2023.7.15カテゴリー:印鑑について
アルバイトの面接の際や就職活動、転職活動の採用選考時には、履歴書が必要です。
履歴書を提出するとき、印鑑は必要か、また印鑑を押すときのマナーについて悩む方も多いでしょう。
書類に書き漏らしがあったり、マナーに欠けていると判断されたりすると、マイナスな印象を与えてしまう可能性があります。
自分の履歴書に不備がないかを必ず確かめましょう。
今回は履歴書に印鑑は必要か、印鑑の選び方や押し方、間違えたときはどうすれば良いのかについて解説します。
□履歴書に印鑑は必要なの?
ほとんどの場合、履歴書に印鑑を押す必要はありません。
1997年に国民の行政手続きへの負担を軽減するため、押印の必要性が見直され、印鑑がなくても問題のない書類は記名のみでよくなりました。
履歴書のような事実確認が目的のものは、その対象に含まれています。
そのため履歴書には、印鑑を押す場所があるものとないものの両方があるのです。
どちらを使っても問題はありません。
ただし、次の2つの場合は、印鑑を押さなければなりません。
1つ目は、使用する履歴書に押印のためのスペースがある場合です。
履歴書は、必須項目のすべてを埋めていないと書類が不完全であると見なされる可能性があります。
押印欄がある履歴書を使用する場合は、印鑑を押さなければなりません。
2つ目は、履歴書の提出先の企業から印鑑を押すよう求められた場合です。
企業の応募要項に印鑑を押すことが記載されている場合や、企業の担当者から印鑑を押すよう頼まれた場合は、履歴書の押印欄がないものを選んでいても印鑑を押す必要があります。
□履歴書に押印する際の基本ルール
1:履歴書に押印欄がある場合
履歴書に押印欄がある場合は、必ず印鑑を押してください。
押印欄があるにもかかわらず、押印を忘れると、不備のある書類として見なされることがあり、書類選考でマイナス評価を受ける可能性があります。
履歴書は全ての欄を抜け漏れなく埋めることが鉄則です。
押印欄がある場合は、その欄にしっかりと印鑑を押しましょう。
2:企業から押印を求められた場合
企業から履歴書に押印するよう指示があった場合、押印欄がない履歴書であっても、押印が必要です。
この場合は、氏名欄の右横に印鑑を押します。
名前と印鑑が重ならないように、また欄外にはみ出さないように注意して押してください。
企業の指示に従うことが大切です。
3:押印が不要な場合
履歴書に押印欄がなく、企業からも押印を求められていない場合、押印は不要です。
「押印した方が印象が良いのでは」と思うかもしれませんが、そのような場合に押印の有無が選考に影響することはまずありません。
押印欄のない履歴書に印鑑を押しても問題ありませんが、欄がないのに押してしまった場合でも書き直す必要はありません。
大切なのは、必要な場合には必ず押印することです。
□履歴書に使う印鑑の選び方はある?
履歴書には、認印を使いましょう。
また、印鑑は大きく分けて実印、認印、銀行印の3種類に分けられます。
実印とは、市町村の役所に印鑑の申請登録をし、受理された印鑑のことです。
銀行印とは、銀行、信用金庫、信用組合などの金融機関で登録された印鑑のことです。
認印は、実印にも銀行印にも当てはまらない印鑑のことをいいます。
実印や銀行印を履歴書に使うことはマナー違反になりませんが、個人情報や財産に関する大切な印鑑です。
むやみに多くの場所で使ってしまうと、個人のプライバシーに関わる情報が流出する危険性があります。
そのため、実印や銀行印は必要な場合のときのみの使用とし、履歴書での使用は避けましょう。
インクが内蔵されたスタンプ型の浸透印も認印の一種ですが、履歴書には適していません。
なぜなら、時間が経つと色あせてしまうケースや、書類がぬれてしまうとにじんでしまうケースがあるからです。
履歴書に押す印鑑は、朱肉を使用する認印を使いましょう。
また履歴書に押す印鑑は、文字がきちんと認識でき、大きすぎない直径約1.5センチメートルの印鑑がおすすめです。
大きすぎると、威圧的な印象を与えてしまう可能性があります。
逆に小さすぎると文字の判別が難しくなり、適していません。
□「シャチハタ」の使用は避けるべき
1:履歴書には「認印」を使用しよう
履歴書には地方自治体に登録された「実印」や、金融機関に登録された「銀行印」として使用していない「認印」を使うことが望ましいです。
「認印」とは、特定の機関に登録されていない、承認の意思を示すための印鑑です。
このため、個人情報の流出や印影の悪用などのリスクを避けることができます。
2:「シャチハタ」の使用はNG
「シャチハタ」はスタンプ式のハンコであり、履歴書などの重要書類には適していません。
その理由の一つは、「シャチハタ」のインクが長時間経過すると色が薄れやすいという特徴があるためです。
これにより、長期間保管される書類には不向きです。
また、社会人の常識として、重要書類に「シャチハタ」を使うことは避けるべきとされています。
3:朱肉を使用した印鑑を選ぶ
履歴書に使用する印鑑は、朱肉を用いたものを選びましょう。
「シャチハタ」と朱肉を使用する印鑑は、多くの書類を目にしてきた採用担当者には見分けられてしまう可能性が高いです。
「シャチハタ」を使うことで、常識や重要書類への意識が欠如しているとみなされ、企業にマイナスの印象を与えることになります。
したがって、履歴書には必ず朱肉を用いた印鑑を押すようにしましょう。
□履歴書で避けるべき印鑑
1:安価な印鑑を避ける理由
履歴書に使用する印鑑として、100円ショップなどで販売されている安価な印鑑を使うのは避けましょう。
これらの印鑑は芯が細く短いため、押した際の印影が薄く、見栄えが良くありません。
また、外側の枠がかけやすく、長期的に使用するには不向きです。
就職活動においては、見た目がしっかりしている印鑑を使用することが、企業に対する印象を良くするポイントとなります。
2:適切な印鑑の価格帯
印鑑は、1,000~5,000円程度の価格帯のものを選ぶと良いでしょう。
高価である必要はありませんが、適度な価格の印鑑は押した際の印影がくっきりとしており、見た目もしっかりしています。
これにより、履歴書を受け取った企業側にも好印象を与えることができます。
3:長期的な使用を見据えた選び方
就職後は印鑑を使用する機会が増えるため、少々の出費を惜しまずに、良質な印鑑を購入しておくことをお勧めします。
履歴書に限らず、様々な書類に印鑑を押すことになりますので、長く使える信頼性の高い印鑑を選びましょう。
これにより、就職後の業務にもスムーズに対応できるようになります。
□履歴書に押印する際の正しい押し方とは?ポイントを解説!
