2021.2.15カテゴリー:印鑑の種類について
会社設立の際に必要な印鑑の種類はご存じでしょうか。
会社設立時に必要な印鑑はどれなのか、そしてそのサイズであったり、書体であったり、わからないことは多く、お悩みの方もいらっしゃるかもしれません。
今回は、そのような方に向けて、会社設立の際に必要な印鑑の種類、そしてそのサイズや書体について解説します。
□会社設立時に必要な印鑑の種類
会社設立時、一般的に必要になる印鑑の種類は、実印(代表者印)、銀行印、角印の3種類です。
ゴム印も必要となる場合もあるので、それを合わせると4種類になりますが、基本的には上記の3種類を用意しておきましょう。
*それぞれの印鑑の役割について
実印や代表者印は、最も重要な役割を果たす印鑑です。
会社設立の際に登記申請書に捺印し、代表取締役が登記時に申請する印鑑です。
この登記を行うためには、印鑑の規定をきっちりクリアしないといけません。
1辺の長さが、1センチメートルを超え、3センチメートル以内の正方形に収まるもので、直径は18ミリメートルの丸印を用いるようにしましょう。
法人口座を開設する際に必要になるのは、銀行印です。
実印・代表者印と銀行印は同じものを使用しても構いませんが、紛失や悪用のリスク、摩耗によって印影が見えなくなることを考慮して、銀行取引専用の印鑑を作るようにしましょう。
その際は、実印や代表者印のようなサイズの制限はありませんが、印鑑のサイズを分けるなどの工夫を行っておくと、判別がつきやすく、より使いやすくなるでしょう。
そして普段最も使用頻度が高くなるのが、角印です。
別名社印とも呼ばれ、請求書や発注書に押すのが、この角印で一般的です。
実印を使用して対応もできますが、むやみに代表者印を使用しすぎると、悪用される懸念と、紛失してしまう危険性があり、手続きが大変になってしまうため、分けておくほうが良いかもしれません。
サイズの制限は特にありません。
そして、上記3つ以外であると便利とされているのが、ゴム印です。
使用頻度や重要度も、他3つと比べるとかなり低くなりますが、ゴム印を持っていることで、簡易的に会社の社名を捺印したい時、署名が必要な書類でも正式なものじゃない場合は、このゴム印で済ませられます。
*印鑑証明の登録と取得方法について
一般の人が行う印鑑証明とは違い、法人の場合は法務局で印鑑を登録する必要があるので、注意してください。
印鑑届出書と実印か代表者印を準備して、法務局に提出すると、法人の場合は印鑑を登録できます。
そして、印鑑カード交付申請書を提出することにより、印鑑カードが発行され、印鑑カードと代表者の個人情報(生年月日)などがあれば、法人用の印鑑登録証明書を取得できます。
□印鑑のサイズと書体について
*会社設立時に必要な印鑑の推奨サイズと大きさの規定
先ほども少し述べましたが、主な印鑑の3種類の内、サイズの規定があるのは代表者印だけで、ほかの印鑑にサイズの決まりはありません。
代表者印には「1辺の長さが1センチメートル以上で、3センチメートル以下の正方形の形で収まる大きさで作成すること」といった規定が存在しています。
そして、組み合わせとしておすすめなのが、代表者印・実印は18.0ミリメートル、銀行印が16.5ミリメートル、そして、角印が21.0ミリメートルか24.0ミリメートルです。
そして、見分けやすくするために、銀行印、代表者印・実印、そして角印の順番で大きさを変えましょう。
*印鑑の書体について
会社の印鑑で、良く用いられる書体は「篆書体(てんしょたい)」です。
紙幣にプリントされている書体も篆書体ですが、その書体である一番のメリットは偽造されにくい点です。
他の書体でも偽造防止できるのもいくつか存在していますが、可読性に乏しいため、可読性も兼ねて篆書体のほうが良いでしょう。
篆書体から進化して、さらに偽造されにくくなっている、「印相体(いんそうたい)」、「吉相体(きっそうたい)」などの書体も印鑑向きと言えるかもしれません。
法人仕様の印鑑には、書体についての規定はありませんが、偽造防止の観点などを考慮すると、上記の書体がおすすめです。
□印鑑を購入する場所について
印鑑専門店で、直接現物を見て選ぶ場合だと、印鑑の質感や色、持った感覚などを確認しやすいです。
完成品がイメージと違うということはなく、手違いがあっても直接会って話せるので安心かもしれません。
ただし、ネットよりは値段が高めで、種類も少ない場合が多いので、その点については注意しましょう。
ネットの場合だと、たくさんある種類の中から独自の印鑑を作成できます。
字体・書体、大きさ、印材や素材など、わざわざショップまで足を運ぶ必要もなく、1つの画面上で選べます。
ただし、質感などは多少、参考画像からはしっかりと判断ができずに、想像しているものとは違う仕上がりになる可能性もあるため、そういった点には注意しましょう。
100均の印鑑や三文判は、すぐに複製できて悪用される危険性があるため、法人設立時の印鑑登録には使用しないようにしてください。
まず、印影が同じになってしまうこと、そして誰でも安い値段で簡単に入手し悪用されやすいので安全性が低いことが欠点として挙げられます。
しっかりと、ある程度の金額をかけて、安全性の高い印鑑を作るようにしましょう。
□まとめ
今回は、会社設立時に必要な印鑑の要件、字体、サイズなどについて解説しました。
ぜひ、印鑑作成の必要な時には、上記の内容を参考にしてみてください。