2022.10.15カテゴリー:印鑑の種類について
新たに会社を設立する際に、必ず印鑑を作ります。
印鑑を作る際には、登録しなければ法人の印鑑としての効力を持ちません。
また、どのような印鑑が法人用の印鑑に適しているのかという点で迷われる方も多くいらっしゃいますよね。
印鑑を作る際には選び方で注意すべきポイントがあります。
ぜひ最後まで読んでみてくださいね。
□会社を設立・起業する際に必要な印鑑の種類とは?
*代表者印
代表者印は、会社実印とも呼ばれており、印鑑証明を法務局に提出して登録した後に、会社の印鑑証明用の印鑑として使用されるものです。
そのため、会社のものであることを証明する印鑑ということになるので、最も大切な印鑑と言っても過言ではないでしょう。
代表者印は、一般的に直径18ミリメートルの丸印が使用されます。
これは、印鑑届書に「印鑑の大きさが、辺の長さは1センチメートルよりも大きく、3センチメートル以下の正方形に収まるものでなければならない」と規定されているためです。
*銀行印
銀行印はその名の通り、会社で運用する銀行口座を開設するために使用する印鑑です。
実際には、この印鑑は代表者印で代替できます。
しかし、あまりおすすめはできません。
一般的に、印鑑を代用するのはあまり肯定されていません。
それは、印鑑を代用すると、紛失したり、悪用されたりする危険性があるからです。
このような危険性をなるべく減らすためには、それぞれで必要な印鑑を作り、危険性を分散させることが大切です。
特に、代表者印は、会社にとって最も大切な印鑑です。
もしこれを紛失したり、悪用されたりしてしまうと会社にとって大きな不利益を被る可能性があります。
そのため、必ず銀行印は作るようにしましょう。
*角印
角印は、会社印や社印、角判という言葉でなじみ深いのではないでしょうか。
請求書のようなものに押印する際に使われる印鑑で、最も使用頻度の高い印鑑ともいえるでしょう。
なお、請求書に押印をしなかったとしてもその請求書に効力は残ります。
また、角印も代表者印で代用可能ですが、上で述べた理由から、おすすめできません。
角印に関しては、大きさの制限は特にないので、自由に作成できます。
*ゴム印
会社のゴム印は、事務作業を効率よく行うために作成されるスタンプです。
会社名や住所、代表者名が記載されており、それぞれが分割できるものが多いです。
タテ型、ヨコ型とそれぞれあるので、どちらも作成しておくと良いでしょう。
また、自社の作業に合わせて、サイズもいくつか作成しておくことをおすすめします。
□会社設立・起業時の印鑑を選ぶ際の注意点とは?
前章で述べた印鑑を作る際にはどのような点に注意すれば良いでしょうか。
印鑑を作る際には、3つの点に注意してください。
1つ目は、大きさです。
前章でも述べたように、代表者印の大きさは規定があります。
そのため、18ミリメートルの丸印で作成される場合がほとんどです。
またそれぞれの印鑑は角印が最も大きく、次に代表者印、最も小さいのが銀行印となるように作られるのが一般的です。
これは暗黙のルールのように定められています。
しかし、必ずしも守る必要はないので、この点はご自身で選ばれた方が良いでしょう。
2つ目は書体です。
書体に関しては、結論から申し上げますと、好みによります。
定番で用いられるのは篆書体で、そのほかには印相体、古印体、隷書体があります。
基本的には、書体に関しては好みで選んで良いですが、「可読性が低い書体を選ぶ」というのがポイントです。
可読性が低ければ、セキュリティ面でも安心できます。
丸印が定番の代表者印については、印面は二重の円で外側に会社名、内側に役職名が彫られているものが多いでしょう。
銀行印も二重の円で外側に会社名、内側に銀行之印という文字が彫られることが多いです。
会社印は会社名之印と彫られます。
このような定番の形に注意して、位置や文字間隔、太さや大きさを考えてバランスよく配置することが大切でしょう。
3つ目は、素材です。
素材に関しても好みで良いでしょう。
ただし、印鑑は登録が必要ですし、作成した時からずっと使っていくものです。
長年使っていても、かけたり、破損したりしてしまわないように耐久性の高いものを選ぶ必要があります。
水牛や柘植、チタンのようにさまざまな印鑑の種類があり、その中でもグレードがあります。
さまざまな種類のメリット、デメリットを吟味したうえで、会社に合っているものを選びましょう。
このように印鑑を選ぶ際には、使い勝手や耐久性について考える必要があるということを念頭に置いておいてくださいね。
□法人印鑑の登録方法についてご紹介!
印鑑を作っても登録しなければ、それは法人の印鑑として効力を発揮しません。
印鑑を作った後には、次のように印鑑登録を行ってください。
代表者印を登録するためには、営業所のあるエリアを管轄する登記所に行って印鑑届所を提出します。
この登記所で、会社を設立する際に登記申請を行うので、登記申請と印鑑登録を同時に行えるようにタイミングをつけておくとスムーズに進むでしょう。
管轄する最寄りの登記所はそれぞれの地域によって異なるので、法務局のホームページよりあらかじめ確認しておいてください。
印鑑届所には、会社の商号や印鑑提出者氏名、印鑑提出者の個人の実印が必要です。
他にも発行して3カ月以内の印鑑提出者の個人の印鑑登録証明書が必要になるので、準備しておいてください。
それぞれ役所やコンビニで取得できます。
印鑑登録証明書に関しては、登記申請を行う際にも使用します。
印鑑届出書に登記申請書に添付のものを援用するという項目があり、それにチェックを行うことで、登記申請、印鑑登録の両方に使えます。
そのため、忘れずにチェックするようにしてください。
以上が印鑑登録に関しての基礎知識です。
これらを踏まえて印鑑登録を行うことで、スムーズに進むでしょう。
□印鑑の使い方とは?
ここでは、登録した印鑑や作成した印鑑をどのような場面で用いるのかについて解説します。
まず、押印です。
押印はさまざまな場面で、使われる言葉ですが、どのような意味かしっかりと理解していない方も多いのではないでしょうか。
押印は、自筆での署名以外の方法によって記載された名称に付して印を押すことです。
捺印は、自筆で署名した場合の印鑑に用いられる言葉です。
2つ目は、割印です。
これは正本と副本、原本と写しが対になっていることを示す印のことで、2つの書類が対になっていることを示します。
3つ目は、契印です。
これは契約書が複数枚に及ぶ場合に、一色の契約書であることを証明する印です。
契約書の端をくっ付けてまたがるように印を押すことで、同一の契約書であることを示します。
4つ目は、捨印です。
捨印はあらかじめ書類の欄外に押印することで、誤りがあった場合に、訂正印として使えるというものです。
あらかじめ捨印を押しておくことによって訂正印を押す手間を省けるでしょう。
5つ目は、消印です。
印紙税を納税した照明には収入印紙に消印を押します。
万が一消印を押していなければ、過怠税が徴収されるので、忘れずに押してください。
□まとめ
会社を設立・起業する際にはさまざまな印鑑があり、それぞれ大切な役割を担っています。
また、さまざまな使い方があります。
会社を設立して、ずっと使っていく印鑑なので、しっかりとしたものを作りましょう。