2014.4.14カテゴリー:印鑑の書体について
最も実印で選ばれる書体は「印相体」です。 印鑑店によっては、吉相体という名称やそれ以外の名称で呼ぶこともありますが、 印相体は篆書体を曲げたり捻ったりして、発展・変形させた書体と言われておりますが、 そのルーツは不確実です。 しかし、何故、印相体が最も有名で実印等で選ばれるかというと、 お客様からの立場からすると、最も印鑑らしい文字という印象があるからではないでしょうか。 しかし、その大元には印鑑店がそもそも印相体を実印等で勧めているということがあると思います。 そして、更に掘り下げると、何故印鑑店が印相体を勧めるのかということですが、 当店「印鑑市場」では、印相体が最も第三者から一目で何と彫られてあるかわかりにくいから、防犯性に優れているため、というのが一番の理由です。 しかし、印相体は前述のとおり、篆書体から変化した書体とはいえ、変化のさせかたによっては、その篆書体の面影すらなく、現代文字からもかけ離れ、印鑑登録ができない場合もあります。
印相体の特徴について
印相体には上記で説明した通り、可読性が低く、防犯性が高いといった特徴がありますが、それ以外にも枠が欠けにくい、重厚な印影が押せる、縁起が良いといった特徴があります。
枠が欠けにくい
篆書体と印相体を比較すると、篆書体が1文字ずつ独立して、上下左右や文字間に空きがあるのに対して、印相体は篆書体の線を四方八方に伸ばし、空きがないデザインとなっています。
印相体は文字の線が四方八方に広がり、文字と印鑑の枠が接する部分が多いことから、枠が欠けるといったトラブルが起きにくく、耐久性があるといえます。
重要な書類に法的効力を持たせる実印は、きちんとしたものを作成すれば、一生使い続けられるため、耐久性があり、丈夫なものを選ぶことがポイントです。
また、一生使い続けられる丈夫な実印を作成するためには、書体選びだけでなく、素材選びも重要です。
重厚な印影が押せる
印相体は、太い文字の線が印鑑の枠内を埋め尽くすような形の書体であることから、重厚な印影が押せるため、力強い印象を与えられます。
縁起が良い
印相体が、縁起が良いといわれている所以は、文字の線が外へ外へと広がっているデザインにあります。
印相体は文字の線が印鑑の枠に向けて八方に広がっている書体であることから、末広がりで縁起が良いとされています。
また、吉へと繋がる吉相体(きっそうたい)や八方向へと広がる八方篆書体(はちほうてんしょたい)とも呼ばれており、開運効果がある印鑑書体として人気があります。
印鑑の開運効果とは?
印鑑の開運効果に科学的な根拠はありませんが、実印用に縁起が良い印鑑を購入すると開運に繋がり運勢が良くなる、といわれることがあります。
そもそも実印の開運効果とは何を意味するのかについて以下で紹介します。
・お金が儲かる
・仕事が上手くいき出世する
・家族が円満になる
開運効果がある印鑑書体を実印に使用すると、このような願いが叶うことで「開運効果があった」と言う方がいらっしゃいます。
しかし、上記でも述べたように印鑑の開運効果には科学的な根拠はないため、購入するだけで誰でもこのような願いが叶うという訳ではありません。
パワースポットに訪れたり、お守りを購入したりすることと同じように考えると良いでしょう。
運勢が良くなるといわれている印鑑を作成したり、押印したりすることで気持ちが前向きになりさらなる開運に繋げられる可能性があります。
このようなことから、実印を作成・購入する際は、運勢が良いといわれている書体や印材を選ぶ方が多くいらっしゃいます。
開運実印を作成したい方は、運勢が最も良いとされている印相体で作成することをおすすめします。
また、印材には天然素材の黒水牛の使用をおすすめします。
印鑑に使われる天然素材の開運効果は、「九星気学」でも注目されています。
九星気学とは、生年月日と干支、五行を組み合わせた占術のことで、星が示す方位から開運を願ったり、悪運を回避したりするために使われます。
本柘や象牙、黒水牛などの天然素材は実印の印鑑素材として昔から親しまれてきた歴史がある他、九星気学においても運勢が良いとされているためおすすめです。
まとめ
実印を作成する際は、可読性が低く偽造されにくい印相体を選ぶことをおすすめします。
印相体は他の書体とは違い、作成する職人の意匠を反映できるため、オリジナル性を出せる他、文字の線が枠に向けて八方に広がっていることから縁起が良い書体といわれています。
印相体にはこのような魅力がありますが、稀に役所の方が捺印した印影を読めなかったことが原因で、印鑑として利用できず、印鑑登録ができない場合があります。
印鑑市場では、判読されにくい防犯性の高い印相体でありつつ、 必ず印鑑登録が可能な文字品質で作成をしております。