2023.3.30カテゴリー:印鑑の書体について 印鑑の種類について
実印は私たちが使う印鑑の1種ですが、実際にどのような場面で使うのか、名前だけではイメージしにくいですよね。
そこで今回は、実印の使い道について紹介します。
実印は、高額な金銭が伴う手続きや契約を結ぶ際に必ず必要になるものです。
例えば、不動産の売買や銀行融資などの場面で必要です。
また、実印を使う際のルールもいくつか存在します。
紛失した際の対処法や、引っ越しや結婚といったイベントがあった際の必要な手続きがあります。
この記事を読んで実印について理解を深め、実印を使いこなせるようにしましょう。
□そもそも実印って?
*実印とは?
実印は、本人を証明するための印鑑を指します。
印鑑に登録されている名前は、役場で登録された名前を元に作られます。
実印は、不動産の売買や遺産相続の際に必要になります。
また、実印は登録する本人が15歳以上であれば作成が可能です。
ただし、実印は1人1つと定められています。
例えば、家族で1人が実印を所有していれば問題ないと思うかもしれませんが、家族で実印は共有できません。
必要な契約や手続きを行う本人が実印をそれぞれ持たなければなりません。
*印鑑登録・証明書とは?
実印を使用する際は、一緒に印鑑証明書が必要な場合が多く、印鑑証明書を発行するためには、役場での印鑑登録が必要です。
印鑑登録を行う際は、住民票が登録されている地域の役場で行う必要があります。
その際、実印登録する印鑑の他に運転免許証といった本人確認ができるものも必要になります。
これらを持参すると、すぐに登録が可能です。
*認印と銀行印の違いとは?
実印以外にも、認印と銀行印は必要になる場面が多いです。
認印は、社内文書の押印や宅配便の受け取りの際に使う印鑑です。
銀行印は、銀行口座を開設する際に金融機関で登録するもので、窓口でお金を引き出す際に必要な印鑑です。
中には、認印と銀行印、実印を同じ印鑑として使った方が良いのではないかと考える方もいると思います。
しかし、これら2つと実印はそれぞれ別々に作成するのが良いでしょう。
これは、それぞれの印鑑は重要な役割を持っており、1本のみだと万が一紛失してしまった場合や盗難に遭った場合に、対処が難しいためです。
それぞれ別に作成しておけば、これらのリスクを分散できます。
□実印の使い道とは?
ここでは、実印の使い道として代表的な3つのものと、その他の使い道について見ていきましょう。
*不動産取引
不動産を購入し、所有権を移転登記する際に実印が必要です。
特に、分譲住宅や分譲マンションを購入する際は、販売する不動産会社からの移転登記が必要なため、必ず実印が必要です。
*中古車の個人売買
車といった個人売買を行う際は、車の所有者の名義変更に伴って移転登録申請を行う必要があるため、実印が必要です。
*銀行融資
不動産を担保にして金融機関からの融資を受ける際、印鑑証明書と実印が必要です。
*その他
先に紹介した3つの他にも、金銭における借用書や、役場での公正証書の作成の際にも実印が必要です。
また、多くの人が行う自動車保険や生命保険といった保険への加入や、遺産相続の際にも使われます。
そして、会社を設立する際の定款認証を受ける際にも実印が必要になります。
□実印の紛失や引っ越しなどで印鑑の変更は必要?
まず、実印を紛失してしまった場合は、印鑑登録を行った地域の役所に紛失届を提出します。
それと同時に、改印届も提出し、新しい実印の作成を行います。
さらに、紛失した実印が悪用されるのを防ぐために、警察にも紛失届を提出しましょう。
また、一度行った印鑑登録は取り消せます。
印鑑登録を行った地域の役所に印鑑登録廃止申請を行うと、印鑑登録を正式に取り消せます。
次に、引っ越しの場合です。
他の地域に引っ越す場合は、印鑑登録が再度必要になります。
同様の地域の場合は、印鑑登録の手続きは不要です。
また、転出届を提出すると、転出日に転出先の地域で印鑑登録が廃止されます。
最後に、結婚した場合です。
印鑑登録を行った実印に旧姓が刻まれている場合や、姓名の両方が刻まれている場合は、印鑑登録を変更する必要があります。
一方で、名前のみが刻まれている場合は、変更手続きは必要ありません。
□覚えておくべき!実印を使う際のルールとは?
ここでは実印を使う際のルールを4つ紹介します。
1つ目は、契約書を作成する場面です。
契約書を作成する際は、事実印の必要があるか、認印でも構わないかを事前に確認しておきましょう。
これは、実印が必要な契約である場合、印鑑登録をしていなければ役所での登録が必要になるためです。
また、契約書の作成の際に、書き間違いがあった場合の訂正印には、契約書の署名の箇所に捺印したものと同様の印鑑を使わなければならないことを把握しておきましょう。
2つ目は、婚姻届を作成する場面です。
婚姻届は重要な書類となりますが、認印を使用しても大丈夫です。
また、婚姻届だけでなく、役所へ提出する書類は基本的に認印でも受理されます。
3つ目は、届出印として使えないものについてです。
銀行印や実印などの届け出が必要になる印鑑の場合は、届出先によって規定が違うこともあります。
例えば、実印は文字の内容や大きさといった規定が地域によって違うため、実際に実印を購入する前に確認が必要です。
4つ目は、印鑑登録の方法です。
実印として使用する印鑑の作成が完了したら、各地域の役場で印鑑登録を行わなければなりません。
印鑑登録の方法は地域によって違いがあるため、あらかじめ確認するようにしましょう。
□実印に適した書体とは?
印鑑の書体には、吉相体、篆書体、隷書体、古印体があります。
実印の書体に規定は存在しませんが、複製や偽造のされにくさを考えて書体を選ぶと良いでしょう。
実際、実印は重要な契約や手続き等に使われるため、他者が簡単にマネできると取り返しのつかない被害を受ける場合もあります。
そのため、複製が難しい複雑な書体である吉相体がおすすめです。
ちなみに、吉相体は印相体とも呼ばれており、風水や易学に使われる書体です。
また、字が八方に広がっているため縁起が良い書体であることも、人気の理由です。
しかし、読みにくければよいわけではありません。
読むのが難しかったり、字が不鮮明だったりすると、実印として登録できない場合もあります。
もし、作った印鑑が読みにくくて登録できなかった場合、新しく作り直す必要があります。
そのため、スムーズに実印の登録を完了したい場合は、吉相体の次に読みにくい篆書体を選ぶのが良いでしょう。
□まとめ
今回は、実印の使い道について紹介しました。
実印に適した書体は先程紹介したようにいくつかありますが、吉相体がおすすめです。
吉相体は、他者に複製や偽造がされにくい書体であり、他の書体に比べて印鑑に刻まれた文字が読みにくくなります。
しかし、その読みにくさから、地域の窓口で印鑑登録を行う際に登録できない場合もあります。
そのため、確実に印鑑登録を行いたい場合は、篆書体を選択すると良いでしょう。
篆書体は、吉相体の次に読みにくい書体ですが、逆に吉相体よりは読みやすく、印鑑登録も行いやすくなります。
当社では、実際に印鑑を作成する前に、お客様に完成後のイメージを持っていただくための書体確認サービスを無料で行っておりますので、安心してご相談ください。
新しい実印の作成を検討されている方は、当社までお気軽にお問い合わせください。