2020.4.5カテゴリー:印鑑の書体について
「印鑑を悪用されたくない!」
「印鑑で開運効果があるって聞いたことがあるけど本当?」
と考えているかたはいませんか。
実印や銀行印などの重要な判子は偽造されて悪用されると怖いですよね。
また、最近では開運のために判子を作るのも人気です。
今回は偽造防止と開運を同時にできる判子の書体を紹介していきます。
□「防犯」と「開運」には印相体がおすすめ
印相体は2つの別名を持っています。
文字が八方向へ伸びて掘られていることから「八方篆書体」、吉へとつながる「吉相体」とも呼ばれ、縁起の良い判子用の書体です。
印相体は元々、篆書体を基礎にして意匠化された書体です。
篆書体は漢字の基本典雅、流麗にして重圧、風格のある印影をつくります。
篆書体は判子に最もよく使われる書体です。
*印相体のメリット
三文半と呼ばれる百円以下で購入できる判子では、同じ印影の判子が世間に大量に出回っています。
しかし、印相体は複雑で独特な文字が特徴であることから、他の書体と比べて偽造されにくいです。
偽造されにくいだけでなく、風格とオリジナリティもあります。
また、一般的な書体の印鑑は掘られた文字が判子の外枠と接する部分が少ないため、外枠が欠けやすいです。
しかし、印相体は印鑑の外壁に接する点が多いため、枠が欠けにくいです。
長く使いたい判子には印相体が向いています。
さらに、八方に広がって掘られた文字は、縁起が良いとされています。
判子の丸い枠の中に文字が詰まっていて、他の書体で作成した同じサイズの判子と比べると文字が大きく立派に見えます。
これが、印相体が開運に用いられる所以でしょう。
大事なモノや大事な人生の節目で縁起を大切にしたい、という思いから生まれた字体です。
印相体は上記で説明したように、「偽造しにくく防犯性が高い」と「風水の点からお金の縁起担ぎになる」という特徴があるため、銀行印として人気が高い書体です。
□印相体デメリット
印相体は意匠を凝らした書体でオシャレであるが故、文字が読みづらいという弱点があります。
しかし、読みにくいからこそ判子の偽造難しく、それだけ悪用されるリスクが減ります。
注意しておきたいのが、印相体は一見歴史のある書体に思われますが、明治時代にできた字体のなかでは比較的新しい書体です。
そのため、印相体は開運を謳った詐欺まがいの書体だと毛嫌いする方もおられます。
実印に印相体を選んでいる人は全体の18パーセントです。
この数字を多いと考えるか少ないと考えるかは人それぞれですが、印相体は極端に珍しい書体でも主流の書体ではないことはわかります。
*印相体以外の判子用の書体
・篆書体
篆書体は日本銀行券にも印字されており、最も歴史のある書体です。
この他の書体もほとんどが篆書体から派生したものです。
実印や法人印鑑に人気の書体です。
・隷書体
隷書体は秦の時代に作られた字体で、篆書体を簡略化した判子用の書体です。
隷書体は読みやすいので実印には向いてませんが、認印の書体として人気です。
・古印体
隷書体から派生し、日本独自で作られた判子用の書体です。
隷書体と同じく認印として人気です。
元々は奈良時代の寺社で使用されていた書体です。
・行書体
読みやすく、女性らしい印象のある書体です。
上品な字体なので女性の判子におすすめです。
□綺麗に判子を押印するには
少し余談になりますが、せっかく作った判子は綺麗に押したいですよね。
判子の後は書類に残るので、押し方が下手だと少し恥ずかしいです。
そこで今回は、判子を綺麗に押印するコツを紹介します。
まずは、判子に前回の朱肉が残っているか確認します。
朱肉が残っていれば、ティシュやガーゼで拭き取りましょう。
そのあと、判子を朱肉につけます。
このとき朱肉をつけすぎないように心がけてください。
判子に朱肉につけたら、次は押印です。
押印の際は、捺印マットを紙の下に敷きましょう。
適度な力加減で、ひらがなの「の」を書くように押します。
そのあと、鏡文字の「の」を書くようにしたら判子をそっと紙から離します。
押印が終わったら判子についている朱肉を綺麗に拭き取ります。
時計回りと反時計周りと判子を回して、朱肉を拭くと綺麗に判子からインクが取れます
印面を常に綺麗に保つことが、判子を綺麗に押すためのコツです。
この押し方でも綺麗に判子が押せない場合は、原因は使っている朱肉にあるかもしれません。
考えられる原因としては朱肉のインクが切れていることです。
朱肉のスポンジの表面は乾燥しやすいです。
定期的に買い替えるかインクを補充するとよいでしょう。
□まとめ
今回は印相体について説明しました。
印相体は防犯性に優れていて、開運効果があることがわかりました。
また、印相体以外にも判子用の書体はいくつかあります。
店によっては店独自の書体もあるそうです。
あなたにぴったりの書体を見つけてみてください。
疑問や質問がありましたらぜひ、お気軽に当社までお問合せください。