2022.2.15カテゴリー:印鑑について
印鑑は私たちの日常生活やビジネスシーンにおいて、非常に重要な役割を果たしており、特に実印、銀行印、認印は、それぞれ異なる用途があります。
「銀行印と実印と認印の違いが分からない」
「それぞれの使用する場面を知りたい」
このようにお考えの方が多くいらっしゃいます。
実印と銀行印と認印の違いやそれぞれの特徴や使用する場面を把握することで、上手く使い分けられます。
そこで今回は、銀行印と実印と認印の特徴や使用する場面について解説します。
また、実印と銀行印と認印の大きさの違いについてや実印をつくるときに気を付けること、印鑑を兼用するリスクについても解説するので、ぜひ参考にしてください。
□銀行印と実印と認印の特徴について
*銀行印
銀行印は銀行で使用される印鑑を指します。
購入した印鑑を銀行印として使用するためには、銀行で登録する必要があります。
銀行で登録していない場合には、銀行印として使用できないため注意しましょう。
銀行窓口で取引をする際には銀行印が必要となる場合が多いです。
また、姓・名・フルネームのいずれで作成しても問題ありません。
*実印
実印は、各市町村区の役所に印鑑登録された印鑑を指します。
実印は、重要な契約を締結する際に使用されます。
そこで、実印として販売されている印鑑を購入するだけでは実印として使用できません。
重要な契約を締結する際には、実印と印鑑証明書の提出が求められます。
印鑑証明書は、役所で印鑑登録を行うことですぐに発行できます。
そのため、実印が必要となる場合には、事前に印鑑登録しているかどうかを確認しておきましょう。
実印は1人につき1本と定められているため、姓が同じ夫婦であっても2人で兼用できません。
加えて、姓と名のどちらか一方で作成しても問題はありませんが、偽造を防ぐためにフルネームで作成する方が多いです。
各市町村区によって、実印の規定があるため事前に確認しておくことをおすすめします。
*認印
認印は、承認や確認の意味を持っており、日常生活で使う場面が多い印鑑です。
実印とは異なり、印鑑登録を行う必要はないため、購入した印鑑をそのまま使用できます。
また、大きさや絵柄に関する規定がないため、ご自身の好みで選べるでしょう。
加えて、1人1本と定められている実印とは異なり、認印は1人で複数所有しても問題ありません。
□銀行印と実印と認印の使う場面について
銀行印は、金融機関において口座を開設する際に届け出る際に必要となります。
取引銀行の窓口で預金を引き出す際にも、届け出た銀行印を使用します。
また、日常のお支払いを口座引き落としや口座振替として契約する際には、引落し口座の銀行印の押印を求められます。
銀行印を使用する場面として、以下のケースが挙げられます、
・金融機関で口座を開設する
・保険に加入する
・口座振替や口座引き落としで支払いを申し込む
上記のケースで銀行印を使用するため、事前に把握しておくことをおすすめします。
実印は、重要な場面で使用されます。
押印する際には、印鑑証明書も同時必要です。
実印を使用する場面として、以下のケースが挙げられます。
・土地や建物の売買といった不動産に関する取引
・新しい車の購入
・電話加入権の取引
・ローン契約の締結
・遺産相続
・契約書や遺言状といった公正証書の作成
このように、実印はご自身の財産や権利を守る際に必要となります。
そのため、押印する際には、契約書や書類の内容を読み込みしっかり把握したうえで行いましょう。
内容が不明であったり、白紙の書類であったりする場合、安易に押してしまうと非常に危険です。
認印は、日常生活の中で使用する機会が多いです。
日常的に使用するものの、認印を押すことでその内容に同意したことを示す意思表示となります。
したがって、認印であっても契約内容をしっかり把握しておく必要があります。
また、回覧板や宅配便の荷受けで使用する場合、他の方の目に触れる機会が非常に高いです。
そのため、使用する場面ごとにシャチハタの印鑑と使い分けておくと安全でしょう。
認印を使用する場面として、以下のケースが挙げられます。
・申込書や契約書に押印する
・履歴書に押印する
・婚姻届を出す
・転入や転出届、転居届や出生届といった役所への届出
上記のケースでは認印で押印することをおすすめします。
□銀行印と実印と認印のおすすめの素材について
銀行印は実印と異なり、1人で複数本所持する場合もあります。
そのため、銀行印は口座ごとに素材や色合いに違いを出すことで、区別しやすくなるためおすすめです。
銀行印のおすすめ素材として、2つ挙げられます。
1つ目は、彩華です。
彩華は特殊加工を施されており、耐久性の高い木材素材の印鑑です。
耐久性の高い素材であるため、ひび割れやゆがみに強い銀行印を作成できます。
ブラウンとベージュ、ブラックの3色取り扱っているため、ご自身のお好みで選んで頂けます。
2つ目は、チタンです。
チタンは、耐久性が高いため銀行印にもおすすめです。
仮に、銀行印と実印の両方をチタンで作る場合には、見分けをつけるために書体やサイズで違いをつけておくことで、間違えて使用することを防げます。
実印は、重要な場面で使用されるため、捺印性と耐久性に優れた素材で作成することをおすすめします。
実印におすすめの素材として、3つ挙げられます。
1つ目は、チタンです。
チタンは金属製の印鑑であるため、熱や水にも強い耐久性を持っていることに加えて、捺印性も兼ね備えています。
人にも自然にも優しく、お手入れも簡単であるため人気の高い素材です。
2つ目は、オランダ水牛です。
