2019.8.15カテゴリー:印鑑の書体について
「銀行印を作りたいけど、どうすればいいのかわからないよ!」
「書体って種類が多くてどれにすれば良いかわからないわ。」
このように、銀行印のことでお悩みの女性は多いのではないでしょうか。
印鑑の書体はいくつも種類があるので、どの書体が適切なのかわかりにくいですよね。
今回は、そんな銀行印を作りたいという女性に向けて、「女性におすすめの銀行印の書体」についてご紹介します。
□銀行印とは?
まずは銀行印がどういうものか、ご存知でしょうか?
シンプルにいうと、銀行などの金融機関に登録する印鑑のことです。
銀行印は、口座を開設するときや、窓口で現金を引き出すとき、などに使用されます。
現在ではATMがあるので預金を引き出すために使用されることは減りましたが、窓口での取引などには今でも銀行印が必要なケースが多いです。
また、銀行側は本人確認のための道具として、銀行印を重要視していますので、適切な銀行印を作り、保管することが大切です。
*実印や認印との相違点
実印と銀行印は、どちらも本人確認のために使われますが、それぞれ使用される場面が異なります。
実印は、住んでいる市町村の役所で登録をしたハンコのことです。
そのため、不動産の取引や、保険金の受理などの公的な手続きで使用されます。
銀行印は、先ほど述べた通り、銀行などの金融機関で使用されます。
また、認印は役所や金融機関などに登録していないものを指します。
*実印と銀行印と認印は別々の印鑑を使用した方がいい
「複数の印鑑を管理するのは大変だからなあ。」
このような理由で、銀行印を実印や認印と同じもので登録していませんか?
法律上はどちらも同じもので登録することは問題ありませんが、防犯面や手間の面から考えるとおすすめできません。
銀行印を認印と同じにすると、普段からその印鑑を使用する機会が増え、印影の流出が多くなり、偽造や複製される危険性が高まります。
実印と銀行印を同じにしてしまうと、紛失や盗難に遭った際に、金融機関での登録変更だけでなく、役所での手続きもする必要があり、多くの手間がかかってしまいます。
以上の理由から、印鑑は全て分けて使用するのが良いでしょう。
*苗字と名前とフルネームではどれを印字するのがベストなのか
銀行印や実印を作成する際に悩ましいのが、印字するのは「苗字のみ」なのか「名前のみ」なのかそれとも「フルネーム」なのかということです。
実印の場合、ルール上はいずれの場合も条件を満たしているため、正式な実印として認められます。
では、女性が印鑑を作成する際には、どれを選ぶのがベストなのでしょうか。
基本的にはどれを選んでも大きな問題はありませんが、おすすめなのは「名前のみ」で作成することです。
理由はシンプルで、結婚により苗字が変わる可能性が高いからです。
結婚前に苗字やフルネームで印鑑を作っていた場合、結婚後に苗字が変わったらまた新しく印鑑を作り直さなければなりません。
また、結婚している女性に関しても、もし、離婚した場合には印鑑を作り直す必要があります。
一方で、はじめから名前だけの印鑑を作っておけば結婚や離婚に伴う苗字の変更にかかわらず同じ印鑑を使い続けられるのです。
絶対に結婚したくない方は例外ですが、苗字が変わる可能性がある方はできるだけ名前で作成するようにしましょう。
□個人用印鑑の書体にはどんなものがあるの?
