前回の記事では、男女別、プレゼントするのに最適な印鑑をご紹介しました。
材質などにこだわれば、その人の個性をより高めることもできます。
より魅力的な人と成れるように、素敵な印鑑を選んであげましょう。
2回に渡って、プレゼントするのに最適な印鑑をお伝えしました。
しかし、まだお伝えしきれていない選ぶ要素があります。
それは、「書体」です。
印鑑の役割は、印影を付けることですよね。
あなたを知らない人があなたの印影を観たら、それだけであなたのことを判断されてしまいます。
つまり、印影とはその人の個性を表すのです。
そして、その印影を左右するのが印鑑の書体となります。
「印影がつけられれば、別にそこまで重要視しなくても良いんじゃない?」
このように思われる方もいらっしゃるかもしれませんね。
では、体格の良い男性が丸みを帯びた書体の印鑑を用いていたら、どう思いますか?
悪い印象は抱かないかもしれませんが、「えっ? なんでこんなに可愛いのを使ってるの?」と想像される方がほとんどだと思います。
想像される側からしたら、印鑑を付ける度にそのような想像をされたり、聞かれたりするのは嫌ですよね。
印鑑をもらった人が、そのような思いをしないためにも書体にもこだわってあげましょう。
そのため、今回は、印鑑に用いられている書体についてお伝えします。
印鑑に使われている書体は多数存在しているため、全てを伝えきることはできません。
その為、今回はよく使われている5つの書体をお伝えします。
篆書体(てんしょたい)
篆書体はとても昔の中国から伝えらえてきた書体で、重厚で風格のある印影が特徴とされています。
千円札や五千円札に押されている日本銀行印やパスポートなどに使われているため、目にされた方は多いのではないでしょうか。
篆書体は、象形文字を基本としているため、文字が読みにくく、偽造しにくい書体となっています。
このような特徴から、個人で用いることは勿論、公的な場面でも、この書体が用いられているのです。
相手の人生に寄り添ってもらえるような印鑑を贈る場合は、篆書体を選びましょう。
印相体(いんそうたい)
印相体は、吉相体とも呼ばれていて、主に戦後に広まった書体とされています。
篆書体を原型としてつくられた書体であるため、篆書体の特徴である読みにくさと偽造のしづらさを引き継いでいます。
その上、篆書体よりも文字が丸みを帯びているため、それらの特徴をより濃くしているのです。
印相体が用いられている印鑑では、印面に刻まれた文字と印鑑のふちが繋がっています。
その繋がり方も、上下左右斜めの八方に末広がりに繋がっていることから、開運に繋がるとも言われているのです。
「吉相体」というのも、その繋がりの特徴から、そう呼ばれているとされます。
そのため、ふちが欠けにくいという特徴も有しているのです。
他の書体よりも多くの特徴を有している印相体、個性が強い方に適しているかもしれませんね。
隷書体(れいしょたい)
隷書体は、古代中国の秦の事態につくられた書体とされています。
この隷書体も印相体同様、篆書体を模して造られているのです。
しかし、隷書体は篆書体を速記するために簡略化しているため、読まれてしまうことがあります。
隷書体は誰が押印したかを示す認め印に用いることが多いそうです。
隷書体における最大の特徴は、印影の美しさが挙げられるでしょう。
この書体で用いられている文字は、横長で非常にバランスが取れています。
一万円札にも押印されているため、その美しさが気になった人は確認してみてはいかがでしょうか。
古印体(こいんたい)
古印体は、日本で生み出された書体とされています。
大和古印の伝統を受け継いでいるため、印章用として用いられることが多いです。
文字の線における強弱や途切れが特徴的で、どこか親しみやすさを感じます。
日本独自の印鑑であるため、知らない間に目視する機会が多いからかもしれませんね。
古印体では、隷書体を基本とした文字が使われています。
隷書体の文字に丸みを持たせているため、他の文字に比べて読まれてしまう可能性が高いです。
プレゼントしても、実印には使わないように言っておきましょう。
楷書体(かいしょたい)
楷書体という言葉を耳にしたことがある人は多いと思います。
この書体は漢字の最も基本的な形とされているのです。
私達が日頃目にしている漢字では、この書体が使われています。
実は、この楷書体には長い歴史があることをご存知でしょうか。
昔の中国の隋と唐では、楷書体が標準の書体として用いられていたのです。
この字も読みやすいため、実印には向いていません。
認め印として使ってもらうように言っておきましょう。
まとめ
今回は、現在の印鑑で使われている5つの書体をご説明しました。
印鑑の材質、デザインは重要ですが、書体はそれ以上に重要です。
「名は体を表す」とも言います。
その人を表すような書体を選んでから、印鑑を贈るようにしましょう。