2019.4.5カテゴリー:印鑑作成例
実印を作るタイミングは成人、卒業、結婚のようにさまざまです。
初めて作る方は、わからないことが多く不安になる方もいらっしゃるのではないでしょうか。
実印とはそもそもどんなときに使うのか、実印にはどの名前を彫れば良いのか、名前の向きはどうすれば良いのか、書体はどの書体がふさわしいのかなど、悩みのタネは尽きません。
そこで今回は、実印を作成する上で決めておくべき、必要なものについていくつかご紹介します。
□実印とは
まず実印作成で必要なものについてを解説する前に、実印とはなんなのかについて触れます。
実印とは個人を証明する印鑑の種類で、役所に印鑑登録をしたのち正式に効力を発揮します。
印鑑の中でも最も重要度の高い印鑑であると言われており、ローンの契約や保証人契約のような法的拘束力のある契約に捺印することも多いのが特徴です。
また一度作成した実印は長年にわたって使用することが予想されます。
そのため、作成する前にはしっかりとした事前の下調べが大切です。
□印材
印鑑作成において印材選びは大事なファーストステップです。
印材とははんこの材料のことでいろいろな種類があり、一つ一つの特性が異なります。
多くの選択肢の中から選ぶ必要があるため、どんな特徴を持ったものがあるのか知っておきましょう。
ここでは代表的なものをいくつか挙げていきます。
*象牙
印材の中でも最高級と言われているのがこの象牙です。
象牙の部分によってもランクが分かれ、比較的お手頃なものから高価なものまでありますが、全体的に質がきめ細かく丈夫であると言われています。
上記の通り実印は長年にわたって使い続けることが多く、一生ものとしての印鑑作成を考えている場合は象牙を使った印鑑もオススメです。
*白水牛
オランダ水牛とも呼ばれる白水牛を使った印鑑も非常に人気があります。
薄く模様が入るのが特徴で、オリジナリティを出しやすいとも言われています。
耐久性に優れているので乾燥しやすい場所を避けて保管すれば、長年にわたって使い続けることのできる印材です。
*黒水牛
アジアを中心に生産される黒水牛の印材はその上品な漆黒や高級印材の中でも比較的リーズナブルなことから人気があります。
特に乾燥しやすい印材ですのでこまめな手入れが必要ですが、ひび割れ等に気をつけておけば問題ありません。
*柘(つげ)
歴史の長い木製の印材で、使用する木材によっても値段が大幅に上下します。
木目が入りぬくもりを感じるデザインは愛着がわきやすいとも言われており、ニス加工のないものは使えば使うほど強度が増していきます。
国産の木材では薩摩本柘が有名で高級ブランドとされていますが、そのほかにも海外の柘など手に入りやすい価格のものまで種類が豊富です。
なるべく低価格で実印を作成したいという場合には柘を選んでみても良いのではないでしょうか。
□実印に彫る名前
印鑑は個人を証明するものですので、基本的に個人用の実印の場合本人の本名を用います。
印鑑に彫る名前には主に3パターンあり、フルネーム、名字、名前に分けることができます。
男女によってどのパターンで名前を彫るが異なり、男性の場合フルネームが推奨されることが多いようです。
女性は結婚などで名字が変わることがあるため、名前のみで彫ることも少なくありません。
他の人とかぶることを避けるため、名字のみで彫ることはあまり一般的ではありませんが、変わった名字で且つフルネームの場合に文字のバランスが悪くなるなどの場合には名字だけで彫ることも考えられます。
□書体
実印の作成では書体を決める必要があります。
書体には様々な種類があり、何を使うかは個人の自由ですが、安全面やデザイン性からいくつかよく使用されるものがありますのでご紹介します。
*篆書体(てんしょたい)
篆書体は古くから中国で伝わり、現代でも日本のお札やパスポートに使われる由緒正しい書体の一つです。
複製しにくくセキュリティ面で優れており、デザインにも定評があることから実印作成によく使われます。
*吉相体
吉相体は、印相体とも呼ばれ、篆書体とともに印鑑に多く使用される書体です。
篆書体をもとに印鑑に適した書体として近年発展した吉相体は、文字が八方向に広がる形が「縁起がよい」と言われ、風水などでも評価の高い書体です。
また文字と縁の接する部分が多く、かけにくいことから耐久性でも高いパフォーマンスを発揮します。
*隷書体(れいしょたい)
篆書体や吉相体よりも可読性が高く、かつマネされにくい書体として、実印だけでなく認印などにも使われることのある隷書は汎用性の高さが特徴的です。
中国で日常使いしやすいという理由から広まったという説もあり、隷書体は印鑑として安定感のある人気のある書体と言えます。
□まとめ
以上、今回は実印作成で必要なものについていくつかのジャンルに分けてご紹介しました。
場合によっては一生にわたって使い続ける可能性のある実印なので、この記事を参考にきちんとした下調べをして作成してみてはいかがでしょうか。