実のところ、書体には特に決まりは無く、自由に決めることができます。
しかし、書体は印鑑にとっては顔ともいえる重要なポイントです。
ここでは一般的に使用されるものをいくつかご紹介します。
*篆書体(てんしょたい)
ここで紹介する書体の中でも最も歴史が古く、人気が高いのが篆書体です。
篆書体はシャープで直線的な字体や左右対称な見た目が大きな特徴です。
現代の常用漢字と比べても大きく異なる字体なので、読むのは難しいです。
読むのが難しいということは、大きなメリットにもなります。
可読性が低いということは、それだけ偽造されにくい書体と言えるため、実印のように重要度の高い印鑑に適していると言えるでしょう。
*吉相体(きっそうたい)
篆書体から派生させたもので、文字と枠が接する面積が大きく、落としても欠けにくいという特徴があります。
篆書体を原型として、中心から外に向かって線が流れていくデザインが魅力的です。
篆書体が元になっているので、偽造などに対する防犯面は十分あり、デザイン性も高いので、実印や銀行印にはよく使われます。
*太枠篆書体(ふとわくてんしょたい)
印鑑の枠を太くし欠けにくく補強しながらも、篆書体を元に細く仕上げることで、バランス良く仕上げた書体です。
あくまで篆書体がベースになっているものの、線が細いことからかなり軽やかな印象を与えます。
印鑑に女性らしさが表現され、柔らかな印象を見る人に与えます。
*古印体(こいんたい)
古来日本の雅を想起させる墨溜りや欠け途切れが特徴の書体です。
日本では歴史が古く、かなり長い間使われているもので、現在は認印によく使われています。
非常に文字が読みやすく、なじみのある書体です。
*隷書体(れいしょたい)
篆書体をシンプルにした書体です。
お札の文字に使われているほか、認印の書体としても一般的に採用されています。
文字が読みやすいという特徴があるため、防犯面では他の書体よりも劣ります。
そのため、銀行印や認印に向いているとは言えません。
□女性におすすめの印鑑の書体・素材
前置きが長くなりましたが、女性には「太枠篆書体」がおすすめです。
その理由は三つあるので、それぞれ順にみていきましょう。
一つ目は、ほかの印鑑との区別がしやすいからです。
先ほど少しふれましたが、実印には「篆書体」と「吉相体」が多く使われ、認印には「古印体」と「隷書体」の使用率が高いです。
そのため、太枠篆書体で作ると、パッと見ただけで区別ができ、便利です。
二つ目は、夫婦間での区別がしやすいからです。
ご夫婦で一緒に作る際には、口座を別々にして開設するときのことも考慮に入れて、男女で印鑑が混ざらないようにする工夫が必要になります。
そこで、女性側の書体を夫と異なるものにすることが一般的です。
「篆書体」と「吉相体」はよく使われるので、男女で書体が同じになることが少なくなります。
三つ目は、通常の篆書体よりも丈夫であるためです。
太枠篆書体はその名の通り、枠が太くなっているのが大きな特徴です。
この太枠は見た目だけではなく耐久性にも関わっています。
仮に落としてしまった場合でも、ふちが欠けにくくなっているのです。
銀行印は利用頻度が高いので、その分落としてしまうことも少なくありません。
普段から使う銀行印が丈夫なのは大きなメリットになるでしょう。
一目見て区別がつき、また耐久性もあり、さらに女性的な柔らかいデザインを備えている太枠篆書体はまさに女性にぴったりの印鑑と言えます。
後述するおすすめの素材と組み合わせてぜひ自分だけの印鑑を作成してみてください。
*おすすめの素材は?
ここまでは、数ある書体の中でも太枠篆書体が最も女性におすすめであることをお伝えしました。
では、女性におすすめの素材はどんな素材なのでしょうか。
機能性やデザインの面からおすすめできる素材は、以下の3つです。
1つ目は、チタンです。
チタンは、耐久性の高さが最大の魅力の素材です。
特に熱や水に強く、汚れも水洗いで簡単に洗い流せます。
チタンは金属なので、少し重そうな印象を受ける方もいらっしゃると思いますが、金属材の印鑑は基本的に捺印時にほとんど力がいらないという特徴があります。
2つ目は、彩樺です。
彩樺はエコ素材として知られている素材です。
デザイン性が高く、赤い木目は女性らしい上品で高級感のある雰囲気を演出してくれます。
また、彩樺のような木材の印材には玄武やアグニといった種類もあるので夫婦でお揃いの印鑑を作るのもおすすめです。
3つ目は、牛角です。
自然素材である牛角は、1本1本異なる特徴を持っている印材と言えます。
牛角には、一般的によく使われるオランダ水牛と、黒水牛という2種類があります。
男性は重厚感のある黒水牛を選び、女性は優しい色で柔和な印象のオランダ水牛を選ぶ傾向があります。
彩樺と同じく、こちらも夫婦でお揃いにするケースが多くなっています。
また、牛角が優れているのは見た目だけではありません。
牛角をはじめとする角材の印鑑は捺印性の高さが特徴であり、また価格も比較的安いため、コストパフォーマンスが高いです。
セット印鑑として購入するのも非常におすすめとなっています。
□女性用の銀行印は名前のみでつくるって本当?
