2022.5.30カテゴリー:印鑑の種類について
生活の様々な場面で使う印鑑ですが、そもそも印鑑にはどのような種類があるのか、それらをどのようなタイミングで使えば良いのか知っていますか。
印鑑は、その種類によって適したタイミングや用途が存在します。
また、印鑑は単なるサインのような役割だけでなく、デザインが自分好みだと仕事で使う際のモチベーションがアップするなど様々な魅力があります。
私たちの日常生活に密接に関わっているからこそ、日本の文化である印鑑について、その種類や魅力について、しっかりと知っておきましょう。
今回は、印鑑にはどのような種類があるのかや、男性向けの印鑑や女性向けの印鑑、そして印鑑の魅力について紹介します。
□印鑑の種類について
私たちが普段使う印鑑には、主に3つの種類があります。
それぞれ種類によって使うタイミングや用途が変わるので覚えておきましょう。
1つ目は、実印です。
実印とは、自治体への登録をした印鑑のことで、正しくは印章と言います。
基本的に1人1本しか登録できないため、家族間の使い回しはできません。
よって、夫婦で同じ苗字の場合でも実印が必要な時は夫と妻それぞれが手続きをしたうえで手に入れたものを使わなければなりません。
実印は、主に重要な契約の際に使います。
例えば、住宅ローンの契約や会社設立、土地・建物の売買契約のためには他の印鑑ではなく、実印が必要です。
2つ目は、銀行印です。
その名の通り、銀行での金銭のやり取りの際に使うのが銀行印です。
実はこの名前は通称で、銀行などの金融機関で登録した印鑑を一般的に銀行印と言います。
銀行での通帳開設時や証券や保険の契約時など、金融機関の出納時に使うことが多いでしょう。
銀行印は他の種類の印鑑と違い、名前を横書きにしてもらうのが一般的です。
これは、後述する縦書きの認印と区別しやすいことや、「お金が縦に流れないように」という縁起から来ているそうです。
3つ目は、認印・仕事印です。
上記2つとは違い、公的な証明が存在しないものの、普段の生活でよく使うのが認印・仕事印です。
単に、内容を確認したという意で様々な契約書への同意の意思を示すのに使います。
よく使う種類であることから、自分好みにカスタマイズしたものを使っている人も多いので、作成する際には好きな色やデザインにしてみると良いでしょう。
印鑑は、様々な場面で自分自身を表す証として活躍する大切なアイテムです。
実印は主に不動産購入や遺産相続などの重要なライフステージで、銀行印は財産を管理するため、認印は上記以外の社会人として仕事する際に使います。
まずは、それぞれどのようなタイミングで使うのかを理解して、それぞれに適したデザインを考えて作ると良いでしょう。
□男性が実印を作る際のポイントとは
ここまでは、広く印鑑全般についての概要を説明してきましたが、ここからは男女別で実印を作る際に重視するポイントを紹介します。
実印は、前述した通り不動産の購入や各種公的証明書の作成の際に使う非常に重要な役割を持ちます。
よって、そのような契約の機会がない学生の段階で作る必要はないと言えます。
では、契約の機会が増える社会人になったタイミングで作れば良いのかと言うとそうでもありません。
基本的には、実印は必要になったタイミングで作ると良いでしょう。
男性にとって実印を使う機会は住宅や車の購入などですが、このような機会はそれほど多くありませんよね。
いざ必要となった時に実印がないと不安な方は余裕のあるうちに購入しておくと良いかもしれません。
ただ、基本的にはどのような素材や書体にしたかなどのイメージだけは膨らませておいて、すぐ購入できるように準備しておくのがベストでしょう。
実印の大きさは、9ミリメートル〜21ミリメートルと定められています。
自治体によって規定のサイズは違う場合も多いのですが、基本的にはこの範囲から選ぶことになるでしょう。
また、男性は女性よりも大きいサイズで作る傾向があります。
15ミリメートル〜18ミリメートルを選んでいる人が多く、最も人気なサイズは16.5ミリメートルです。
実印は、公的な場面で使うことが多いので、フルネームで作らなければならないと考えている方が多いのではないでしょうか。
しかし実際には、「苗字だけ」、「下の名前だけ」、「フルネーム」の3つの中から自由に選べます。
男性の場合は、結婚で名前が変わらないので「苗字だけ」、「フルネーム」の2つから選ぶと良いでしょう。
ただ、セキュリティ面から考えると、フルネームで作るのがベストかもしれません。
フルネームで作る場合は、苗字だけや下の名前だけで作る場合よりも偽造や複製されるリスクを減らせるのです。
また、フルネームで作ると文字数が多く堂々とした印象になるので、風格を出したいという方にもおすすめです。
実印を作る際には、書体にもこだわると良いでしょう。
男性に人気なのは、印相体(いんそうたい)と篆書体(てんしょたい)です。
印相体は複雑で偽造されにくく、縁起が良い書体で運気アップが期待できる書体です。
篆書体は印相体よりは簡素な書体ですがなじみ深く、印影に風格があって人気の書体です。
□女性が実印を作る際のポイントとは
女性は、結婚で名前が変わる可能性があるので、実印の印字は「下の名前だけ」にするのがおすすめです。
既婚女性に関しては、男性と同じように、3パターンの中から自由に選ぶと良いでしょう。
昔はフルネームで実印を作るのは一家を背負う男性のみという考えが一般的でしたが、最近では女性の社会進出も背景にあり、また防犯性も高いという理由でフルネームの実印を作る女性も増えています。
大きさは、男性よりも小さい13.5ミリメートル~15ミリメートルがおすすめです。
小さな手でも扱いやすく美しい印象のある小さなサイズを選ぶと良いでしょう。
また、フルネームで作る際には、小さすぎると窮屈な印象になるので、比較的大きめの15ミリメートルがおすすめです。
書体については、特にこだわりがない場合は防犯性の高い篆書体がおすすめです。
また、デザイン性にこだわりたい場合は太枠篆書体を選ぶと良いでしょう。
太枠篆書体は、防犯性の高さと柔らかな印字の印象が特徴で、外枠が太く頑丈なのも魅力です。
□印鑑の魅力とは
西洋では、一般的に書面への同意の際にはサインを用います。
日本でも、現代では徐々に電子契約が主流になってきており、電子署名という形も多くなっていくと予想されます。
一方で、日本の印鑑は、芸術的・文化的にも世界から高い評価を受けているということを知っていますか。
外国人にとっては日本の独自の文化である印鑑は人気が高く、自分の名前を彫ってもらいお土産にする人も多いそうです。
印鑑は、単に自分を証明するだけの役割にとどまらず、素材や書体によって違う豊かなデザイン性も備えているのです。
□まとめ
今回は、印鑑の種類や男女別の印鑑を作る際のポイント、印鑑の魅力について紹介しました。
印鑑には実印、銀行印、認印・仕事印という3つの種類があり、それぞれ使うべきタイミングや適したデザインが違います。
特に実印に関しては、重要な役割があるものの使うべきタイミングが限られているので、必要になった時に作ると良いでしょう。
また、男性と女性それぞれ人気の書体や素材、人気の書体や素材があるので、自分の好みに合わせて選ぶとより印鑑選びを楽しめるでしょう。
印鑑は日本人の文化なので、実印だけではなく認印などよく使うものは好きな素材を使ったり書体をこだわったりとカスタマイズして楽しんでみてはどうでしょうか。