牛角素材のオランダ水牛の実印は、捺印性が高いだけでなく、見た目も美しいです。
強度も優れており、部位によってランクが分かれていることから、幅広い年齢層から実印素材として人気があります。
3つ目は、薩摩本柘です。
薩摩本柘は印鑑の素材として最も親しまれている素材です。
最もお求めやすい価格の素材であり、彫刻にも適しております。
当社では、国内産の最高級薩摩本柘のみを使用しております。
認印は日常的に使用するため、素材の模様や色合いをご自身のお好みで選ぶのもおすすめです。
認印におすすめの素材として、2つ挙げられます。
1つ目は、彩華です。
彩華は認印としても適しています。
認印として長年使用してもひび割れやヒズミ、曲がりに強いため、非常に耐久性が高いです。
2つ目は、薩摩本柘です。
薩摩本柘は、木材印鑑の定番です。
印材としては高い費用をかけずに本格的な印鑑を作成できます。
□銀行印と実印と認印のおすすめの書体について
1つ目は、印相体についてです。
印相体は、文字と枠が接する部分が多く、欠けにくいため人気の書体です。
可読性が低いため、セキュリティの高さが問われる実印や銀行印におすすめの書体です。
2つ目は、篆書体(てんしょたい)についてです。
篆書体は、日本銀行発行のお札に捺されている印鑑の書体です。
歴史ある文字であり、現代文字とは形状が異なる場合もあります。
そのため、可読性が低く偽造しにくい書体であるため、実印におすすめの書体です。
3つ目は、古印体(こいんたい)についてです。
古印体は、日本漢字をもとに進化した印章用の書体です。
可読性が非常に高く馴染みがあるため、認印におすすめの書体です。
4つ目は、隷書体(れいしょたい)についてです。
隷書体も身近な書体であり、お札の日本銀行券や壱万円もこの書体で書かれています。
可読性が高いため、読みやすさが求められる認印におすすめの書体です。
□ 実印と銀行印と実印の大きさの違いについて
実印と銀行印と認印はすべて違うサイズで作るのがおすすめです。
実印と銀行印と認印の違いを大きさで示すことで、それぞれの違いが明確になるため、取り違えが防げます。
具体的には、実印、銀行印、認印の順に大きさを選びましょう。
実印は16.5ミリメートルや18.0ミリメートル、21.0ミリメートルなどの大きいサイズが一般的です。
一方、銀行印は実印よりも小さく、認印よりも大きく作るのがポイントです。
また、夫婦の場合は印鑑に刻印される名字が同じであるため、区別するために女性は小さめのサイズの銀行印を作ることもあります。
実印と銀行印と認印を3本セットで作るときは、印鑑の大きさに注意しましょう。
□ 実印を作るときに気を付けること
実印を役所で登録するときには、3つの規定が存在します。
*印影の大きさの規定
25.0ミリメートルの正方形より小さく、8.0ミリメートルの正方形より大きい陰影にする規定があります。
印影とは、印鑑の朱肉の跡のことをいいます。
実印として使用できるかわからないときは、8.0ミリメートルの正方形と25.0ミリメートルの正方形を書いてみて印鑑を押してみましょう。
*印影の形の規定
印影が円形になるのが一般的ですが、楕円形(だえんけい)や角形でも登録が可能です。
ただし、輪郭が欠けている印鑑や輪郭がない印鑑は実印として使えません。
輪郭がない印鑑は、ハンコを押すときに力のバランスが取りにくいため、きれいに押せなかったり、偽造されるリスクが高かったりするからです。
*刻印内容の規定
印鑑の文字にも規定があります。
印鑑には、戸籍上の名前を刻印しましょう。
名字でも名前でもどちらでも大丈夫です。
また、名字と名前の頭文字を1つずつ取って組み合わせたものも実印として使用できます。
実印として使用できないのは、氏名以外のものです。
結婚して名字が変わった方は、旧姓が刻印されている印鑑は使えません。
また、職業名が刻印されている印鑑も使用不可です。
そのほかにも、星マークやハートマークなどのイラストが入っているものや逆彫りされている印鑑は使えません。
これらの規定は、市町村によって異なる場合があります。
お持ちの印鑑が実印として使用できるかわからないときは、お住まいの役所の実印の規定を確かめましょう。
□ 実印と銀行印を兼用するリスクについて
実印と銀行印を兼用すると、紛失したときに手間がかかります。
兼用した印鑑をなくしてしまうと、実印と銀行印の変更手続きを同時にしなければなりません。
また、印鑑の兼用によって、偽造されて悪用される可能性が高まります。
これは、同じ印影が多くの場所で使用されることにより、偽造や悪用が容易になるためです。
具体的には、1つの印鑑が多くの場所で使用されることで、その印鑑の印影や特徴を覚える人が増え、それを悪用する人も増える可能性があります。
また、1つの印鑑を多くの場所で使用することで、その印鑑の所在が不明確になり、紛失や盗難のリスクも高まると考えられます。
このようなリスクを避けるためにも実印と銀行印の兼用は避けるのが賢明であり、印鑑専門店で印鑑を作ってもらうのがおすすめです。
□まとめ
今回は、銀行印と実印と認印の特徴や使用する場面、そして実印と銀行印と実印の大きさの違いや実印の規定、印鑑の兼用のリスクについて解説しました。
印鑑は、私たちの生活やビジネスにおいて、非常に重要な役割を果たしています。
実印と銀行印と認印の違いや正しい使い方を理解し適切に使用することで、トラブルを防げます。
今回の記事を参考に、それぞれの印鑑を使い分けて頂ければ幸いです。
印鑑の購入をお考えの方は、当社までお気軽にご連絡ください。