2021.10.30カテゴリー:印鑑の種類について
「印鑑の購入を考えていて、フォントの種類とその選び方についてもっと知りたい」
このようにお考えの方も少なくないはずです。
実は印鑑の種類は、シチュエーションや役割によって異なります。
そこで今回は、印鑑の書体、種類や役割の違い、書体の選び方についてご紹介します。
□印鑑の書体にはどんなものがある?
ここでは個人用と法人用の印鑑に用いる書体の種類を紹介します。
個人用の印鑑の書体には、5つの種類があります。
1つ目は、吉相体(きっそうたい)です。
この書体は「印相体」とも呼ばれており、文字と枠が接する部分が多いため、欠けにくいという利点があります。
とても人気のある書体で、中心から外に向かって流れ出る力強い線が特徴です。
また、八方向に線が広がることから、「発泡篆書」とも呼ばれており、易学や風水では開運に良いとされています。
よく使われる用途としては、「実印」や「銀行印」などのセキュリティの高さが問われるものがあります。
2つ目は、篆書体です。
これは探してみると身近にある書体で、銀行発行の際にお札に捺されている印鑑の書体です。
これは日本で最も古いとされる国宝の金印にも用いられており、他にも様々な種類があります。
印鑑で用いるこの書体は、正確には「印篆」と呼ばれます。
印鑑に用いられる書体の中でも長い歴史がある文字で、現代で使われる文字とは形状がやや異なる場合もあります。
そのため偽造がしにくいので、法人用の実印にもよく用いられています。
3つ目は、太枠篆書体(ふとわくてんしょたい)です。
これは印鑑の枠を太くしたもので、他のものより高強度です。
また、篆書体を基に細かく仕上げられているため、太枠と細文字のバランスが良く取れた書体です。
そのため、篆書体と比べてもやや軽やかなイメージがあります。
個人の使用のみですが、女性が使う「実印」や「銀行印」に人気な書体です。
女性らしさを表現できる書体なので、印鑑に優しい印象を持たせたいといった方にはおすすめの書体です。
4つ目は、古印体(こいんたい)です。
欠けや途切れが特徴的な書体で、日本の漢字を基に出来た印章用の書体です。
非常に読みやすく、多くの方に馴染みのある書体となっております。
この書体は、印鑑の「認め印」でよく用いられます。
5つ目は、隷書体(れいしょたい)です。
横に長い端正なバランスと、波打つ運筆で表されているのが特徴的な書体です。
この書体も私たちの身近にあるもので、お札によく用いられています。
読み易さのある書体なため、印鑑によく用いられている書体です。
法人用の印鑑の書体にも同じものが用いられています。
この用途には、「篆書体」「吉相体」「古印体」がよく用いられます。
篆書体は個人用にも用いられますが、偽造しにくい特徴を持つため、全ての法人印鑑におすすめです。
□印鑑にはどのような種類がある?
印鑑には、「実印」「銀行印」「認印」の3つの種類があります。
実印は、市区町村の役所で登録します。
使用するシチュエーションとしては、土地や建物の売買、ローン契約公文書の作成、会社の設立などの際です。
銀行印は、金融機関で登録します。
登録している金融機関での出納や、金融機関での保険や証券の契約の際に使用します。
認印には登録方法はありません。
宅急便の受け取りや、簡単な契約、学校の書類、印鑑証明以外の自治体での手続きなどに用います。
□書体の選び方は?
それぞれの印鑑の種類によって、選ぶ書体も異なります。
例えば、個人の印鑑には「実印」「銀行印」「認印」の3つがありますが、それぞれの印鑑におすすめの書体があります。
実印には篆書体、銀行印には吉相体、認印には隷書体や古印体など、書体の特徴によってそれぞれの印鑑に向き不向きがあります。
個人の実印や法人の印鑑によく用いられるのが篆書体です。
これらの印鑑は大きな効力を持っているため、簡単に偽造や複製がされないようにする必要があります。
そのため、篆書体のような読みにくい書体を選ぶことが重要です。
他には、印相体も安全面を考慮しているとして人気の書体です。
篆書体と同じく可読性が低く、同じようにして用いられています。
また、これらの印鑑を作る際は、サイズや素材などの作成に関するポイントについても考慮する必要があります。
銀行印には印相対、吉相体がおすすめです。
このタイプの印鑑には、本来は古印体などの読みやすい書体がよく用いられていました。
しかし、複製のリスクを考慮して最近は実印と同様に篆書体や印相対などの書体を用いて印鑑を作ることが増えてきています。
また、この書体は名前からも連想できるように、開運書体と言われています。
運が良くなるといった言い伝えから、お金に関係する銀行の印鑑として選ばれることも多い印鑑の書体です。
また、銀行印の文字の向きは、横掘りで作成することが一般的です。
これには、回って来た運を流さずに受け止めるといった意味があります。
認印には読みやすい書体を用いることが好まれるため、隷書体が用いられることが一般的です。
理由として、この種類の印鑑は社内の文書や回覧板などに使うことが多いので、誰でも読める必要があるからです。
印鑑の書体から誰が捺印したのかわかるようにする必要があるため、読みやすい書体を選ぶと良いでしょう。
また、会社で使用する印鑑でもゴムの印鑑はさまざまな用途があるため、使う内容に合わせて書体を選ぶ必要があります。
そこで、楷書体などの読みやすい書体が好まれています。
□男性女性でのフォントの選び方は?
上記で紹介した通り、書体には様々なものがあります。
男女が使う印鑑の違いとして、男性の実印は女性の実印よりも少し大きいものが多く、書体も男性のものの方がしっかりとしたイメージのあるものを用い、女性は柔らかなイメージを持ったものが好まれます。
セキュリティ面をデザイン面よりも重視したいといった方は、印相体を用いるのが良いでしょう。
この書体は、構造が複雑で可読性も低いため、複製が非常に困難です。
実印のみの使用だけではなく、代表者印や法人印などの重要な場面での印鑑にもよく使用されています。
一方で、細篆書体が女性に人気のある書体です。
この書体は篆書体の文字を細くしたもので、文字よりも枠が太くなっています。
そのため、柔らかいイメージをもたらしてくれます。
また、文字の細さが与えるイメージと対照的に、枠が太いため強度もあるため、女性用の実印や銀行印などの印鑑の書体としても広く好まれています。
漢字の名前ではなく、ひらがなやアルファベットの名前をお持ちの方もいらっしゃるかもしれません。
そのような方でも、ひらがなや英語表記に対応している印鑑の書体もあるのでご安心ください。
まとめると、男性におすすめの書体は「古印体」か「印相対」、女性であれば「篆書体」か「細篆書体」が一般的だということを理解しておきましょう。
力強いイメージを与えられる書体が男性に向いていて、柔らかいものが女性には人気です。
また、実印を作成する前には購入する前に書体のプレビューを確認しておきましょう。
これによって実際に捺印した際のイメージを知れるため、印面のデザインの失敗を防ぐことにもつながります。
□まとめ
ここでは印鑑のフォントの種類と選び方について紹介しました。
印鑑の購入をお考えの方は、参考にしていただけると幸いです。
この記事を読んで質問を持たれた方は、ぜひ一度本社にお問い合わせください。