履歴書では、書かれている内容だけでなく、書類の丁寧さも重要です。
そのためにも印鑑をきれいに押すコツを知り、役立てましょう。
印鑑をきれいに押すためには、以下の手順を踏みましょう。
*印鑑を押すときに必要なものを準備
捺印(なついん)マットと印鑑と朱肉を用意します。
捺印マットとは、印鑑マット、押印マットとも呼ばれます。
捺印マットは弾力性があるため、書類の下に敷くことで、印影がずれてしまったりやぼやけたりするのを防止でき、きれいに印鑑を押せます。
なお、捺印マットは、分厚い本や辞書のような弾力性がある平らなものであれば代用が可能です。
印鑑に汚れがないか、欠けているところがないかを確かめます。
汚れがついていた場合は、ティッシュで拭ったり、爪楊枝のような先の細いもので掃除をしたりしましょう。
朱肉は、最後に使ってから時間がたっているものだと、乾燥している場合があります。
ティッシュで押さえてみて、朱肉が付くか確かめましょう。
*印鑑に朱肉を付ける段階
朱肉の付ける量が少なすぎるとかすれてしまい、反対に付けすぎてしまうとにじんでしまいます。
印鑑に朱肉を付けるときは、2、3回程度印鑑を朱肉に優しくたたくように付けると全体に均等にインクが付けられます。
このとき、印鑑を朱肉に強い力で押さないことが大切です。
*履歴書に印鑑を押す段階
平らな机の上で、捺印マットを敷き、書類に対して印鑑を垂直にして履歴書に押します。
一番気をつけるべきポイントは、印鑑の上下の向きが合っているかです。
押印する前に必ず確かめてください。
垂直に押した後は、「の」の字を書くように印鑑の周りを一周回しながら押すとインクがはっきり付きます。
*履歴書に印鑑を押した後
押した後は、すぐに触らずインクが乾くのを待ちます。
履歴書に印鑑を押した後、乾かさずに折りたたんだり封筒に入れたりすると、きれいに押された押印がかすれてしまいます。
乾くまでの間、なるべく触らないようにしましょう。
これらの4つのポイントを意識して、履歴書に印鑑を押しましょう。
□押印が必要なのに押印欄がない場合はどうしたらいいの?
応募先の企業から押印を求められたものの、印鑑を押す欄のない履歴書を選んでしまっているときは、新しく押印欄がある履歴書を買い直さなくても大丈夫です。
氏名の右側に押印しましょう。
その時、自分の名前と印鑑の押す位置が被らないように注意してください。
□万が一印鑑を押し忘れたり押し間違えたりした場合は?
うっかり、履歴書に印鑑を押すのを忘れたまま提出してしまったときは、すぐに採用担当者に謝罪の連絡をしてください。
その後は、採用担当者の指示に従ってください。
また押印した後、やり直した方が良い5つの印影の特徴があります。
1つ目は、にじみがあることです。
これは、印鑑に朱肉を付けすぎていることが原因の1つとして挙げられます。
2つ目は、かすれがあることです。
朱肉が乾燥していたこと、印鑑が朱肉にあまり付いていなかったこと、捺印マットを使用せずに印鑑を押したことが原因として考えられます。
3つ目は、印影の上下が反対になっていることです。
押すときに上下の向きが合っているかを確かめましょう。
4つ目は、印影の一部が欠けていることです。
印鑑に朱肉がまんべんなく付いていないこと、垂直に押せていないこと、印鑑自体が欠けていたことが原因として考えられます。
印影に欠けているところがあると、文字の判断ができません。
5つ目は、二重になっていることです。
印鑑を押すときに垂直に押せていなかったり、押し方がうまくいかなかったりすると二重になってしまいます。
この5つの特徴に当てはまる場合は、初めから履歴書を書き直す方が良いと言えます。
少し斜めになってしまった程度であれば、必ずしも書き直す必要はありませんが、提出の際にそのことを言っておくと担当者に好印象に受け取ってもらえるでしょう。
履歴書を書く前に押印して、きれいに押せたものを利用するのも一つの手です。
□まとめ
今回は、履歴書に印鑑が必要なときと必要でないときはどのようなときか、印鑑の選び方、印鑑をきれいに押すポイント、そしてやり直した方が良い押印はどのようなものかをお伝えしました。
履歴書に印鑑を押す前には、別の紙で押印の練習をすることをおすすめします。
履歴書は、あなたの印象を左右する大切な書類の一つです。
履歴書に不備があると、あなたの信用に関わるだけでなく、採用担当者の手間を増やしてしまいます。
履歴書を提出する前には、記入漏れや間違いがないか、印鑑のマナーは大丈夫かどうかを確かめることを心がけてください。