2020.6.5カテゴリー:印鑑の書体について
「印鑑の作成を検討しているが、どのような書体にすべきか悩んでいる…」
「そもそも、書体にはどのような種類があるのだろう…」
そのような思いをお持ちの方もいらっしゃるのではないでしょうか?
印鑑の作成をするときは、どのような書体にするべきか悩まされますよね。
そこで今回は、印鑑の作成を検討されている方へ、知っておきたい書体の選び方を解説します。
□そもそも、印鑑の書体の種類とは
印鑑の作成をする時には、「印材」や「サイズ」などを決める必要があります。
もちろん、印鑑の「書体」もその一つになります。
しかし、そもそも印鑑の書体には、どのようなものがあるのか分からない方もいらっしゃるのではないでしょうか?
実は、印鑑に使われる書体は、主に次のような4種類が挙げられるでしょう。
*篆書体(てんしょたい)
篆書体とは、現代文字とは形状が異なる部分があるので、偽造されにくい書体といえます。
また、このようなメリットから、私たちが普段使っている紙幣に押してある印鑑は篆書体が使われています。
実際に、財布から紙幣を取り出して印鑑を確認してみるとイメージしやすいですよ。
また、篆書体は、男女ともにおすすめの書体ですが、特に女性の方に人気の書体として「太枠篆書体」があります。
印影の枠は太いが、文字は細身であり軽やかな印象を与え、女性らしさを表現できることが人気の理由といえるでしょう。
*隷書体(れいしょたい)
隷書体とは、横長の端正なバランスと波打つ運筆が特徴の書体になります。
実は、紙幣に書かれてある「壱万円」や「日本銀行券」は、隷書体で書かれており、身近な書体といえるでしょう。
実際に確認してみると、現代文字のように読みやすい書体ですが、歴史の古い書体ということもあり、文字によっては形状が異なる場合もあります。
*吉相体(きっそうたい)
吉相体とは、人気の書体の一つで、文字と枠が接する部分が多いことにより、欠けにくいメリットがあります。
また、中心から外に向かって力強い流れのような文字が特徴で、篆書体よりも可読性が低いことで偽造されにくい書体です。
吉相体は、別名として「印相体」と呼ばれたり、八方に広がって見えることから「八方篆書」とも呼ばれたりします。
*古印体(こいんたい)
古印体とは、日本漢字をベースに進化した日本独自の書体です。
線の強弱や墨だまりにより、まるで筆で描いたような表現をしているのが特徴と言えるでしょう。
比較的読みやすい書体でありますが、風雅な味わいが感じられるということで人気の書体の一つになっています。
□印鑑の書体の選び方とは?
印鑑に使われる書体の種類が分かっていただけたところで、本題の選び方について解説します。
印鑑の書体には、種類があると言いましたが、印鑑にも種類があるのを知っていましたか?
ここでは、「実印」「銀行印」「認印」を例に挙げて、それぞれおすすめの書体をご紹介します。
*実印
実印を作成するときの選び方として「可読性」をポイントにしてみると良いでしょう。
実印は、個人印や法人印の中でも最も大切な印鑑であり、契約や取引でも大切な役割を果たすものになります。
よって、複製される可能性を考慮し、「篆書体」のような可読性の低い書体を選ぶことをおすすめします。
しかし、可読性の低さを重視して「吉相体」の書体を選んだが、アレンジが効きすぎて名前が判別できないということもあるでしょう。
そのようになると、印鑑登録ができなくなることもあるので注意が必要です。
*銀行印
銀行印は、実印と同様に大切な印鑑の一つです。
銀行印と通帳があれば、誰でも口座からお金を引き出すことができてしまいます。
よって、「可読性」をポイントにし、複製されにくい「篆書体」や「吉相体」の書体がおすすめといえるでしょう。
*認印
認印とは、名前の通り「誰が押したのか」を確認するための印鑑になります。
よって、可読性の高い「隷書体」や「古印体」がおすすめです。
もちろん、可読性の低い「篆書体」や「吉相体」でも問題はないのですが、あまり読みにくいとトラブルになってしまう可能性もあるので注意が必要でしょう。
「実印」「銀行印」「認印」を例に挙げてご紹介しましたが、まとめると「登録可能な書体を選ぶ」「可読性を考慮する」ということが印鑑の選び方では重要なポイントになるでしょう。
特に、実印や銀行印では、簡単に複製できる書体は避けるべきです。
とはいっても、印鑑登録ができないほど読みにくいものとなってしまっては、本末転倒ですよね。
名前の文字数が多かったり、使っている文字が複雑な場合は、注意してみてください。
□まとめ
印鑑を作成する時には、どのような書体にすべきか悩んでしまう方も多くいらっしゃるでしょう。
何も考えず、印鑑の書体を選んでしまうと、後々のトラブルにつながってしまう可能性もあります。
まずは、印鑑の書体には、どのような種類のものがあるのか知ったうえで、今回ご紹介したポイントを考慮して書体を選ぶようにしてくださいね。