結論からいいますと、「名前のみ」にしておくことをおすすめします。
なぜなら、女性は結婚して姓が変更する可能性があることを踏まえ、結婚後も継続して使用できるようにするためです。
印鑑は頻繁に作成するものではないので、できる限り長く使いたいとお考えの方も多いですよね。
その上、既婚女性の場合も「名前のみ」にしておくことで、家族の印鑑と明確に区別することが可能になります。
区別して作ることで、苗字で作成した男性用銀行印は一家の財産管理用、名前のみで作成した女性用銀行印は妻個人の財産管理用、といった具合に役割が明白に分けられるようになります。
夫婦それぞれが金融機関の口座を管理する際に役に立つので、おすすめです。
しかし、実際に作成するにあたって、「ビジネスの場では使いにくいのではないか」「名前のみの銀行印は、恥ずかしくないの?」「本当に使えるの?」といった疑問の声が出てきそうです。
ビジネスでの使用を考えている、もしくは恥ずかしく感じるのであれば、「苗字」でつくってみましょう。
実際に、そういった理由で苗字入りの印鑑を作っている女性も多くいらっしゃいます。
名前のみにするかしないか云々の問題ではなく、それぞれの社会的な立場やライフコースを配慮することがなによりも大切ですね。
ですが、注意点として、ご家族の方の銀行印との取り違えが起こらないよう徹底的に管理しなくてはならないことが挙げられます。
さらに、名前のみの銀行印が口座名義の方の本名と一致するならば、有効です。
多くの金融機関で、そのような印鑑の使用は認められています。
「苗字」にするか「名前」にするかの判断は、社会的な立場やライフコースを踏まえた上で自分で判断するようにしましょう。
□女性用の銀行印のおすすめサイズはどれ?
サイズは大体12.0mm〜13.5mmにし、男性のものよりも少し小さめに作成することをおすすめします。
サイズを小さくすることで、結婚後も夫婦間でサイズが被ることがないので、使用しやすく、取り違えも防止できます。
しかし、実印を作成しない場合で細すぎるのは嫌だと感じる場合は、13.5mm〜15mmのサイズにしてみてはいかがでしょうか。
それに加え、実印や認印を作成する場合は、サイズが実印>銀行印>認印になるようにしましょう。
実印は、フルネームで複雑な書体を使用して作るので一番大きいのがベストです。
サインでよく使用される認印は、小さめのサイズなのがベターで、銀行印はこういった実印と認印の中間サイズが丁度よいでしょう。
□女性用銀行印と認印や実印は兼用できる?
銀行印は、なるべく実印や認印と併用して使わないようにしてください。
なぜなら、印鑑はそれぞれ異なった役割を持つため、併用すると危険な目に遭う可能性もあるからです。
では、印鑑はそれぞれどのような役割を持っているのでしょうか。
まず、それぞれの印鑑の役割を確認してみましょう。
実印:住宅や車の購入、または銀行融資を受けるなどの大きなお金が動く場合に使用されます。
認印:郵便配達で届いた荷物を受け取るときや、役所に書類を提出する時に使用され、日常生活において使う頻度が高いことが特徴です。
銀行印:金融機関で口座を開設する、または銀行窓口で取引を行うときに使われます。
上記のように、それぞれが異なる役割を担っているため、一緒に用いると、損を被る可能性があります。
日頃から、きちんと印鑑を使い分けられるよう意識することが非常に大切です。
また、印鑑を違うケースに入れておいたり、管理する場所を変えることでそれぞれ、適切なシーンで印鑑を使えるように工夫しておくことも意識しましょう。
□まとめ
今回は、「女性におすすめの銀行印の書体」についてご紹介しました。
銀行印は使う場面が多く、男性との区別も考慮すると、女性には太枠篆書体がおすすめです。
印鑑は一度作ってすぐに作り直すようなものではないので、この記事を参考にじっくりと考えて作ってくださいね。
なにかご不明な点がございましたら、お気軽に当社までお問い合わせください。