2024.1.4カテゴリー:印鑑について 印鑑の種類について
経理担当者や個人事業主、小売業者などの方にとって、領収書の発行や印鑑の適切な使用というものは非常に重要でしょう。
2020年以降、政府の見解により、領収書に印鑑を押すことは必須ではなくなりました。
しかし、経理の裏付け、社内規定、税法上の要件など、実際の業務においては、印鑑の役割が依然として重要です。
そこで今回は、現代における領収書作成のルールや慣習、印鑑の必要性や種類、適切な押印方法について説明し、実務上の疑問や不安を解消します。
□領収書における印鑑の現代的役割
領収書における印鑑の必要性は、どの程度のものでしょうか。
政府は2020年6月に「領収書に印鑑は不要」との見解を示しましたが、実務では異なる場合があります。
1:経理上の対応
経理では、領収書の押印は必須ではありませんが、経費としての確認や帳簿記載の裏付けのために使用されることがあります。
そのため、領収書の意義は、金銭のやり取りが明確になっているかどうかにあります。
押印がなくても問題はないのですが、社内規定で押印を求める場合もあるため、確認が必要です。
2:税法上の扱い
税法上も、領収書に印鑑が押されているかどうかは重要ではありません。
重要なのは、「経費として認められる情報」と「仕入税額控除が認められる情報」が記載されているかどうかです。
つまり、税法上の要件を満たしていれば、印鑑の有無は問題ではないのです。
領収書の作成においては、印鑑の有無よりも、必要な情報が適切に記載されているかが重要となります。
ただし、実務上では、社内規定や取引先との関係によって、印鑑の使用が必要とされる場合もあるでしょう。
以上のように、領収書における印鑑の役割は現代でも依然として重要であり、各組織や状況に応じて適切な対応が求められるのです。
□領収書に押印をするべき理由をご紹介!
領収書に押印をする必要は法的にはないと解説しましたが、実務上は押印が必要な理由があります。
1:偽造防止のため
一般的に、領収書には会社の角印が押されます。
これは、領収書の偽造を防ぐための措置です。
領収書が偽造されると、会社の信用に関わる問題が生じるため、正式なものであることを証明するために押印されます。
2:商習慣として
商習慣として、領収書には印鑑が押されることが一般的です。
押印されていない領収書を見ると、不正やマナー違反と感じる人もいるため、取引先との信頼関係を維持するためにも、領収書には印鑑を押すことが推奨されます。
これらの点から、領収書に印鑑を押すことは、偽造防止や商習慣の観点から依然として重要であると言えます。
法的な必要性はないものの、実務上のニーズや取引先との関係性を考慮すると、押印は有効な手段となるのです。
□印鑑の種類と適切な押印方法
領収書に使用される印鑑の種類と押印方法には、特定の規則があります。
これを理解し適切に行うことは、正式な文書作成において重要です。
*印鑑の種類
一般に、領収書に使用されるのは角印です。
角印は会社の認印で、社名が入っています。
対して、丸印は会社の実印で、法務局に登録された重要な印鑑です。
法的には、丸印を領収書に使用しても問題はありませんが、偽造のリスクを考慮すると角印の使用が推奨されます。
*押印の位置
通常領収書では、印鑑は発行者の会社名や住所などの上にかぶせるように押されます。
押印位置は会社や組織によって異なり、自由に設定できます。
個人事業主の場合も、同様に発行者名や住所に少しかぶるように押印します。
これらの印鑑の種類と押印方法を適切に理解し実践することで、領収書はその正当性と信頼性を高め、偽造防止にも寄与します。
特に、法的な要件ではなくても、角印の使用は実務上の信頼性を高めるための重要な要素です。
□印鑑の押印箇所
領収書における印鑑の押印箇所は、その種類や使用目的に応じて異なります。
1:角印の押印箇所
角印は主に社名や住所の部分に重ねて押印されます。
領収書のフォーマットによって配置は異なることがあり、右上や右下など、視認性を考慮した場所に配置するのが一般的です。
2:住所印やゴム印の押箇所
住所印・ゴム印は、社名や住所、電話番号が記載されている箇所に押されます。
テンプレートにこれらの押印場所がある場合は、角印のみで問題ありません。
また、手書きの領収証の場合は、角印と住所印・ゴム印の押印があると便利になりますよ。
一方、個人商店では角印ではなく住所印・ゴム印のみを押印することがよくあります。
3:日付印の押印箇所
領収証には日付印を押すことがあり、レシートタイプの領収証にも日付印を使用できます。
これにより、印字された日時と日付印の日時が一致し、偽造を防止できるのです。
4:シャチハタ印鑑の押印箇所
シャチハタ印鑑は、領収書発行時に担当者が押印する場合や収入印紙の消印に使用されます。
小売業や飲食店業でパートやアルバイトが領収書を発行する場合、指定箇所があればその場所に押し、指定箇所がない場合は店名の右側に押します。
手書きの場合は「係印」や「取扱者印」に押し、指定箇所がない場合も店名の右側に押すことが一般的です。
使用する印鑑は、店長名のはんこや担当者自身のはんこのどちらでも問題ありません。
これらの印鑑の押印箇所と例外を適切に理解し、実践することで、領収書の正式性を保ちつつ、業務の効率化や特定のニーズに応えられます。
特に、角印の適切な配置は、文書の正式性を高める上で重要な要素となります。
□押印廃止で理解しておくべきポイントって?
押印廃止で起こることに理解を深めることは、経理担当者や個人事業主にとって重要です。
ここでは、4つのポイントを紹介します。
1:領収書とレシートの違い
レシートは領収書の代替として使用されることがありますが、領収書として必要な項目が全て記載されているわけではありません。
レシートには発行者の押印がなく、宛名や「領収書」という表記も欠けていることが多いのです。
2:電子印鑑の使用
押印廃止の流れの中で、電子印鑑の使用が増えています。
しかし、社内規定や官公庁の要件によって、その扱いは異なります。
電子印鑑の受理状況は、組織ごとに確認が必要です。
3:収入印紙の必要性
押印が廃止されても、一定金額以上の領収書には収入印紙の貼付が必要で、これには消印が求められます。
消印は印鑑または署名で行えますよ。
押印廃止の流れを理解し、領収書の認識を深めることは、実務上の混乱を避け、効率的な経理業務をもたらします。
領収書の取り扱いに関するこれらのポイントを押さえることで、正確かつスムーズな業務運営が可能になります。
□まとめ
この記事では、領収書における印鑑の現代的な役割から、押印の理由、種類と方法、押印箇所、さらには理解しておくべきポイントまでを説明しました。
法的には印鑑の必要性は減少しているものの、実務上の信頼性と効率を高めるためには、依然として重要な役割を担っています。
デジタル化の進展とともに、伝統的な印鑑の使用と電子認証のバランスを考慮することが、現代のビジネスにおける重要なポイントです。
この知識を活用することで、経理担当者、個人事業主、小売業者などは、業務の正確性と効率性を高められるでしょう。
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