいとき
昇進したり職が変わったりするタイミングで実印を作成するのはとても良いタイミングと言えます。
実印は自分の分身のような存在なので、運気を変えると言われています。
そのため転職や事業を始めるなどのタイミングで実印を作成することで、開運効果が期待できるのです。
その他にも引っ越しなど新しい生活が始まるタイミングで作成する方も多くいらっしゃいます。
ここまで実印を作成するのに良いタイミングについてご紹介してきました。
もちろんこれら4つのタイミングに限らずご自身のお好きな時に作っていただいても構いません。
□実印を作成・購入する場合のポイントについて
どのタイミングで実印を作成すれば良いのかについて紹介したところで、ここでは実際実印を購入する際にどのような手順を踏めば良いのかについて解説します。
まずは実印のサイズを決めます。
実印として登録できる印鑑の規定サイズは8ミリから25ミリなので、この範囲内のサイズの実印を購入しましょう。
実印のサイズは男女によって違い、男性の場合は15ミリから18ミリ、女性の場合は13.5ミリから15ミリと言われています。
ちなみに銀行印や認印との区別をつきやすくするためにそれらのハンコより大きいサイズで作成することが多いです。
次に書体を選びます。
なるべく可読性が低く偽造されにくい書体で作成されたものを購入することをおすすめします。
篆書体や太篆書体、印相体などがおすすめです。
次に素材を選びましょう。
印面が変形しないくらいの丈夫な素材で作成した印鑑を選ぶのがポイントです。
例えば黒水牛やチタンなどは耐久性が高いので、人気ですね。
次に名前の入れ方や彫刻方法を決めましょう。
印影の掘り方にはフルネーム、苗字のみ、名前のみの3つの方法があります。
ただ上記でも触れたように偽造を防ぐためにもフルネームでの刻印をおすすめします。
彫刻方法には手彫りと機械彫りの2種類があります。
機械彫りとは彫刻機で印面を作成することで、手彫りは字入れから全ての工程を職人が行う方法です。
また機械彫りした後に手仕上げする方法もあります。
最後は注文先を選んでいきましょう。
実印はネット通販サイトや店舗で購入可能です。
それぞれにメリット・デメリットがあるので、ご自身の要望に適した注文先を選ぶようにしてくださいね。
次の章からは実印を作成するにあたってどのようなことに気を付ければ良いのかについて詳しく解説していきます。
□実印作成時の注意点
実印を作る際は、気を付けるべき点がいくつかあります。
*規定に従う
印鑑登録をすれば実印として使用することができますが、どんな印鑑でも登録できるわけではありません。
以下のルールに従う必要があります。
・まだ印鑑登録がされていない
・印影が8mm~25mmに収まっている
・印影に欠けや摩耗がない
・印影が鮮明である
・住民票に登録された名前と同じ名前である
・外枠がある
・変形する恐れがない
また、市販されている三文判では実印として認められない場合が多いです。
三文判は大量生産されているため、同じハンコを赤の他人が簡単に入手できる恐れがあるからです。
*名前に注意
実印に入れる名前は、苗字、名前、フルネームの3つから選ぶことができます。
特に制限はありませんが、苗字のみや名前のみにしてしまうと、同じ苗字・名前を持つ人の印影と似てしまう可能性が出てきます。
そのため、セキュリティ上の観点からフルネームを選ぶことが好まれます。
*材質に注意
実印は大事な場面で使われるため、なるべく丈夫な材質を選びましょう。
柔らかいものだと変形したり、欠けたりして実印としての機能を失ってしまいます。
作り直すのも、実印を変更するのも手間なので、最初から丈夫な実印を作っておけば安心できます。
丈夫な材質としては、黒水牛、琥珀、チタンがおすすめです。
*書体に注意
実印は偽造されないように、難解な書体が選ばれる傾向があります、
中でも、篆書体(てんしょたい)と印相体(いんそうたい)がおすすめです。
篆書体は古代の中国で使われていた文字で、実印の書体としては一番の人気があると言われています。
印相体は特徴として文字が枠に接しており、枠が欠けづらくなるというメリットがあります。
他にも古印体と呼ばれる書体があります。
*作成にかかる時間に注意
実印作成には少し時間がかかり、業者に頼んだ場合は完成までは3~4日かかります。
完全手彫りでじっくり作る場合はさらにかかる可能性があります。
偽造が難しく、世界に1つしかない印鑑を作るためには、どうしても時間がかかってしまうのです。
そのため、実印を作成するタイミングには気を付けなければなりません。
実印が急遽必要で、時間がない場合は、機械彫りで即日完成する印鑑を使うほかありませんが、偽造や犯罪防止のためにも、なるべく手彫りの実印を用意しましょう。
また、印鑑登録の方は即日で完了することができます。
□まとめ
実印を作成するタイミングと、作成時の注意点をご紹介しました。
実印の作成は、卒業、成人、結婚がおすすめのタイミングです。
作成には時間がかかるため、あらかじめ余裕をもって業者に依頼しましょう。
また、実印を作成する際は、規定に従っているかどうか、書体の選び方、材質の選び方などに注意するようにしましょう。